【野外演習中の自衛隊員76名を対象に試験】 キシリトール配合ガム摂取が 細菌数の増加を有意に抑え、口腔環境維持に寄与!
災害時などの口腔清掃困難時に、口腔環境維持に寄与することを示唆
日本では、9割以上の人が毎日歯を磨いており、口腔清掃は生活者にとって欠かせない習慣として定着しています。しかしながら、近年多発する震災や災害時など日常の口腔清掃が困難な状況下では、口の中のさまざまな細菌の増加による口腔環境の悪化が、むし歯や歯周病だけでなく肺炎などの発症にも影響することが懸念されます。
今回、九州大学の山下 喜久教授らは、株式会社ロッテ・中央研究所との共同研究により、口腔清掃が困難となる野外演習に参加した陸上自衛隊員76名を対象に、キシリトール配合ガムを噛むことで口腔環境の悪化を軽減できるのかを調べるため試験を行いました。被験者を、キシリトール配合ガム摂取群(介入群)とガム非摂取群(対象群)に無作為に振り分け、介入群の被験者は1日につき7回5分間のガム摂取を2日間行いました。
野外演習の前後で被験者の唾液中に含まれる全細菌数を比較したところ、介入群では細菌数の増加が対象群に比べて有意に抑えられていました。
つまり、災害時などの口腔清掃が困難な状況下におけるキシリトール配合ガム摂取は口腔内の細菌数の増加を抑制し、口腔環境の維持に寄与することが示唆されました。
なお、本研究成果を、2016年9月4日(日)福岡県歯科医師会館で開催される第38回九州口腔衛生学会総会にて、発表を行う予定です。
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