音楽、星空、映像が高次元でシンクロした、 『LIVE in the DARK』ライブレポート

コニカミノルタプラネタリウム“天空” in 東京スカイツリータウン(R)が主催する、施設のオープン5周年を記念した音楽イベント『LIVE in the DARK』。その第2回公演を、キーボーディスト 渡辺シュンスケによるポスト・ジャズプロジェクト“Schroeder-Headz (シュローダー・ ヘッズ )”を迎えて7月20日(木)に開催した。本イベントは、星々が輝くプラネタリウムのドーム空間で、その静寂と煌めきの中アーティストが音楽ライブを行うというもの。

19時30分より開催された1stステージの模様をレポートする。

                                                                         

●『LIVE in the DARK』イベント実施概要●

★出演:Schroeder-Headz

★日程:2017年7月20日(木)

★場所:コニカミノルタプラネタリウム“天空” in 東京スカイツリータウン(R)

★時間:1st  Stage 19:30開演(19:00開場) 

      2nd  Stage 21:30開演(21:00開場)

開場と同時にドームに投映されていた、夕景は時間と共に徐々に暗さを増し、“夜”が始まろうとしていた。19時30分、ステージに登場したSchroeder-Headz(渡辺シュンスケ)を観客は大きな拍手で出迎えた。ここから約1時間、MC無しのノンストップのライブがスタートする。ピアノの前に着いた渡辺シュンスケから感じ取れる緊張感が、一瞬にしてドーム内の空気を変え、誰もが彼が発する最初の“一音”に耳を澄ませていた。

 

この日、渡辺シュンスケが1曲目に選んだ楽曲は3rdアルバム『特異点』に収録されている「Lake bed」。ノスタルジックなイントロから「LIVE in the DARK」は静かにスタートした。演奏が進むにつれ、闇に包まれたドームには、徐々に一等星が輝き始める。曲の終盤には、暗闇、ピアノの旋律、そして満天の星々だけが残されていた。

続く「Newdays」もピアノソロによる演奏が行われた。演出は引き続き、満天の星々のみ。ゆっくりと日周運動をする星空に、明るく軽快なメロディーが響き渡る。改めて、『星空』という演出は、明るい曲も、落ち着いた曲も、聴き手のイマジネーションを高揚させ、それぞれの感性によって感動を生み出すものだと感じた。それは決して派手な演出ではないが、とても刺激的な体験なのだ。



続いて演奏される4曲には、全天周ドーム映像の演出が用意されていた。映像演出を担当したのは、数多くのライブ演出を手掛けるビジュアルデザインスタジオ“HERE.”。プラネタリウムで体験する全天周ドーム映像は、平面のスクリーンでは決して味わうことのできない、圧倒的な没入感がある。それは、自分自身がその映像世界に“入り込んだような感覚”といっても過言ではないだろう。


「Petal」では幾何学模様の世界を、「Surface」では空中を浮遊する感覚を、続く「Wildthing’s Arm」では近未来SF映画のCGの様な不思議な世界へ、そして「Blue Bird」では水彩で描かれた絵本の世界へと繋がる。目の前に広がる非日常的な映像世界と、Schroeder-Headzの演奏がシンクロし、観客は一気に引き込まれ、感覚が覚醒していく。これもプラネタリウムライブでしかできない唯一無二の体験だ。

 

映像が終わると、ひと時の夢から覚めたように、満天の星々が煌めいていた。続く楽曲は、ピアノソロによる「インタールード」。即興で奏でられる、緩やかで美しい演奏に、覚醒した感覚が徐々にクールダウンしていく。そしてライブはクライマックスへ。 



続く「HORIZON」でも全天周の映像演出が用意されていた。一言で表すと、それは万華鏡の中に入り込んだ感覚。花火のようなカラフルな光の粒子や線が、ドーム内を飛び交いながら幾重にも重なり、演奏に合わせて変化を繰り返す。ストリングスのオケに合わせ奏でられるピアノの旋律は、観客を優しく包み込み、まるで魔法の様に音楽と映像の世界に吸い込んでいく。

 

そして映像が終わると再び星夜の世界へ。最後の楽曲「DAWN」が演奏され始めると、徐々に夜空は白み、朝焼けが映し出された。演奏が終わり、渡辺シュンスケが立ち上がると、会場は大きな拍手でつつみ込まれていた。渡辺シュンスケは穏やかな表情で「星空も映像も美しく、僕自身も気持ちよく演奏させて頂きました」と語り、舞台を後にした。

 

プラネタリウムは星空を鑑賞する場所、宇宙を勉強する場所、という概念はもはや本イベントにおいては存在しなかった。リアルな星空、視野を覆い尽くす美しいドーム映像、そしてSchroeder-Headzが奏でる、繊細で優雅なピアノの旋律。そのすべてが高次元で融合し、プラネタリウムでありながら、全く新しい音楽エンターテインメント空間が形成されていたからだ。

そもそも都会で生活する人々にとっては、光害のない“真の暗闇”の中で満天の星々を見ること自体が“非日常体験”であり、その中で全神経を集中させて、音楽に向き合うことは他の音楽イベントでは味わえない、貴重な体験だったに違いない。

 

次回の『LIVE in the DARK』は9月15日(金)に、イギリスを拠点に音楽活動を行うRie fu(リエ・フゥ)を迎えて実施する。バイオリン奏者を迎え、「Life is Like a Boat」「ツキアカリ」といった彼女の代表曲を披露する予定だ。チケットは下記特設サイトより販売中。

【LIVE in the DARK特設サイト】

https://planetarium.konicaminolta.jp/tenku/livedark/

 

●7/20 Schroeder-Headzセットリスト●

M1.Lake bed

M2.Newdays

M3.Petal

M4.Surface

M5. Wildthing's Arm

M6. Blue Bird

-Interlude

M7.HORIZON

M8.Dawm

-MC

 

●Schroeder-Headz  (シュローダー・ヘッズ) プロフィール●

数多くの著名ミュージシャンのサポート・キーボーディストとして活躍する、渡辺シュンスケによるポスト・ジャズ・プロジェクト。

ピアノ、ベース、ドラムスによるアコースティック・トリオ・サウンドとプログラミングを融合させ、美しいメロディと有機的なグルーヴが印象的なピアノ・トリオの未来形とも言えるサウンドを紡ぎ出す。その名前の由来はアメリカのアニメ"PEANUTS"(日本名:スヌーピー)に登場するトイ・ピアノを弾くシュローダー君に依り、クラシック、ジャズ、ダンス・ミュージック、エレクトロなどに影響を受けたリリカルな男子の脳内イメージを表現している。

オフィシャルサイト【http://schroeder-headz.com/

 

●コニカミノルタプラネタリウム“天空” in 東京スカイツリータウン(R)施設概要●

★所在:東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン イーストヤード7階

★営業時間:10時の回~21時の回 

※各回の上映作品は、時期によって異なります。ホームページ等でご確認ください

 http://www.planetarium.konicaminolta.jp/tenku

※春の上映期間の2017年5月14日(日)までは平日10時の回を上映します

★料金

https://planetarium.konicaminolta.jp/tenku/information/#kmpPrice

より最新情報をご確認ください。

★お客様のお問合せ先

ホームページ:http://www.planetarium.konicaminolta.jp/tenku/  

インフォメーションTel:03-5610-3043 

(受付時間 10:00~19:00)

 

【施設名称表記上のお願い】

見出し、本文などで、施設名称が長すぎて入りきらない場合、次の優先順位で省略形をお使いください。

(1) コニカミノルタプラネタリウム“天空”

(2) プラネタリウム“天空”

なお、文章中に繰り返しで出てくる場合は、2回目以降は “天空” と記述していただいて構いません。

“天空” にはカギかっこ 「」 は使わず、全角クォーテーションマーク “” をお使いください。

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