中小企業の7割が従業員の教育訓練を定期的に実施も 業種による差が顕著に 中小企業の人材育成に関する実態調査を実施
2016.05.16 12:00
株式会社エフアンドエムでは、エフアンドエムクラブ会員企業に対し、人材育成についての実態調査を行いました。
■1. 調査背景
4月は新入社員や中途採用の社員の入社が最も多いとされています。新たに入社した従業員への研修や、教育する立場の管理職研修など社内研修が活発に行われている中、中小企業の人材育成に関する実態を調査しました。
■2. 調査概要
調査期間 :2016年1月1日~2016年3月11日
調査対象 :エフアンドエムクラブ会員企業
※エフアンドエムクラブ会員企業とは、
エフアンドエムが提供する中小企業向け
管理部門支援サービスに入会している企業
有効回答数:909社
調査エリア:全国
<業種地域別回答数>
https://www.atpress.ne.jp/releases/101969/img_101969_2.jpg
※1 首都圏=東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
■3. 調査結果
<図1 従業員数別の教育訓練の実施状況>
https://www.atpress.ne.jp/releases/101969/img_101969_3.png
※2 n=909社
<図2 業種別 従業員の教育訓練の実施状況>
https://www.atpress.ne.jp/releases/101969/img_101969_4.jpg
※3 n=909社
調査の結果、70%の企業が従業員の教育訓練の実施を「定期的に実施している」「不定期に実施している」ことが分かりました。従業員数別でみると、30名以下の企業で従業員の教育訓練を「実施していない・未回答」が30%を超える結果となりました。これは少ない人数で営業活動をしているため、教育訓練に充てる時間を確保しにくいことが考えられます。
業種別でみると、サービス業、製造業、建設業、運輸・通信・IT業の70%が教育訓練を実施している状況である一方、飲食業では50%の実施という結果となり、業種による差があることが分かりました。これは、シフトを元にした勤務形態で運営されている企業が多く、全員が集まる機会を設けにくいためと考えられます。
また、教育訓練の内容についても調査しました。
<図3 実施している教育訓練の内容(複数回答)>
https://www.atpress.ne.jp/releases/101969/img_101969_5.jpg
※4 n=640社
技術系の研修を実施している企業が最も多く、次いで知識研修を実施している企業が多いことが分かりました。2015年12月にストレスチェックが義務化されたことから、今後はメンタルヘルス系研修を実施していく企業が増加してくことが考えられます。
年間研修予算についても調査しました。
<図4 年間の研修予算>
https://www.atpress.ne.jp/releases/101969/img_101969_6.jpg
※5 n=170社
調査の結果、年間の研修予算が30万円以下の企業が半数を超え53%となり、1,000,001円以上の予算を組んでいる企業は21%となりました。年間研修予算の平均額は726,429円となり、前回の調査結果(2014年4~9月調査)の764,397円とほぼ横ばいの結果となりました。また、中央値も400,000円と2014年調査と同じ結果であり、中小企業における教育訓練への投資は増加していないことが分かりました。
■4. 総評
厚生労働省では、従業員に対して教育訓練等を行う場合に申請可能な「キャリア形成促進助成金」、有期契約労働者等に対して職業訓練を行う「キャリアアップ助成金」など、企業が教育訓練を行う後押しをする制度を設けています。このような制度を活用することで自社の負担を軽減し、従業員のスキルアップのために教育訓練を実施する企業が増えることに期待します。
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