“紙くず”からエネルギーを 食糧問題と競合しない独自のバイオエタノール
2016.11.08 10:30
古紙のリサイクル事業を行う株式会社サンウエスパ(本社:岐阜県岐阜市、代表取締役:原 有匡)は、古紙からのバイオエタノール製造事業を開始しております。
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エタノール製造プラント
バイオエタノール事業: http://sunwaspa.com/vaioethanol
■なぜ古紙からなのか
まず第一に、原料として国内で発生する古紙を用いるため、日本という規模での地産地消が可能です。現状、日本のエタノールは輸入されたものが多く、海外に依存しがちですが、古紙を原料に用いれば海外の状況に左右されず、安定したエタノール供給が可能となります。また、これまでのバイオエタノール製造は、穀物を原料として行われてきており、食糧との競合が課題でしたが、古紙を原料として用いるエタノール製造は、食糧問題を圧迫しません。
■どのように製造されるのか
従来の穀物由来エタノールの場合は、原料に元々含まれている糖を醗酵させてエタノール製造を行います。一方古紙を原料として用いる場合は、「糖化」という工程を経て糖を作り出し、その後、穀物を原料とする場合と同様に醗酵を行うことで、エタノールが完成するのです。
■実際に行っていること
古紙由来エタノール製造の試験段階として、株式会社サンウエスパ本社において、小規模プラントでの製造を開始いたしました。原料の古紙としては、シュレッダーくずを用いています。製造の過程で、温度やpHなどの製造環境等について記録・考察をし、今後行う予定の大規模プラントでの製造時に活用していきます。試験製造では、エタノール濃度95%以上のものが製造可能です。また、製造過程で生じる残渣の有効活用法についても模索をすすめております。
・試験製造を行うプラント
https://www.atpress.ne.jp/releases/113263/img_113263_2.jpg
・原料のシュレッダーくず
https://www.atpress.ne.jp/releases/113263/img_113263_3.jpg
・エタノール濃度を高める蒸留機械
https://www.atpress.ne.jp/releases/113263/img_113263_4.jpg
■エタノールは何に使われるのか
エタノールの身近な使用例としては、ウェットティッシュや消毒用スプレーなどの消毒用途が挙げられます。他にも燃料としての使用が可能であり、今日の日本ではガソリンにエタノールを3%まで混ぜることが可能です。また、エタノールは水素生産の原料としても用いることができ、生産された水素は発電に活用することができます。一例として2016年6月ごろには、エタノールを直接自動車の燃料タンク内に投入し、車体内でエタノールから水素を製造し発電する技術も発表されています。
■将来展望
今後は、製造プラントの大規模化によるエタノール収量の増大と、製造に用いる原料の多様化を図ります。製造原料の候補としては、シュレッダー処理されていない機密書類、細かい剪定枝やゴルフ場の芝などの木くず類、青果加工場で廃棄されている小規模の植物性残渣、などが挙げられます。また将来的には、自社で大型粉砕機を導入することで、より規模の大きな木くず類、植物性残渣を製造原料とすることも視野に入れております。基本的に植物由来の原料であればエタノールを製造することが可能なので、様々な分野から排出される廃棄物さえもエタノールに生まれ変わる可能性を秘めていると言えます。
■会社概要
社名 : 株式会社サンウエスパ
代表者 : 代表取締役 原 有匡
所在地 : 〒501-3156 岐阜県岐阜市岩田西3丁目429番地
創業 : 1969年3月
資本金 : 3,000万円
事業内容: 再生資源卸売業
URL : http://sunwaspa.com
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