モンタビスタ、IBM PowerPCプラットフォーム用Carrier Grade Linuxをリリース
報道関係各位
プレスリリース
2003年8月 5日
モンタビスタソフトウエアジャパン株式会社
モンタビスタソフトウエア、IBM PowerPCプラットフォーム用
Carrier Grade Linuxをリリース
~テレコムやネットワーキング、
ネットワーク・ストレージ・アプリケーション市場に
Carrier Grade Linuxを投入~
米カリフォルニア州サニーベール、2003年8月4日(現地時間)発-
革新的な組込みソリューションを展開するMontaVista Software Inc.(以下、
モンタビスタ)は、本日、MontaVista(R) Linux(R) Carrier Grade Edition
(CGE)が、IBM(R) PowerPC(R) 440GXおよび440GP組込みプロセッサと、750FX
マイクロプロセッサをサポートすることを発表しました。これらのPowerPC
プロセッサは、テレコム、ネットワーキング、ネットワーク・ストレージ・
アプリケーションに製品展開されています。これらのプロセッサを搭載した
商用汎用ボードは、ネットワークを構築するデータ・ストレージやサーバ、
ネットワーク用のハブ、ルータ、スイッチで利用されます。
IBMのスケーラブルなPowerPCアーキテクチャは、テレコムやデータ通信のイン
フラストラクチャ向けに広範囲なアプリケーション用の共通のハードウェア・
プラットフォームを提供します。MontaVista Linux Carrier Grade Editionは、
先進のオープン・スタンダード・ベースのキャリア・グレード・プラットフォー
ムを開発するために、Linuxがサポートする数々の最新技術に堅牢なキャリア・
クラスの機能を組み合わせたものです。
IBMテクノロジーグループのネットワーキング・テクノロジー担当副社長、
Jane Munn氏は、次のように述べています。
「ネットワーク・プロバイダーは、モンタビスタのキャリア・グレード対応
Linuxの開発ツールとハイ・アベイラビリティのための機能を、当社のポピュ
ラーなIBM PowerPCマイクロプロセッサと組み合わせて利用することができる
ようになります。通信テクノロジのプロバイダーは、これらのソリューション
によって、低コストかつ高い柔軟性で次世代サービスを開発し、展開させるこ
とができます。このことは、PowerPCテクノロジ・ベースで、コスト削減、よ
り多くの選択肢、市場導入の短期化を可能にする商用の既製品へと業界が移行
してゆくという点で、通信業界におけるもう一つのマイルストーンを示します。」
CGEは、ますます大きくなる市場投入時間短縮のプレッシャーに直面する通信
機器メーカー(TEM)およびネットワーク機器メーカー(NEP)からの業界固有の
ニーズに対応するために開発されました。このようなネットワーク機器の開発
メーカーは、リアルタイム性をサポートしながら、スケーラブルでハイ・
パフォーマンスなソリューションを可能にしなければなりません。CGEを利用
することで、コストを削減し製品開発期間を短縮しながら、これらが実現され
ます。CGE 3.0は、OSDL ( Open Source Development Lab ) Carrier Grade
Linux Specificationリリース1.1に完全に準拠した製品です。また、標準Linux
に、キャリア・グレード環境で製品を展開するために高信頼性とハイ・アベイ
ラビリティを強化しています。ネットワーク機器メーカーが、キャリア・
グレードのLinuxを実装し始めたのは、様々なプロジェクトやアプリーション
で多数のアーキテクチャをカバーする共通の製品を使用したいという要求があ
るからです。
モンタビスタのCEO兼プレジデント、ジム・レディ(Jim Ready)は以下のよう
に述べています。
「市場は、利用可能なすべての主要ハードウェア・プラットフォームで開発で
きるテレコム向けのLinuxソリューションを求めており、モンタビスタはこれら
の市場のニーズに応えます。モンタビスタは、Carrier Grade Linuxの最初の
リリースでIntelアーキテクチャ・ベースのプラットフォームをサポートしまし
た。今回、お客様からの要求に対応し、モンタビスタは、Carrier Grade Linux
でのPowerPCサポートを実現しました。」
MontaVista Linux Carrier Grade Edition 3.0は、次世代のキャリア・グレード
Linux OSと開発環境です。CGEは、オープン・スタンダード・ベースの先進の
キャリア・グレード・プラットフォームを開発するために、市場をリードする
Linux技術に堅牢なキャリア・クラスの機能を組み合わせたものです。
OSDLのCEO、Stuart Cohen氏は以下のように述べています。
「モンタビスタ、IBMとフォース・コンピュータは、キャリア・グレードのLinux
を推進する上で主要な役割を担っています。OSDLは、新しいアーキテクチャや
アプリケーションに、キャリア・グレードのLinuxの対応を拡張してゆくという
この様な積極的な動きを素晴らしいと思っています。」
フォース・コンピュータの750FX PowerPC対応PowerCore(TM) CPCI-690は、
Carrier Grade Linuxをサポートする最初の商用ベースのPowerPCボードとなり
ます。MontaVista Linux Carrier Grade Edition 3.0は、既にフォース・コン
ピュータのIntel ベースCPCI-735/736R2 SBC (シングルボード・コンピュータ)
をサポートしています。ポピュラーなCPCI-690の追加で、顧客は広範なフォー
ス・コンピュータ製品でCarrier Grade Editionを利用することができるよう
になります。この結果、異なるアーキテクチャとソリューションのために複数
のOS製品を管理する全面的なコストを低下させることが可能となり、企業の内
部開発費用の削減が可能となります。
フォース・コンピュータのワールドワイド・プロダクトマーケティング/エン
ジニアリング担当副社長兼ゼネラルマネージャ、Chris Williams氏は以下のよ
うに述べています。
「フォース・コンピュータのSBCとモンタビスタのCarrier Grade Editionを
組み合わせることで、TEMとNEPは、オープン・スタンダード・ベースのオペ
レーティング・システムとプラットフォームを用いたハイ・アベイラビリティ
・ソリューションを構築することが可能になります。当社は、高度な通信アプ
リケーション向けに理想的と言えるMontaVista Linux Carrier Grade Edition
が稼動する、堅牢かつ入手も容易なプラットフォームを提供することで、通信
市場でのリーダーとしての役割を引き続き担います。
MontaVista Linux Carrier Grade Edition について
CGEは、コア/エッジ、メディア・サーバ、コア・スイッチでのソフト・スイッ
チ、BSC/RNC (base station controllers/radio network controllers)、
メディア・ゲートウェイ、コントロール・プレーン・アプリケーションのよう
なテレコムおよびデータコム・アプリケーションに要求される柔軟性、信頼性
および機能性を提供します。Carrier Grade Editionは、CompactPCIホットス
ワップ・ドライバ、冗長イーサネット、RAID 1を含む必要不可欠なハイ・アベ
イラビリティ機能を提供します。さらに、堅牢なドライバ・アーキテクチャ、
リソース監視および障害管理サービス、および他のキャリア・グレードの機能
を提供します。CGE 3.0は、Intelアーキテクチャ・プラットフォームでも現在
利用可能です。
MontaVista Linux Carrier Grade Edition は、昨年リリースして以来、既に、
フランスのアルカテル、英国のアジレント・テクノロジーズおよびフィンラン
ドのノキアを含む十数社によるデザインウインを獲得し、テレコムおよびネッ
トワーキング市場の顧客に大きな反響を与えています。CGEは、次のような広範
囲にわたる最先端のアプリケーション分野において、ますます多くのグローバル
なテレコム企業による採用、製品化が進んでいます。
● ワイヤレス通信
・鉄道網向けの有線/ワイヤレス通信網間ゲートウェイ
・モバイルインフラのためのスイッチ
● スイッチやコールサーバのためのスケーラブルなプラットフォーム
● GSMオペレータのためのロケーション登録や基地局制御装置
● VPN、セキュア・ルータのようなインターネット・セキュリティ製品
● メディア・ゲートウェイやソフト・スイッチ-Voice over IPネットワーク
ソリューション
● メディア・ゲートウェイ制御装置のようなアプリケーションに見られる
「All-IP」ネットワーク
● DSLAMやルータといった管理が必要なインフラ機器
IBM PowerPC: 440GX, 440GP and 750FXについて
440GXと440GPは、用途の広いシステム・オン・チップ(SOC)製品です。エッジ
ネットワーク・システムを構築するラックマウント・サーバーなどで、システ
ムレベルの製品としての利用がますます増えています。PowerPC 440GXは、
最近「アナリスト・チョイス・アワード」を受賞し、半導体の技術革新、設計
および実装における卓越性が認識されました。IBM PowerPC 440GXは、広い範囲
のハイボリューム・アプリケーション向けに、魅力的な価格で包括的な機能を
提供すると言われています。750FXは、高機能PPCアーキテクチャです。
モンタビスタは、CGEで750FX PPCサポートを開発するために、リファレンス
ボードとしてフォースのPowerCore CPCI-690を使用する予定です。
Force Computers PowerCore CPCI-690について
フォースのPowerCore CPCI-690 CompactPCI(R) シングルボード・コンピュータ
は、これまで以上の柔軟性とパワーをテレコミュミケーション、データコミュ
ニケーション、産業用の組込みアプリケーションにもたらします。アワード受
賞のSentinelユニバーサルPCI-to-PCIブリッジテクノロジーで、PowerCore
CPCI-690はハイパフォーマンスなシステム・コントローラとしてだけでなく、
動作モードの切り替えによりハードウェアやソフトウェアを再構成する必要の
ないインテリジェントなペリフェラルカードとして使用することが可能です。
高度なPowerPC(TM) 750FX 700MHzプロセッサと幅広いインタフェースを組み合
わせることで、PowerCore CPCI-690は、信頼性に優れたマルチコンピューティ
ング・プラットフォームを短時間で構築できる理想的な選択となります。
リリース
440GX、440GP、750FXおよびこれらのリファレンスボード対応MontaVista Linux
Carrier Grade Editionは、2003年の第4四半期(4Q)にリリース予定です。
MontaVista Linuxカーネル、ソフトウェア・アップデート、アプリケーション・
パッケージ、ユーティリティ、開発ツール、MontaVista Zone(お客様向けポー
タルサイト)へのアクセス権、包括的な技術サポートとLinuxハンズオン・
トレーニングコースを提供します。
モンタビスタソフトウエアについて
MontaVista Software, Inc.(本社:米国カリフォルニア州サニーベール)は、
インテリジェントな接続機器や関連するインフラストラクチャ向けのシステム
ソフトウェア市場をリードするグローバル・サプライヤーです。モンタビスタ
はGNU/Linuxベースのオープン・ソース・ソフトウェア・ソリューションを提
供することで組込みソリューションの革新を推し進めます。リアルタイム オ
ペレーティング・システムの先駆者ジェームス・レディ(James Ready)によっ
て 1999年に設立され、MontaVista Linux製品シリーズとして通信インフラから
コンスーマ機器分野を対象としたアプリケーション向けに求められる幅広い開
発者のニーズに対応します。MontaVista LinuxはProfessional、 Consumer
Electronics、Carrier Gradeの複数のエディションと、パワフルなJava開発環
境やグラフィックス開発機能を提供するアドオン製品も提供しています。
モンタビスタソフトウエアジャパン株式会社は、MontaVista Software Inc. の
100%日本法人として2000年7月に設立され、日本市場に対して組込みLinux、
およびそれに関わるあらゆるサービスを提供しています。
米カリフォルニア州サニーベールに本社を置くMontaVista Softwareは、Alloy
Ventures, US Venture Partners、RRE Ventures、WR Hambrecht+Co.、IBM、
Intel Capital、Sony、Panasonic、Toshiba America、およびYamaha
Corporationなどの主要投資企業より出資を受けた株式非公開企業です。
MontaVista Softwareの詳細情報は、同社のWebサイト
( http://www.mvista.com/ (英語)、http://www.montavista.co.jp/ (日本語))
をご参照ください。
IBM Microelectronicsについて
IBM マイクロエレクトロニクスは、IBMが世界最大のITサプライヤーとして果た
す役割に大きく貢献しています。最新の半導体や配線技術、製品、サービスを
開発、製造、販売しています。IBMマイクロエレクトロニクスの事業は、3つの
主なエリアに集中します。それは、ASIC(特定用途向けIC)、PowerPCベースと
他の標準のチップ製品、ハイテク・ファウンドリ・サービスです。その優れた
統合ソリューションは、世界的に有名な数々のエレクトロニクス製品に採用さ
れています。
IBMは、チップ産業の革新者として認識されています。アルミニウムに代わる
より電源効率の良い銅配線、より速いシリコン・オン・インシュレーター(SOI)
とシリコン・ゲルマニウム・トランジスター、およびチップ・ワイヤー間で改
善されたLow-k(低誘電体層間絶縁膜)などの先進の製品技術分野で常にトップ
クラスを維持しています。これらおよび他の技術革新は、10年連続第1の米国
特許ホルダーとしてIBMの立場に寄与しています。
IBMのマイクロエレクトロニクスに関する詳細は、以下をご参照下さい。
http://www.ibm.com/chips.
Force Computersについて
フォース・コンピュータ(www.forcecomputers.com)は、1981年に設立され、
オープン・スタンダード・ベースでカスタムボードとシステムレベルの組込み
コンピューティング・ソリューションを設計し、ワールドワイドで提供する
リーディングサプライヤです。これらのソリューションは、テレコム、データ
通信、医療、産業用制御機器や防衛、航空宇宙などの市場を対象としています。
Venture Deelopment Corporationがシングルボード・コンピュータおよび組込
みマザーボード(2003年5月公表)のユーザに行った市場調査によると、フォース
・コンピュータは、2002年の売り上げとなる合計出荷台数において、両方の製
品カテゴリーで際立っています。さらに、2002年にVMEのサブカテゴリをリード
しました。ISO 9001に認証され、グローバル・オペレーションの全フェーズで、
トータルな品質管理という方針を実行しています。
フォースは、米カリフォルニア州フリーモントに本社を置きます。フォースの
ヨーロッパおよびアジア太平洋の本部は、それぞれミュンヘン(ドイツ)と東京
(日本)です。
Linux は Linus Torvalds の登録商標です。
MontaVista は MontaVista Software, Inc. の登録商標です。
IBMとPowerPCはInternational Business Machines Corporationの登録商標です。
PowerCoreはForce Computersの商標です。
その他のすべての名称は、各社(IBMとForce)の商標、登録商標、または
サービス マークです。
【問い合わせ先】
モンタビスタソフトウエアジャパン株式会社
マーケティング部:安田 佳世子
TEL: 03-5469-8840 FAX: 03-5469-8801
Email: kayoko_yasuda@montavista.co.jp
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