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2009年上半期 家電およびIT市場総括

エコポイント対象製品が牽引し上半期は1.0%増。但しデジタル家電の 価格下落が懸念される

 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、2009年上半期の家電およびIT市場の販売動向を発表した。

【概要】
 パソコンやデジタル家電では多くの分類で価格下落が進んだ一方、白物家電は高価格帯への移行が進展した結果、平均価格の上昇につながった。
 エコポイント制度の開始により、薄型TVは数量・金額ともに、冷蔵庫は金額で高い伸びが見られた。エアコンは7月に商戦期を迎えるため、上半期には大きな反応は見られなかった。エコポイント対象製品は下半期に向け更に伸張が期待される一方、エコポイント対象外の分類は苦戦が予想される。但し、Blu-rayレコーダーのように薄型TVとの同時購入が期待できる商品もあり、下半期はメーカー、販売店双方にとって多角的な販売戦略が一層重要となろう。

【全体市場:デジタル家電は平均価格が低下するも、白物家電は上昇】
 家電量販店における上半期の金額前年比は1.0%増と全般的に堅調に推移した。第1四半期は0.4%増だったが、第2四半期はエコポイント制度開始により薄型TVと白物家電が牽引し1.8%増となった。しかしながらパソコンや薄型TVをはじめとするデジタル家電では平均価格の下落が顕著で、今後の価格動向が懸念される。一方、白物家電は第1四半期、第2四半期とも数量前年比マイナスの中、金額前年比がプラスとなった。冷蔵庫では、年間の電気料金を含めた総合的な割安感を訴求したことが奏功し、平均価格の引き上げにつながった。

【薄型TV:LCD TVが市場を牽引、エコポイント制度も市場成長を後押し】
 2009年上半期の薄型TV市場は、数量前年比16.9%増、580万台と引き続き好調に推移した。金額ベースでは平均価格の下落により前年比4.5%増にとどまった。
 市場の約9割を占めるLCD TVが牽引し、数量前年比22.2%増、522万台と前年から引き続き好調を維持した一方、PDPは3.0%増の51万台と微増にとどまった。全体として5月に開始されたエコポイント制度により下半期も引き続き高い成長が見込まれ、2009年通年でのTV市場は、数量前年比32%増、1,374万台と前年を大幅に上回る見通し。

【DVDプレーヤー、レコーダー:Blu-ray Discが躍進】
 2009年上半期のDVD市場は、数量前年比2.4%減、352万台と微減であったが、金額ベースでは前年比12.3%増と好調な推移を見せた。プレーヤーは市場縮小が進み、数量前年比19.2%減、153万台にとどまった一方、レコーダーは16.8%増の198万台と好調に推移した。この成長を牽引したのがBlu-ray Discレコーダー(以下、BDレコーダー)で、数量前年比195.8%増と大幅な伸張となった。上半期では、レコーダー全体に占めるBDレコーダーの数量構成比は60.1%、金額構成比は74.2%に達した。2009年下半期もBDレコーダーの伸びが予測されるが、DVDレコーダーの減少を埋めるには至らず、通年でのDVD市場は数量前年比2%減、723万台と予測する。一方、金額ベースではBDレコーダーによる単価上昇もあり前年比9%増を見込む。

【パソコン:ネットブックが引き続き好調、リテール市場で存在感増す】
 2009年の上半期パソコン市場は、前年並みの720万台となった。リテール市場は数量前年比14%増と、好調な伸びを示した。特に注目が続くネットブックが一定の市場規模を確立し、リテール市場を牽引した。結果として、ノートPCの数量構成比は、過去最高の79%に達した。一方、ディーラー市場は、数量前年比10%減のマイナス成長となった。景気悪化の影響で、企業のIT投資抑制の動きが強まっており、パソコン販売の伸び悩みが続いている。また両チャネルとも昨年から継続して平均価格が下落し、金額ベースでは数量を下回るマイナス成長となった。

【PCディスプレイ:平均価格の下落で金額前年比は10%以上減少】
 2009年上半期のPCディスプレイ市場は、前年比5%減の205万台となった。リテール市場では、平均価格の下落が販売を後押しし、数量前年比21%増となったが、金額は同14%減となった。一方、チャネル構成比の高いディーラー市場は、パソコン同様、企業のIT投資抑制により数量前年比14%減となり、金額では平均価格の下落により同36%減と数量以上に大幅な落ち込みとなった。今上半期は、新しく21.5インチや23.0インチ、23.6インチなどアスペクト比16:9のフルHD対応モデルが登場し、特にフルHD需要の高いリテール市場で販売を伸ばした。

【デジタルカメラ:コンパクト、一眼レフともにマイナス成長】
 景気後退と買換えサイクルの長期化により昨年末からマイナス成長に転じた流れは変わらず、2009年上半期は数量約477万台、前年比14%減と厳しい結果となった。コンパクトカメラ、一眼レフカメラともに前年比二桁減。デジタルカメラ市場にとっては厳しい状況が続くが、各メーカーで新たな取り組みへの姿勢がうかがえる。コンパクトカメラでは連写機能や動画との合成機能など、新たに写真を楽しむ機能が登場した。また一眼レフカメラでは動画機能の搭載率が約50%に達し、一眼レフカメラならではのボケ味を活かした動画ニーズを生み出したと言える。

【携帯電話:数量前年比は16.8%減、高機能カメラ搭載モデルに注目】
 2009年上半期は数量前年比16.8%減の1,790万台と、2008年の落ち込みペースが続く厳しい市場環境となった。機能での差別化が困難になる中、カメラの高画素化が進展。1,000万画素のモデルも6月単月で10%弱を占めた。更に、「LEDフラッシュ」「被写体自動追尾技術」の搭載等、携帯電話のカメラ機能はデジカメに迫る勢いで強化が進められており、今後もこの傾向が続くものと見られる。
 また携帯電話販売が低迷する中、多くのキャリアショップでネットブックの取り扱いを始めており、パソコンとデータ通信カードの新しい販売チャネルとして注目される。

【冷蔵庫:エコポイント制度開始によって金額ベースで高い伸び】
 2009年上半期は223万台、数量前年比は3%減ながら金額前年比は7%増と、エコポイント制度開始に伴う高価格帯モデルの増加によって、金額ベースでの成長が目立った。制度開始後の5月、6月は、それぞれ金額前年比14%増、20%増と著しい成長を示した。既に市場が成熟しており、一定の買い替え需要によって推移する市場である為、エコポイント制度による数量面への貢献度はあまり高くないと推測される。
 トレンドとしては大容量化・コンパクト化が更に進展すると同時に、冷凍室位置などの工夫による400kWh未満の低消費電力モデルが増加している。

【洗濯機:数量・金額ともに縮小傾向だが、省エネ対策の進んだモデルが増加】
 2009年上半期の洗濯機市場は、数量前年比7%減、金額前年比4%減と、昨年に引き続き市場は縮小傾向で推移している。5月はエコポイント制度開始の波及効果によりやや好転したものの、一時的な動きに留まった。
 ドラム式/縦型の構成比や洗濯容量についは大きな変化は見られないが、省エネ性能に進化が見られた。使用水量を減少させた節水モデルや洗濯時間を短縮したモデルが増加。特に8.0kg以上の大型タイプにおいてその動きが顕著となっている。

【シェーバー:高価格の男性用シェーバーが牽引】
 2009年上半期のシェーバー市場は数量、金額とも前年同期比1%減となった。数量ベースで市場の約8割を占める男性用シェーバーでは二極化が進み、14,000円以上の高価格帯の数量構成比が11%から13%へ増加した一方、4,000~6,000円の低価格帯も20%から23%へ増加した。女性用シェーバーは数量で2%減、金額で7%減と引き続き縮小傾向となった。
 2009年通年では数量ベースで前年並みを確保する見通しだが、高価格帯の男性用シェーバーが牽引する構図は変わらないと考えられる。


≪GfK Japanのデータについて≫

 全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
 また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。

※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。

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