三島由紀夫の近代能楽集を美輪明宏主演で上演 『葵上(あおいのうえ)・卒塔婆小町(そとばこまち)』
公演日程・会場:2017年3月26日(日)~2017年4月16(日)新国立劇場 中劇場 5月29日(月)~30日(火)横浜・神奈川県民ホール大ホール ほか 仙台、浜松、名古屋、松本、福岡、大阪にて全国公演あり
2017.02.23 18:00
株式会社パルコ エンタテインメント事業部は、パルコ・プロデュース公演として“近代能楽集より「葵上・卒塔婆小町」”を2017年3月26日より上演いたします。
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マンガ「葵上」ひとコマ
■三島由紀夫が生前に切望した美輪明宏演出・主演による舞台「葵上・卒塔婆小町」
三島由紀夫と美輪明宏の美学が織り成すこれぞまさに究極の耽美的世界!
大好評にお応えして、7年ぶりに待望の再演!
三島由紀夫が、その上演を切望した美輪明宏演出・主演による『近代能楽集』より「葵上」と「卒塔婆小町」の2作品。1996年にパルコ劇場で三島氏に美輪氏が説明した演出プランで上演が実現しました。これまでの三島戯曲に対するアプローチを覆す、三島由紀夫との交友も深く、彼の感性・文学の肌合いにも精通し、三島戯曲の行間を隈なく読み取る美輪明宏でしか成しえなかった演出で大好評を得て1998年、2002年、2010年と再演をしています。7年振りに上演する今回も美輪明宏の完璧なまでの演技術・技巧により三島戯曲の持つ日本語の美しさを余すことなく表現する<美しい日本語の物語>として描きます。恋する女の魂の悲しく切ない嫉妬の物語『葵上(あおいのうえ)』、愛と美と死、時空を超えた無償の愛の物語『卒塔婆小町(そとばこまち)』。時間と空間を自由に飛び越え、スペクタクルに、そして豪華絢爛に、一夜二作品を上演いたします。是非、ご期待ください。
【公演概要】
近代能楽集より『葵上・卒塔婆小町』
作 : 三島由紀夫
演出・美術: 美輪明宏
出演 : 美輪明宏 木村彰吾 ほか
公式サイト: http://www.parco-play.com
<東京公演>
公演日程:2017年3月26日(日)~2017年4月16日(日)
会場 :新国立劇場 中劇場
料金 :S席 10,800円 A席 7,500円 (全席指定・税込)
<神奈川公演>
公演日程 : 2017年5月29日(月)~2017年5月30日(火)
会場 : 神奈川県民ホール 大ホール
料金 : S席8,000円 A席6,000円 (全席指定・税込)
公式サイト“PARCO STAGE”にて、春原弥生氏による“ストーリーから見どころ紹介!マンガでわかる!近代能楽集より「葵上・卒塔婆小町」作品紹介”を公開中です。
■三島由紀夫 作『近代能楽集』
三島由紀夫は、第二次大戦中(16歳~20歳)より「能」にひかれており、明治時代より郡虎彦が行っていた近代能『道成寺』『鉄輪』にヒントを得て、近代能の創作を始めます。近代能楽集は、1950年に発表された『邯鄲(かんたん)』、その後『綾の鼓』『卒塔婆小町』『班女』『葵上』の一幕物からなる作品を1956年までに発表しました。その後、『道成寺』『熊野』『弱法師』『源氏供養』という作品が新たに加えられていきます。郡虎彦の『道成寺』『鉄輪』は世紀末趣味的なものに陥っておりましたが、三島氏が意図したものはそれとは違っていました。「能楽の自由な空間と時間の処理や、露な形而上学的主題などを、そのまま現代に生かすために、シチュエーションのほうを現代化したのである。」と三島氏自ら説明しています。能とギリシャ古典劇との共通点は、なによりもそこに扱われているテーマの永遠性ではないでしょうか。それゆえに何度も偉大な作家たちにギリシャ古典劇を原点としてその現代化や設定を移しかえての新たな創作へと駆り立てたのでしょう。古典派に属する三島氏は、その古典文学という型の中に入りつつも能の持つ心に鼓舞されて、原点の持つストーリーや設定を自由自在に変えて「近代能」をつくり上げていったのです。