ソーシャルプロダクツ・アワード2017大賞および特別賞が決定! 【国内部門】大賞は「越前打刃物」、【国際部門】大賞は 「フェアトレード・チョコレート」が受賞
2017.03.03 10:00
一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(所在地:東京都中央区、会長:江口 泰広)は、デザインや機能などの「商品性」のみならず、環境や人・社会への配慮である「社会性」も兼ね備えた商品・サービスを表彰する『ソーシャルプロダクツ・アワード2017』を開催し、合計33点の優れた商品にソーシャルプロダクツ賞を授与しました。
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国内部門大賞「越前打刃物」
その33商品の中から、各部門ごとに特に優れたソーシャルプロダクツとして大賞、優秀賞、生活者審査員賞および特別賞、奨励賞を決定しましたので発表いたします。
商品詳細: http://www.apsp.or.jp/spa2017/
■大賞
【国内部門】
商品名 :越前打刃物(刃物)
企業・団体名:越前ブランドプロダクツ・コンソーシアム(福井県)
概要 :越前の伝統片刃包丁の職人が作る大と小の柳刃、小出刃、薄刃の和包丁シリーズ。包丁の柄とケースに和食の板場をイメージした白木を使用、柄を握った時に木のぬくもりを感じることができるデザインとなっている。木の部分の加工には越前箪笥の職人が参加するなど、越前周辺の伝統産業を守る熟練した職人と、斬新なデザインの融合でこれまでにない新しいものが生まれた。地域全体の伝統産業の発展と後継者育成につながるビジネスの好循環を作り出している。
【国際部門】
商品名 :フェアトレード・チョコレート(菓子)
企業・団体名:フェアトレードカンパニー株式会社(東京都)
概要 :原料の多くにスイスの有機認証機関「bio inspecta」の厳正な審査に合格した有機素材を使用。ボリビアとペルーのフェアトレード原料を用い、日本国内で1997年より販売を開始した「フェアトレード・チョコレートの先駆け」ともいえる商品。パッケージにも趣向を凝らし、見た目の可愛さで手にとる生活者も多い。ボリビアで、カカオの病害虫被害が深刻な状況にあることを受け、チョコレートの包装紙に印刷したポイントを集めると、被害に悩む同地のカカオ生産者に苗木を贈ることができる活動も行っている。
■優秀賞
【国内部門】
商品名 :社会貢献型ショッピングサイト
「KURADASHI.jp」(webサービス)
企業・団体名:グラウクス株式会社(東京都)
概要 :メーカー、卸、小売など、全ての食品流通過程において、さまざまな理由によって廃棄される予定の商品に再び価値を見出し、生活者にお得な価格で販売するECサイト。商品価格の約3%は、環境保護、医療、社会福祉、災害対策、海外、動物保護の6カテゴリー13団体に寄付できる仕組みになっている。社会問題になっている食品ロスの改善や食品の廃棄コストの削減にもつながるこの仕組みを、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けさらに広げていく。
【国際部門】
商品名 :tokotowa organics:ピュアトリートメントパフューム(香水)
企業・団体名:株式会社オーガニックスタイルズ(愛知県)
概要 :商品成分の95%以上に認定オーガニック植物原料(ECOCERT、USDA、有機JAS等)を使用した香水。古来より親しまれている黒文字や柚子、生姜など、日本で育った植物から抽出したエッセンシャルオイルを使用し、日本人に合う香りを追求。おしゃれに敏感な女性が満足できるクオリティーでありながら、牛乳パックを100%リサイクルした化粧箱を用いるなど環境への配慮も忘れない。「人と自然の良い関係性が永遠に続く社会」の実現をコンセプトに開発された。
■生活者審査員賞
【国内部門】
商品名 :ありがとうが溢れる割り箸(箸)
企業・団体名:株式会社郡上割り箸(岐阜県)
概要 :山を守るために伐ったスギを使用した割り箸。化学薬品による消毒・防腐処理を一切行っていないため、スギ本来の木目、色の違い、香りを感じることができる。山の恵みにありがとうの感謝の気持ちを届け、ありがとうが溢れる未来にしたい、そんな想いが出発点となっている。地元のイベントにも積極的に参加し、子どもたちに環境や木材利用の在り方についても伝えている。また、箸袋詰め、梱包などの一部は地域の障がい者施設が行っている。
【国際部門】
商品名 :ウォッシュナッツ(洗剤)
企業・団体名:ハートツリー株式会社(東京都)
概要 :インドやネパールに自生するムクロジの実を、そのまま洗濯槽に入れて衣類洗浄に使用するナチュラル洗剤。天然の界面活性成分サポニンを多量に含むムクロジの実は、洗浄能力に優れ、使用後はたい肥として土に還すこともできる環境にやさしいものである。収穫を担う現地の労働者に対しては、安定的な雇用と平均賃金以上の対価が支払われている。また、実の選別は、国内の障がい者施設へ依頼し、社会的弱者の支援につながる仕組みとなっている。
■特別賞
・「東北」(特に評価すべき「東北復興」の取り組みを行っているものに授与されます)
商品名 :Kune化粧品シリーズ(化粧品)
企業・団体名:有限会社ネパリ・バザーロ(神奈川県)
概要 :東北やネパールで震災の痛手を乗り越え、誇りをもって栽培された原料を使用した化粧品シリーズ。ブランドネーム「クーネ」はエスペラント語で「共に」の意味。素材を活かした高品質な化粧品の製造、販売で真の地域復興を目指している。震災を忘れることなく、以前よりも、よりよい社会を創ることが使命と考え、被災地ツアーの実施や、生産者の声・現地の様子のSNS発信なども行っている。
・「デザイン」(特に評価すべき「デザイン性」を持っているものに授与されます)
商品名 :+RING original umbrella(傘)
企業・団体名:東京田川株式会社(東京都)
概要 :未使用の傘用デッドストック生地を使った、オリジナリティの高いデザイン傘。裁ち落としの端切れをセンス良く組み合わせることで世界にただ一つのデザインとなる。また商品にはシリアルナンバーを付与して管理しており、修理にも100%対応できる万全な体制を整えている。使い捨てではなく、大事に長く愛着をもって傘を使ってもらいたい、という思いから開発された。
・「CSR」(特に評価すべき「企業の社会的責任に基づく取り組み」を行っているものに授与されます)
商品名 :Watatsumugi ストール(ファッション雑貨)
企業・団体名:株式会社三陽商会(東京都)
概要 :延べ350人の社員が種まきから収穫までを行い、熟練の作り手が思いを紡いでゆくWatatsumugiプロジェクト。2013年に栃木県の渡良瀬エコビレッジに「SANYO COTTON FIELD」を開設し他所からスタートし、2016年に念願のストールの製品化に成功した。服をつくることは、一粒の種を播くことから始まる。栽培、紡績、織り、染色、すべての技術や思いを次の職人へとバトンを渡してつくられている。商品を通じて、このバトンを生活者につなげていくことを目指している。
・「コミュニティトレード」(特に優れた「地域密着型の課題解決への取り組み」を行っているものに授与されます)
商品名 :第3世界ショップの顔の見えるチョコレート(菓子)
企業・団体名:第3世界ショップ/
株式会社プレス・オールターナティブ(東京都)
概要 :ドミニカ共和国の有機カカオ、パラグアイの有機砂糖、マダガスカルの有機バニラ等をフェアトレードで調達。ココアバターの比率を高め、最長72時間もの時間をかけてじっくり練り合わせるスイスの伝統的製法で作られた高品質なチョコレート。生産者の生き生きとした笑顔の写真をパッケージに用い、裏面では製造工程を分りやすくイラストで解説。食を通じて、実現したい世界像を生活者に伝えている。
■奨励賞
商品名 :ヒマラヤチーズスティック(ペットフード)
企業・団体名:ロアジスジャパン株式会社(神奈川県)
概要 :愛犬の健康を考えた日本で初めてのチーズガム。ネパールの高地で放牧されているヤクと牛の乳を原料とし、化学的な調味料には頼らず、塩分・油分を極力抑えた高タンパク質・低脂肪のナチュラルな犬用おやつ。売上の一部は、人身売買の被害にあった現地の少女たちのシェルターに寄付し、彼女たちの教育や職業訓練につなげている。さらに、現地の野犬を保護する、活動の支援も実施している。
※ それぞれの商品の詳細は、 http://www.apsp.or.jp/spa2017/ をご参照ください。
<審査方法>
・大賞、優秀賞および各種特別賞、奨励賞
一次審査(社会性)および二次審査(商品性)を通過し、ソーシャルプロダクツ賞が授与された商品の中から部門ごとに大賞、優秀賞を決定します。また、そのほかに特に優れた特徴をもつ商品には特別賞が贈られます。
・生活者審査員賞
公募によって選ばれた生活者が実際に商品を見ながら、社会性・商品性の審査を実施し決定します。
■展示会のお知らせ
大賞・特別賞を含む、ソーシャルプロダクツ賞を受賞した全33商品の展示会を以下の通り開催します。単なるモノではなく、商品性と社会性、他にはないストーリーを持ち合わせたこれからの時代の商品を実際に見ることができるまたとない機会です。
・展示会場(東京)
場所 : OVE南青山
東京都港区南青山3-4-8 KDXレジデンス南青山1F
Tel : 03-5785-0403
アクセス: 東京メトロ銀座線 外苑前駅1a出口から徒歩8分
http://www.ove-web.com/minamiAoyama/
開催期間: 3月3日(金)~12日(日)(ただし、月曜日はお休み)
開場時間: 10:00~19:00(ただし、最終日は17時まで)
入場 : 無料
・展示会場(大阪)
場所 : OVE中之島
大阪府大阪市北区中之島2-3-18
中之島フェスティバルタワー フェスティバルプラザ1F
Tel : 06-6223-2626
アクセス: 地下鉄四つ橋線 肥後橋駅、京阪中之島線 渡辺橋駅から直結
http://www.ove-web.com/nakanoshima/
開催期間: 3月14日(火)~20日(月)
開場時間: 10:00~20:00(ただし、最終日は17時まで)
入場 : 無料
※大阪会場につきましては、スペースの関係で一部の商品展示になる可能性があります。
■ソーシャルプロダクツとは
エコ(環境配慮)やオーガニック、フェアトレード、寄付つき、地域や伝統に根差したものなど、人や地球にやさしい商品・サービスの総称で、購入者がより良い社会づくりに関する行動や団体と繋がることができるものをいいます。
■ソーシャルプロダクツ・アワード(SPA)とは
ソーシャルプロダクツ普及推進協会が主催するSPAは、人や地球にやさしい商品・サービス(=ソーシャルプロダクツ)の普及・推進を通して、持続可能な社会を実現することを目的に、優れたソーシャルプロダクツを表彰する制度です。第4回の2016年は、株式会社フプの森の「NALUQコスメライン」が大賞を受賞しました。
ソーシャルプロダクツは、特別なものではなく、日常の商品やサービスに社会性が加わったものであることから、多くの生活者、企業の気軽で無理のない参加により、社会的課題の緩和・解決に貢献することが可能です。
SPAは、優れたソーシャルプロダクツの情報を生活者に広く提供するとともに、ソーシャルプロダクツを通して社会的課題の緩和・解決に取り組みながら、持続可能な社会づくりに貢献する企業・団体を応援することを目的としています。
<部門について>
主に国内の社会的課題の解決に資するものを対象とする「国内部門」と、主にグローバルや海外の社会的課題の解決に資するものを対象とする「国際部門」があります。
<審査の特徴>
各部門ともに一次審査と二次審査の二段階で構成され、前者では「社会性」を、後者では一次審査を通過したものに対して主に「商品性」を、審査員(有識者や専門家)が審査します。さらに、公募によって選ばれた一般の生活者も審査に参加し、生活者の視点から社会性や商品性を審査します。
<審査における評価項目>
(1) 「社会性」として、環境だけでなく人(社会的弱者)や社会(地域、伝統)への配慮を評価
(2) 「社会性」のみならず、品質や機能、デザインといった「商品性」を評価
(3) 商品・サービスが生まれた「背景」や「ストーリー」およびそれを普及させるための「仕組み」を評価
<SPAマーク>
賞を受賞した商品・サービスは、社会性と商品性が高いレベルで調和している証として「SPAマーク」を掲示することが可能です。このマークは、「消費を通じて、より良い社会づくりに、無理なく、気軽に参加したいが、どの商品が人や地球にやさしい商品(ソーシャルプロダクツ)なのかわからない」という多くの生活者にとって、商品やサービスを選択する際の判断材料となります。
■ソーシャルプロダクツ普及推進協会とは
「ソーシャルプロダクツ」の普及・推進を通じて、生活者や企業などと共に、持続可能な社会の実現を目指す非営利の組織です。
<協会概要>
名称 : 一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)
設立 : 2012年7月
所在地: 東京都中央区銀座5-12-5 白鶴ビル3F
会長 : 江口 泰広(学習院女子大学名誉教授)
URL : http://www.apsp.or.jp