ツナ缶世界最大手タイ・ユニオンに国際署名提出
持続可能でエシカルなマグロを求め、 世界中から68万人以上が参加
国際環境NGOグリーンピース・東南アジアは本日6月2日(金)、タイのバンコクにあるツナ缶世界最大手企業のタイ・ユニオン本社に、世界130以上の国と地域から集まった68万筆を超える国際署名を提出し、より持続可能性を担保し、社会的責任を果たしたマグロ調達の牽引役として前進することを求めました。
グリーンピース・アメリカのプロジェクトリーダー、グラハム・フォーブスは、「これまでに多くの市民活動家と消費者がタイ・ユニオンとそのブランドに改善を求めてきました。タイ・ユニオンは、いまこそ真の変化をもたらすための行動を起こすときです。この署名には、タイ・ユニオンの行動を求める世界中の市民の想いが込められています。タイ・ユニオンは、破壊的な水産業の現状をより良い方向に導くリーダーになれるはずです」と述べました。
この問題への世論を喚起するため、バンコク中心部にある国立競技場からタイ・ユニオン本社までの約4kmの道のりをマグロに扮した活動家20人がリレーし、海の労働者の人権を守り、過剰漁業や違法漁業、海の生態系に破壊的な影響を与える漁業の削減を望む市民の声を象徴するマグロを模ったバトンを繋ぎました。リレーは、世界中の消費者と活動家が大手水産会社である同社が海と労働者に配慮するよう要請してきた道のりを表現したものです。
グリーンピースは、タイ・ユニオンのサステナブル・デベロップメントのグループ・ダイレクター、ダリアン・マクベイン氏と面会し、署名を提出しました。
グリーンピース・東南アジアの海洋生態系担当、アンチャリー・ピパッタナワッタナクンは、「グリーンピースはこの2年間、タイ・ユニオンに対し、破壊的な漁法ではなくより持続可能な漁法を使用し、マグロ産業における過剰漁業や脆弱な海洋生物の無用な殺生を抑制するよう求めてきました。タイ・ユニオンは、サプライチェーン上の労働者の人権侵害や強制労働のリスクを撲滅するためにさらなる措置を講じるべきです。とくに、船を洋上に留めたまま数カ月、数年にわたる操業を可能にし、労働者を監視の目が届かない船に孤立させる洋上転載を取り締まるべきです」と述べました。
グリーンピースのタイ・ユニオンにたいする国際キャンペーンは、破壊的な漁業活動やサプライチェーンにおける劣悪な労働条件を中心に問題提起を行ってきました。調達方針や漁業活動を改善し、水産業の現状に甘んじることなく、海洋生物や水産業労働者にとって真に意味のある変化を起こすよう提案してきました。同キャンペーンは、マグロ産業を変革し、マグロ類の資源量やその他の海洋生物、生態系全体を健全に保つための長期的な取り組みの一環です。
今年の3月には、ペットフード業界最大手のマースとネスレが、自社のサプライチェーンから人権侵害や違法にとられた魚介類を排除することを公表しました(注1)。2社の水産物の供給元であるタイ・ユニオンには、こうした社会的な圧力が増しています。タイ・ユニオンは、チキン・オブ・ザ・シーやジョン・ウェストといった著名なツナ缶ブランドを保有しています(注2)。
(注1)グリーンピース・プレスリリースhttp://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2017/pr20170317/
(注2)タイ・ユニオン全体の売上の約6%は日本市場で構成されています。
出典:タイ・ユニオンサステナビリティレポート2016 http://www.thaiunion.com/en/sustainability/report
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