競技場のど真ん中で撮影した唯一のカメラマンが語る『東京オリンピック』
BS12トゥエルビで2016年12月31日(土)放送
全国無料放送のBS12 トゥエルビ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:森内譲)は、年末特別番組として巨匠・市川崑監督による1965年公開の映画『東京オリンピック』(午後7時~)をノーカットで放送します。今回の放送に併せて、本編放送直前の午後6時55分から、「人間を撮る。カメラマン山口益夫、1964東京オリンピック撮影秘話」と題して、『東京オリンピック』撮影の舞台裏に迫るミニドキュメンタリー番組を放映することとなりました。このほどを行った収録の内容をレポートにてお送りします。
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山口益夫氏
■若くして世界の大舞台「オリンピック」のカメラマンに
BS12トゥエルビでは2016年12月31日(土)に、年末特別番組として巨匠・市川崑監督による1965年公開の映画『東京オリンピック』(午後7時~)をノーカットで放送する。
同作は、1964年10月10日から24日まで日本で初めて開催された東京オリンピックの全貌を収めた記録映画の金字塔的作品。164名ものカメラマンが、当時最新鋭の望遠レンズを駆使して撮影した。競技内容以上に、選手たちの表情や鼓動を捉えるような演出がなされたり、ドキュメンタリーでありながらも現場では撮れないようなカットが挿入されるなど、公開当時大ヒットを記録する一方で“記録か芸術か”という論争を巻き起こした。
今回の31日(土)の放送では、本編放送直前の午後6時55分から、「人間を撮る。カメラマン山口益夫、1964東京オリンピック撮影秘話」と題して、『東京オリンピック』撮影の舞台裏に迫るミニドキュメンタリー番組を放映。貴重な証言をしてくれるのは、31歳という若さでたった一人、国立競技場のフィールド内でカメラを回し、数々の貴重な瞬間を捉えたカメラマンの山口益夫氏。52年前に行われた“平和の祭典”を回想するとともに、映画『東京オリンピック』の思い出を聞いた。
■ただ一人、競技場のど真ん中で選手たちの一挙手一投足を焼き付ける
現在84才の山口氏は「カメラを持って5年目くらいの若さでよくやったなと思います。国体ならばとにかくオリンピックですからね。若さゆえの図々しさがあったんでしょう。当時の日本を代表するようなベテランカメラマンが大勢いる中でどうして僕がグラウンドの真ん中で撮るカメラマンに抜擢されたのかはわかりませんが、大変貴重な経験になりました。当時のことは鮮明に覚えていますね」と振り返る。
機材のほとんどが当時の最新鋭のものばかり。1,000ミリの望遠レンズなど見たことも触ったこともなかったが“若さゆえの図々しさ”で使いこなし、通常では考えられないほどのフィルムの潤沢ぶりにも大興奮。躍起になって選手たちの一挙手一投足を焼き付けていった。
■邦画の常識を覆すほどの衝撃―市川作品に貫かれた美意識
市川監督との仕事は初めてだったが「とにかく画の選び方が上手い。市川監督は撮影前に“これはレースの結果を撮影する映画ではない”と言っていたけれど、競技内容以上に選手たちの表情をより強調するカットが使われており、監督の意図をはっきりと感じました。いいショットを探して何度も編集して繋ぎ直して完成させたような感もあり、市川監督がいかに情熱をもってカットを選んでいたのかがわかります。まさに美意識に貫かれた作品」と完成作を観て舌を巻いた。
観客の度肝を抜いたのはもちろんのこと、邦画界に与えた影響も計り知れない。「人物を捉える時のアングルやサイズの変化など、この作品を機に記録映画のリズムも変わってきて、その全ては市川監督の遺伝子を受け継いでいます。劇映画にもその影響がうかがえるほど。自分たちが今まで撮ってきたアングルの常識が覆されたような衝撃が、この作品にはありましたね」と証言する。
■“失われた東京”の姿とともに、52年前のあの熱い興奮を再び
ちなみに山口氏、当時カメラマンに抜擢された喜びを奥さんに伝えたものの「映画が完成するまで『オリンピックなんてカッコいいことを言って朝から夜まで帰ってこないけれど、何をしているのかねぇ』と思っていたはず。映画が公開されてやっと尊敬されるようになった」と笑う。市川監督の美学もさることながら、“失われた東京”の姿も見どころの一つ。「マラソン競技の時に新宿の沿道に集まる観客を撮影しました。人間があれだけマラソン見たさに集まり、道路に収まり切らず建物の屋根に上ってまで見ている人がいる。しかし現在その近辺は高層ビルが立ち並び、当時の面影は一切ありません。そんな景色とともに、52年前のオリンピックという熱量を感じ取っていただけたら嬉しい」と話している。
【番組概要】「人間を撮る。カメラマン山口益夫、1964東京オリンピック撮影秘話」
2016年12月31日(土)よる6時55分~7時
市川崑監督の記録映画「東京オリンピック」を競技場の真ん中で撮影した唯一のカメラマン山口益夫氏が、映画の見どころと当時の熱狂を語る。
【番組概要】BS12年末特別番組 映画「東京オリンピック」
2016年12月31日(土)よる7時~10時
1964年10月10日から24日まで開催された東京オリンピックの全貌を収めた巨匠・市川崑監督による長編記録映画。望遠レンズを駆使した103台のカメラで、競技の勝負より選手の表情や動作を追い、日本映画史上空前の興行記録を打ち立てた。マラソンのアベベ、円谷、「東洋の魔女」と呼ばれた日本女子バレーチーム、100メートルのヘイズ、81メートル障害の依田、体操のチャスラフスカなどの名選手を捉えた感動の映像は必見。最高のスタッフ、技術により制作された記録映画史に残る傑作。カンヌ映画祭国際批評家賞受賞。
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