もっと休める文化をつくる 睡眠サポートプロジェクト「Peels(TM)」を開始
~すららネット社との「眠育」プログラムに関する 共同トライアルをスタート~
西日本電信電話株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:村尾 和俊 以下、NTT西日本)は、良質で十分な休息を取れる文化をつくる睡眠サポートプロジェクト「Peels(TM)」を開始します。
第一弾として、株式会社すららネット(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:湯野川 孝彦 以下、すららネット)と、睡眠改善を基点に子どもの集中力や意欲に溢れたライフスタイルをサポートする「睡眠教育(以下、眠育)」プログラムに関する共同トライアル(以下、本トライアル)をスタートします。
1.概要
(1) 背景
日本は、OECD加盟国の中でも睡眠時間が最も短い国の一つでありながら、睡眠時間は減少傾向にあります。睡眠は生活習慣病やうつ病等の健康上のリスクに加えて、日中のパフォーマンスへの影響も示されており、厚生労働省が睡眠指針を発表するなど、睡眠対策は社会課題として認識が広がっています。近年では学校教育現場で「眠育」の取り組みも見られ、不規則な生活の問題点の見直しによって成績向上や不登校生徒の減少などの成果が報告されています。
一方、睡眠センサーや分析技術の開発も進み、CES 2017ではSleep Tech Marketplaceが初めて開かれるなど、睡眠管理・分析を行うテクノロジーが世界的に注目を集めています。
(2) 概要
本トライアルでは、睡眠に関する知識教育を進めた上で、睡眠時のバイタルデータや学習履歴などの情報を収集し、総合的に分析して、生徒にフィードバックすることで、睡眠改善および学習パフォーマンスを向上させる「眠育」プログラムの実現性と有用性を評価します。
「眠育」プログラム
https://www.atpress.ne.jp/releases/128552/img_128552_1.jpg
具体的には、「すらら」で学習している中学生を対象とし、初めに、気をつけるべき睡眠習慣や体内時計などの基本的な知識を付与します。その後、睡眠センサーを利用し、心拍数、加速度などのデータを測定し、NTT研究所の「睡眠状態推定技術」(※1)を活用することで、睡眠時間や入眠潜時(※2)などの睡眠状態を推定します。これらの睡眠状態と「すらら」から得られる学習量や学習速度、正答率等の学習データを統合的に分析し、導出された分析結果を基に、塾講師と生徒間で睡眠習慣に関する振り返りおよび目標設定を行います。このようなプロセスを提供することで、生徒に良質な睡眠習慣への意識付けを行い、生徒が日々、ハイパフォーマーであるための自己管理能力を身につけることを支援(※3)します。
※1 NTTサービスエボリューション研究所が研究開発した、加速度から睡眠/覚醒推定、心拍数と加速度から睡眠段階推定を行う技術であり、NTTグループのAI技術「corevo(R)」の一つ。「corevo(R)」は、日本電信電話株式会社の商標。
※2 寝付きに要する時間。
※3 疾病の治療、診断及び予防目的ではなく、パフォーマンス向上を目的とした生活習慣支援を行うプログラム。
(3) 検証項目
A:睡眠改善および学習パフォーマンスへの効果の検証
B:「眠育」プログラムのユーザ体験評価
(4) トライアル期間
2017年6月中旬以降開始
(5) 各社の役割
NTT西日本
・「眠育」プログラムの企画、管理運営
・睡眠データの収集
・収集したデータの分析、評価
株式会社すららネット
・「眠育」プログラムの企画、管理運営
・クラウド型学習システム「すらら」と学習データの提供
・データ収集のための塾や生徒の派遣
(6) 本トライアルの今後の展開
本トライアルを進めることで、すららネットでは、クラウド型学習システム「すらら」の導入学校、導入塾において以前より推進していた家庭学習習慣のマネジメントに加え、睡眠という学習において重要な要因においても生徒の生活習慣の改善を図り、NTT西日本では、データの取得・解析を進め、睡眠改善に関するサービスデザインやパーソナライズの検討を行うことで、ハイパフォーマーでありながら、もっと休める仕組みをつくっていきます。
また、両社は本トライアルで得られた知見をもとに、「眠育」プログラムに関する睡眠知識教材や分析技術、ユーザ体験についての改善を進め、塾講師、学校教諭、保護者、生徒などの教育現場に寄り添ったサービス創出をめざしていきます。
2.今後の展開
睡眠サポートプロジェクト「Peels(TM)」では、本プログラムを通じて睡眠改善ノウハウの蓄積と睡眠解析アルゴリズムの深化を進めていきます。また、センサーメーカーや教育、他分野を含めたプロジェクトパートナーとの協業を展開し、もっと休める文化をつくることに貢献していきます。
<参考資料>
■クラウド型学習システム「すらら」とは
【学習範囲】小学1年生~高校3年生までの学習指導要領に準拠
【対応教科】英語・数学(算数)・国語
【利用者数】約40,000名(2017年4月末現在)
【特徴】
○Point 1 アニメ型で分かりやすいインタラクティブな授業
通常のeラーニングの動画とは違い、先生の授業録画映像ではなく、アニメキャラクターが喋ってレクチャー(講義)を行う。授業は一方的ではなく、随所で先生役のキャラクターが問いかけを行い、問題に答えていくというインタラクティブスタイル。そのため、飽きることなく、適度な緊張感を持続し、楽しみながら学習を進めていくことが可能。
○Point 2 生徒の理解度に応じて難易度調整を行うアダプティブなドリル
一人ひとりの学習到達レベルに合った難易度の出題をする「出題難易度コントロールシステム」を搭載。「簡単すぎず難しすぎない」問題が出題されることで、達成感を感じ自信を深めながら、学習を進めることが可能に。また、何がわからないから問題が解けないのか理由を探る「弱点自動判別システム」も搭載。
○Point 3 大学や大手企業とのオープンイノベーションによる最先端技術
東大・世界銀行とのビッグデータ解析、手書き認識(書写)、作図機能「スマートプロッター」など、大学や大手企業とのオープンイノベーションによる最先端技術を取り入れている。最近では、NTTドコモの人工知能である自然対話プラットフォームを用いて、人工知能(AI)が生徒の学習データに基づき適切な励ましの声がけや対話を行う日本初の機能である「AI サポーター」を搭載。生徒の学習意欲の向上や学習習慣の定着を促すために、教育経済学を専門とする慶應義塾大学 中室 牧子准教授と共同研究を行っている。
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