PGF生命調べ 今年の還暦人の約9割が「60歳過ぎても働きたい」 働き続けたいと思う年齢は平均68歳
2017年の還暦人(かんれきびと)に関する調査
2017.07.25 13:00
PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社、代表取締役社長 兼CEO 添田 毅司)は、2017年4月28日(金)~5月10日(水)の13日間、今年還暦を迎える1957年生まれの男女(以下、還暦人「かんれきびと」と呼称します)を対象に「2017年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、2,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。“還暦人の人生観を変えた映画やドラマ・小説”、“還暦人がお手本にしたい芸能人”など、別添の「2017年の還暦人(かんれきびと)に関する調査『バラエティ編』」もぜひ併せてご覧ください。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
今年還暦を迎える1957年生まれの男女は、145万人※いると言われています。今年の還暦人に、還暦を迎えることへの意識や、今後の人生への期待や不安を聞いたところ、理想と現実のギャップが垣間見える結果となりました。PGF生命は、還暦を迎える方々が安心して末永くいきいきとした生活をおくれるよう、ひきつづき生命保険ビジネスを通じて応援します。
※出典:総務省統計局「出生年別酉(とり)年生まれの人口」より 参考:http://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi981.htm
――アンケート調査結果――
【第1章:今年“還暦”を迎えることについて】
■1957年生まれは今年の“還暦人(かんれきびと)” 7割半が「還暦を迎える実感がわかない」
今年の還暦人2,000名(全回答者)に、還暦の実感について聞いたところ、「還暦を迎えるという実感がわかない」に「あてはまる」(「非常に」と「やや」の合計、以下同じ)が74.5%となりました。4人中3人は、還暦を迎えるという実感がわかないようです。
また、59歳時点の職業別にみると、会社役員・経営者では「あてはまる」が81.7%と、そのほかの職業に比べて高くなりました。
■今年の還暦人が実感する肉体年齢は平均54歳、精神年齢は平均46歳
では、今年の還暦人は自身の肉体年齢(=身体的な若々しさ)と精神年齢(=精神的な若々しさ)について何歳相当だと感じているのでしょうか。
全回答者(2,000名)に、肉体年齢について、自身は何歳相当だと実感しているかを聞いたところ、「50~54歳相当」(34.8%)に多くの回答が集まり、平均年齢は53.8歳となりました。
また、同様に、精神年齢についても聞いたところ、「50~54歳相当」(31.8%)に次いで、「40~44歳相当」(17.3%)に回答が集まり、平均年齢は46.4歳となりました。実年齢(参考:回答時の実年齢は平均59.3歳)を基準に考えると、肉体年齢は実年齢マイナス5.5歳、精神年齢はマイナス12.9歳となりました。実年齢よりも若々しい気持ちでいる還暦人が多くいることが伺えます。
■還暦人の4割弱が「実年齢より10歳若く見られたい」
それでは、見た目年齢についてはどのように見られたいという願望を持っているのでしょうか。
全回答者(2,000名)に、実年齢よりも何歳くらい若く見られたいと思うか聞いたところ、「0歳若く(年相応)」は20.3%、「5歳~9歳若く」が29.4%、「10~14歳若く」が38.1%となりました。また、一番多い回答は「10歳若く」で37.4%となっています。見た目年齢は、実年齢の“マイナス10歳”を目指している還暦人が多いようです。
■還暦人の考える高齢者の定義は「70歳から」
では、還暦人にとっての“高齢者”は何歳以上の人のことを指すのでしょうか。
全回答者(2,000名)に、年齢で線を引くなら、何歳からが高齢者だと思うか聞いたところ、「70~74歳から」に半数以上(52.6%)の回答が集まり、平均年齢は70.4歳となりました。60代のうちは高齢者ではないという感覚を持っている還暦人が多いようです。
【第2章:還暦祝いについて】
■されると嬉しい還暦祝いの催し「一緒に旅行」「食事会」、男性は「一緒にお酒」も
■還暦祝いで貰うと嬉しいプレゼント 鉄板は「旅行券」、男女で違いも
まだまだ還暦を迎える実感がわかない還暦人ですが、どのような還暦祝いをされると嬉しいと感じるのでしょうか。
全回答者(2,000名)に、嬉しいと感じる還暦祝いの催しについて聞いたところ、「一緒に旅行に行く」(38.8%)と「食事会を開く」(37.0%)が4割弱、「プレゼントをもらう」(28.5%)が3割弱、「感謝の言葉をかけてもらう」(22.4%)や「一緒にお酒を飲む」(21.8%)が約2割で続きました。家族や親しい友人と一緒に旅行や食事を楽しめる催しを嬉しいと感じる還暦人が多いようです。
男女別にみると、女性は男性よりも「プレゼントをもらう」が高く(男性23.1%、女性33.8%)、男性は女性よりも「一緒にお酒を飲む」(男性29.5%、女性14.0%)が高い傾向がみられました。
また、嬉しいと感じる還暦祝いのプレゼントについても聞いたところ、「旅行券」が30.0%で最も高く、次いで「おしゃれな洋服・小物(バッグ・腕時計など)」19.5%、「花束」13.8%、「お酒・嗜好品」13.7%が続きました。
男女別にみると、「旅行券」(男性25.2%、女性34.8%)は男女ともに最多回答となったほか、女性は男性より「おしゃれな洋服・小物」(男性12.5%、女性26.5%)や「花束」(男性3.9%、23.7%)が高く、男性は女性より「お酒・嗜好品」(男性20.5 %、女性6.9%)が高い傾向がみられました。男女で嬉しいと感じるプレゼントの傾向が異なるようです。
■実は苦手な人も多い?「赤いちゃんちゃんこを着るのは嫌」8割……遠慮したい還暦祝いとは
反対に、気恥ずかしかったり、抵抗を感じてしまう還暦祝いはあるのでしょうか。
全回答者(2,000名)に、嫌だ・遠慮したいと感じる還暦祝いの催しについて聞いたところ、「赤いちゃんちゃんこを着る」が79.7%で最も高く、次いで「マッサージしてもらう」が17.1%で続きました。還暦を迎える実感がわかない還暦人は、赤いちゃんちゃんこを着るのを気恥ずかしく感じてしまうことが多いようです。せっかくの還暦祝いを喜んでもらうためにも、本人の希望をよく確認して催しを企画すると良いのではないでしょうか。
また、嫌だ・遠慮したいと感じる還暦祝いのプレゼントについても聞いたところ、「夫婦ペアグッズ(ペア財布・ペア腕時計など)」が31.2%で最も高く、次いで、「記念品(似顔絵・メッセージ入り置き時計・フォトフレームなど)」28.1%、「花束」16.4%、「健康・美容家電(マッサージ機など)」15.1%、「おしゃれな洋服・小物」14.7%などが上位にあがりました。花束やおしゃれな洋服・小物は嬉しいプレゼントでも上位となっていましたが、気恥ずかしさのためか、抵抗を感じる還暦人も少なくないようです。こちらも、本人の好みや希望をよく確認してから計画するのが良いかもしれません。
男女別にみると、女性は男性より「夫婦ペアグッズ」(男性26.1%、女性36.2%)や「記念品」(男性21.5%、女性34.6%)を遠慮したいと回答した割合が高く、男性は女性より「花束」(男性22.1%、女性10.6%)を遠慮したいと回答した割合が高くなりました。
【第3章:還暦人の価値観】
■第二の人生にはまだ早い!約9割が「60歳過ぎても働きたい」働き続けたいと思う年齢は平均68歳
今年の還暦人は、20代の後半から30代前半にバブル景気を、その後はバブル崩壊後の不景気を経験してきた世代です。そのような状況下で、どのような仕事感覚・金銭感覚を培ってきたのでしょうか。
先般、自民党の一億総活躍推進本部では、高齢者の意識の若返りを踏まえて、“65歳まで「完全現役」で働ける社会づくり”や“高齢者のアクティブな活躍のための環境整備”などを含む提言※がなされました。まだまだ若々しい肉体や精神を持っていると認識している今年の還暦人に、還暦後の就労意向について尋ねたところ、頼もしい結果が見えてきました。
59歳時点で就労をしている・していた人(1,396名)に対し、60歳以降、何歳まで働いていたいか聞いたところ、「60歳まで」は11.9%と約1割に留まり、「65~69歳まで」(41.0%)や「70~74歳まで」(25.2%)に多くの回答が集まり、働き続けたいと思う平均年齢は67.7歳となりました。60歳で定年退職したいと考える人は少数派で、60代後半から70代前半くらいまでは働き続けたいとの希望を持つ人が多いようです。
59歳時点の職業別にみると、自営業・自由業は平均70.7歳、会社役員・経営者は平均69.0歳と、就業を希望する年齢がそのほかの職業よりも高くなりました。自営業者や個人事業主、経営者などの職業に就いている還暦人では「リタイアして第二の人生を始めるには60歳ではまだ早い」と感じている人が特に多いようです。
※出典:「一億総活躍社会の構築に向けた提言」より 参考:https://www.jimin.jp/news/policy/134900.html
■今後の生活費は最低月20万8千円、ゆとりがある生活のためには月30万1千円欲しい 単身では最低月15万7千円、夫婦2人分では最低月22万4千円欲しい
続いて、今年の還暦人が考える、60歳以降の生活に必要な資金について聞いてみました。
全回答者(2,000名)に、60歳以降の生活費として、最低限必要だと思う金額はどのくらいだと考えているか(配偶者がいる場合は夫婦2人分)聞いたところ、「20万~24万円台」(27.0%)を中心に回答が集まり、平均額は20.8万円となりました。
同様に、ゆとりのある生活のために必要だと思う金額を聞いたところ、「30万~34万円台」(30.6%)を中心に回答が集まり、平均額は30.1万円となりました。
また、配偶者の有無別にそれぞれの平均額をみると、「最低限必要だと思う金額」は配偶者がいない人で平均15.7万円、配偶者がいる人で22.4万円となり、「ゆとりのある生活のために必要だと思う金額」は配偶者がいない人で平均23.9 万円、配偶者がいる人で32.0万円となりました。ゆとりのある生活を送るにあたっては、単身の生活であっても、夫婦2人の生活であっても、最低限の生活費にプラスして10万円弱程の余裕資金が欲しい、と感じているようです。
■還暦人の家族観 「子どもには介護の負担をかけたくない」5割半
ここまでで、仕事やお金に関する価値観をみてきましたが、家族について今年の還暦人はどのような価値観を持っているのでしょうか。
家族に関連する実態や価値観として、自身にあてはまるものを聞いたところ、「子どもには介護の負担をかけたくない」と答えた還暦人は55.5%、子どものいる人の回答に注目すると70.5%となっています。“子どもに負担をかけない介護のあり方”は、子どものいる還暦人にとって、重大な関心ごととなっていることをうかがい知ることができました。
【第4章:今後の人生への期待と不安】
■「第二の人生について考える機会が増えた」還暦人の6割強
還暦人は、今後の人生について、どのような期待や不安を抱いているのでしょうか。
全回答者(2,000名)に、今後の人生について聞いたところ、「第二の人生について考える機会が増えた」に「あてはまる」が62.6%となりました。
59歳時点の職業別に「あてはまる」の割合をみると、会社員(72.4%)や公務員・団体職員(75.2%)といった“勤め人”をしてきた人達は、会社役員・経営者(50.0%)や自営業・自由業(47.4%)といった人達に比べて高くなりました。勤め人をしてきた人達は60歳で勤め先の定年を迎え、第二の人生について真剣に考える機会が増えた人が多いのではないでしょうか。反対に、経営者や自営・自由業者といった定年のない人達は、「まだまだ第二の人生を考えるには早い」と感じている傾向が強いようです。
■「叶えたい夢や目標がある」「色々なことに挑戦したい」ともに7割半
また、「まだまだやりたいこと(叶えたい夢や目標)がある」では「あてはまる」が73.6%、「まだまだ色々なことに挑戦したい」では「あてはまる」が73.7%と、どちらも4人中3人の割合となっています。今年の還暦人たちの世代は、何事にも冷めている“しらけ世代”と称されることもありますが、今後の人生で叶えたい夢や目標を持っている人や、色々な新しいことに挑戦したいと思っている人など、しらけを感じさせない“熱い”人が多いのが実態のようです。
■還暦人の5人に1人が独居の「おひとりさま」、半数近くはおひとりさま予備軍の「夫婦2人暮らし」
一方で、同居する家族のいない「おひとりさま」状態の高齢者の増加が問題視されていますが、還暦人が将来おひとりさまの高齢者になってしまうリスクはどの程度あるのでしょうか。子どもとの同居状況や配偶者の有無などから、還暦人のおひとりさまリスクについて、確認を行いました。
老後おひとりさま化リスクの状況を確認したところ、全回答者(2,000名)のうち、「おひとりさま」(=子どもがいないか子どもと別居しており、配偶者がいない層)が19.9%、「夫婦2人世帯」(=子どもがいないか子どもと別居しており、配偶者がいる層)が40.2%、「子育て世帯」(=未成年、または就業していない20代の子どもと同居をしている層)が14.2%、「子どもと同居世帯」(=就業している20代、または30歳以上の子どもと同居をしている層)が25.8%となりました。還暦人の5人に1人が現在独居状態の「おひとりさま」となっており、4割は夫婦のうち、遺されたほうがおひとりさまとなってしまうリスクを抱えた「夫婦2人世帯」であることがわかりました。これらの、子どもがいないか別居している層(「おひとりさま」と「夫婦2人世帯」)を、“老後おひとりさま化の高リスク層”として注目し、居住地別にみると、北海道・東北居住者(65.2%)や中国・四国居住者(69.1%)、九州・沖縄居住者(66.0%)は、そのほかの地域に比べて高くなりました。これらの地域では、子どもが上京することで別居状態になることが多いためか、老後おひとりさま化のリスクを抱えた還暦人が多いようです。
■今後の人生の3大不安「身体能力の低下」、「年金制度の崩壊」、「老後貧困」 おひとりさまは「社会的孤立」や「無縁墓」も不安材料に
このような状況下で、還暦人は今後の人生にどのような不安を抱えているのでしょうか。
全回答者(2,000名)に、60歳以降の人生で不安に思うことを聞いたところ、「身体能力の低下(病気や寝たきりなど)」が62.1%で最も高く、次いで「年金制度の崩壊」が59.5%、「老後貧困・老後破産(老後の資金不安)」が53.6%で続きました。病気や寝たきりなど、加齢による身体能力低下の不安、年金制度に対する不安、老後の生活資金に対する不安が上位3項目となりました。そのほか、「自分の介護」(50.9%)は約2人に1人が、「親の介護」(33.3%)は3人に1人が不安だと答えました。還暦人にとって介護問題は自分自身と親の両方にかかる重大な関心事なのかもしれません。
また、将来の不安を先程分類したおひとりさま化リスク別にみると、「子ども・孫の将来」に対する不安は子育て世帯(44.7%)や子どもと同居世帯(35.9%)ではそのほかの層よりも高く、おひとりさま世帯では「社会的孤立(孤独死など)」25.4%や「無縁墓(お墓を継ぐ人がいないなど)」15.8%に対する不安がそのほかの層よりも高くなりました。一緒に暮らす家族がいる人、いない人それぞれに特有の悩みがあり、抱える不安があるようです。
今回の調査から、2017年の還暦人は、いつまでも若々しくいたいと思う反面、今後の人生には期待と不安が入り混じっていることがわかる結果となりました。
注:本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入しているため、合計しても100%とならない場合がございます。また、属性別集計において抜粋して表示している場合は、n数を合計しても全体と一致しないことがございます。
◆調査タイトル:2017年の還暦人(かんれきびと)に関する調査
◆調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする1957年生まれの男女
◆調査期間:2017年4月28日~5月10日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査地域:全国
◆有効回答数:2,000サンプル ※有効回答から男女比が均等になるように抽出
(内訳)男性1,000名、女性1,000名
◆調査協力会社:ネットエイジア株式会社