アジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向 2017年4月~6月
2017.07.26 14:00
[2017年7月26日 東京・シンガポール]
世界10ヵ国で人材紹介事業を展開し、東南アジアでは最大級の規模(※)を誇るジェイ エイ シー リクルートメント グループ(CEO:田崎 ひろみ)は、この度、2017年第2四半期のアジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向を纏めましたので、お知らせいたします。
※以下のリンクより、より読みやすいPDF版のプレスリリースをご参照ください
https://www.atpress.ne.jp/releases/134071/att_134071_1.pdf
【サマリー】
・東南アジア各国は春節(旧正月)後の求人需要が一服し、ベトナム以外対前期比で減少傾向
・中国・香港では求人需要が回復し、対前年同期比で求人数が増加
・韓国では半導体業界からの人材需要により、対前期比137%と大幅増
・インドでは物品税導入の影響による経理関連の人材需要により、求人数が対前期比で14%増加
■■マレーシア■■
求人数は前年同期比で-3%と微減
基本給8千リンギット(※)以上の人材は引き合いが強い傾向に
【求人数】
対前年四半期比 97%
対前四半期比 94%
JAC Recruitment マレーシア法人社長 大西 信彰
5月22日にJACTIM(マレーシア日本人商工会議所)が発表した2017年上半期の景気動向調査によると、業況判断DI(*)は2016年下半期の-17.8ポイントから-8.8ポイントに改善し、予測値も-0.7ポイントと景気回復の兆しが見えています。一方で、資金繰り状況DIは前回の15.8ポイントから2.7ポイントに悪化し、楽観はできない状況です。この背景から多くの企業がこれ以上影響を受けることを懸念し、為替の動向を注視しています。
5月にVistage-MIER(マレーシア経済研究所)が発表した経済動向信頼感指数によると、第2四半期は89.6ポイントと前4四半期の81.1ポイントから3.2ポイント上昇し、JACTIMの調査を裏付ける結果となっています。
(*) (「よい」とした企業数 -「悪い」とした企業数)/回答企業数
【企業の採用動向】
・春節(旧正月)前後から活発化していた採用は落ち着きを見せ、求人数は第1四半期対比で6%減少となりました。日系企業で10%、外資系企業で6%減少した一方、現地のローカル企業の求人は27%の増加となりました。前年の対第2四半期比でも全体で3%の減少となりましたが、基本給が8千リンギット(※)(シニアマネージャー職)以上の層については、43%と大幅に増加しています。特に経理(連結財務や中期計画策定)・人事(評価制度や人事企画)、生産・品質管理、海外営業などの分野でシニア層への引き合いが強くなっています。(※)8,000リンギット=約208,000円。1リンギット26円で計算。
・第1四半期に引き続き、日系・外資系企業ともにマレーシア人を採用し、国外での活用、もしくは母国で研修の上将来の幹部候補として養成するケースが増えてきています。
・高速道路の建築プロジェクトが進んでおり、それに関わる地場企業からの求人が増加しています。
【求職者の動向】
登録者数は第1四半期とほぼ横ばいとなりました。前四半期に較べ求職者の動きは一段落しましたが、営業や製造業エンジニア系人材の登録は活発に活動を続けています。
■■シンガポール■■
労働市況が低迷する中でも一部に回復の兆し 外国人雇用は2極化が進む
【求人数】
対前年四半期比 92%
対前四半期比 100%
JAC Recruitment シンガポール法人社長 早瀬 恭
シンガポールの消費者物価指数は1.5%と、長年続いた下落トレンドから上昇傾向にあります。シンガポール金融管理庁が行った経済予測調査では、GDPの増加率は2.3%から2.5%と上方修正されました。これは、主に製造業の上方修正によるものです。
【企業の採用動向】
例年、シンガポールでは第2四半期が最も求人受注数が多い時期ですが、今年は伸びが見られず雇用は対前年四半期比で6,800人減と、外国人雇用の規制強化を背景に労働市場は依然低迷状態です。一方で、シンガポール人限定とした求人の依頼は増加傾向にありますが、各社とも同様の動きであることから一部の人材のみ極端な売り手市場となっています。日本人採用は、DP(Dependent's Pass、配偶者・扶養者ビザ)保持者向けの案件が増加。ゼネラリスト案件はDP保持者向け、スペシャリスト案件はEP(Employment Pass、労働ビザ)保持者向けといった2極化が進みつつあります。
産業別では、製造業からの引き合いが強くなっており、特に電子産業を中心に、半導体、その周辺部品・機器案件では求人の依頼が増加しています。
【求職者の動向】
登録者の増減は対前四半期比で横ばいとなり大きな変化はありませんが、その中でも若手のシンガポール人が活発に動いています。シンガポール人は語学力に長けており優秀な人材が多いことから企業による引き合いが強く、求職者も給料アップの転職を望むことから転職の際給与交渉が難航するケースが散見されます。
■■タイ■■
景気回復の兆しは見えるものの、経済に大きな動きは見られないが
企業の採用意欲は堅調を維持
【求人数】
対前年四半期比 108%
対前四半期比 99%
JAC Recruitment タイランド法人社長 山下 勝弘
昨年の国王の崩御による消費活動の自粛はわずかながら残るものの、経済活動はほぼ通常に戻りました。内需が振るわない中でも輸出は全般に好調であり、タイの産業界ではこの状態が継続できれば経済成長率は4%近くになることを見込んでいます。最近では輸出が経済を支えている傾向にあることから、本年度のタイは世界経済の動向を受ける影響が比較的大きい年といえます。
【企業の採用動向】
第2四半期の新規求人数の増減は対前四半期ではほぼ横ばいですが、対前年同期比では増加となりました。直近の求人数自体の増減に動きが見られない中でも、日本人の現地採用(日本から来タイする駐在目的ではなく、現地在住の日本人を直接現地法人が採用)のニーズが高まっています。これは主に、日本法人側での英語の語学力を持つ人材の不足や、景気低迷などによる駐在員にかかる費用の削減を目的としています。
【求職者の動向】
第2四半期から、日本在住で海外志向の高い転職・就職希望者による問い合わせや登録が増加傾向にあります。この理由として、治安の良さ、在タイ日本人と日本食レストランの多さ、仏教国かつ親日国であることが挙げられます。また、日系企業の多さから、英語力がそれほど高くなくても仕事が見つかる可能性が高いという認識も広がっています。
■■インドネシア■■
選挙や断食明け祭など、休日が増えた影響により求人数減
【求人数】
対前年四半期比 70%
対前四半期比 68%
JAC Recruitment インドネシア法人社長 小林 千絵
第2四半期、ジャカルタでは州知事選挙の決選投票が休日となり、州知事の宗教発言問題によるデモの発生、さらに5月下旬から1ヵ月間のラマダン(断食)、そして断食明け後2週間にわたる祭りなどの影響により、多くの業界で生産が低下しました。一方で、断食明け祭の休日を利用した旅行者や帰郷にともなう移動目的により、これまで主流だった電車やバスなどの交通機関に加えて航空業界の需要も増加したことで、消費動向が活発な場面も見られました。経済は全体的に消費や投資の増加により好調で、政府支出の増加や輸出の改善により、引き続き安定した成長が見込まれています。
【企業の採用動向】
求人数は対前年同期比、対前期比で減少となりましたが、日系企業の市場においては金融の他、建設、物流などのインフラ系の業界が堅調で、求人が低迷した時期でも日本人の採用の依頼は減少することはありませんでした。工業団地の地域では自動車販売が増加傾向にありますが、まだ活況と言うには及ばない状態となっています。日系以外の外資やローカル企業の市場においては消費財、保険、ファイナンスなど、消費財関連の業界から人材の依頼が相次ぎました。
【求職者の動向】
国民の約9割がイスラム教徒であるインドネシアでは、断食明け祭の前にTHL(テーハーエル)という給与1か月分のボーナスを支払うことが義務付けされています。このTHL前と年末の業績ボーナス前は全体的に求職者の登録は減少しますが、転職をすることで収入増を目指す転職希望者は時期を問わず常に活動を行っているため、第2四半期は意欲のある求職者による問い合わせや登録が増加しました。また、日本人向けの求人は多いものの、インドネシアは他のASEAN各国と比べ日本人在住者が少なく転職希望者も多くないことから、人材の需要を満たすことができない状況が続いています。
■■ベトナム■■
経済は引き続き活況だが、人材採用と定着の難易度は変わらず
【求人数】
対前年四半期比 40%
対前四半期比 106%
JAC Recruitment ベトナム法人社長 加藤 将司
ベトナム経済の成長率は第1四半期と比べ5.6%と改善したものの、フック首相が掲げていた目標の6.7%には届きませんでした。しかし、ベトナムに工場を構えるサムソンの新型携帯電話の発売や、FDI(外国直接投資額)の増加などの影響により改善の兆しが見えてきています。また、以前からベトナムへの進出が噂されていた、セブンイレブンが6月半ばにホーチミンに出店し、初日は入場規制が出るほど盛況となりました。一号店開店からわずか1ヵ月で4店舗出店し、積極的に多店舗展開を行っています。また、日本政府による投資により、発電所やエネルギー輸送目的のパイプライン設備などインフラ関連の事業が活況を呈しています。
【企業の採用動向】
ベトナムに進出済みの日系各社は、積極的に人材を採用することよりも新規進出企業から長い経験を持つ人材を引き抜かれることを防止するための定着率向上の取り組みに専念する動きが多くなっています。その主な取り組みとしては給与体系の見直しです。日本人向けの求人は営業職を中心に堅調で、対前期比で6%増となりました。
【求職者の動向】
直近の求職者の傾向として、新規進出企業の挑戦のしがいがある求人や高い年収の求人があればすぐ転職したいと考える「攻めの姿勢」の求職者と、家族との時間を大切にし高望みをしない「守りの姿勢」の求職者の二極化が進んでおり、挑戦のしがいがある求人があれば転職したいと考える攻めの姿勢の人材の登録が昨年よりも減少傾向にあります。守りの姿勢の方々は既存企業の改革を行うようなポジションの求人への関心が薄く、やりがいや高収入よりも家族やプライベートを優先することから転職に慎重になる傾向にあります。そのため、時間が不規則なサービス業では、採用難易度がさらに増しています。
■■中国(上海・北京・広州)■■
求人数は昨年対比で横ばい 電気自動車や設備関連を中心に、求人が堅調に
【求人数】
対前年四半期比 102%
対前四半期比 97%
JAC Recruitment 中国法人社長 蓮子 哲也
第2四半期、中国は政治/経済共に全体的に安定した成長を見せていますが、社会科学研究の最高学術機構である中国社会科学院の発表によると、4~6月期の経済成長率は前年同期比で6.8%となり、1~3月期の6.9%を下回るとの見通しを示し、小幅ながら減速に転じるとの予測となりました。また、本学院が発表した2016年中国都市競争力リポートでは、深セン市が総合経済競争力で3年連続で1位となりました。2位は香港、3位は上海、5位の広州は前年から順位が一つ下がりました。
【企業の採用動向】
求人数は対前期比で微減となりましたが、最近では金融、IT、機械設備、自動車関連、環境ビジネスなど、さまざまな業界から求人の依頼が寄せられています。特に電気自動車の分野で新規参入企業が増えており、日系企業も中国系の自動車メーカーに自動車部品の販売を増やす目的で、中国人の営業や技術関連の人材の募集が増加しています。さらに、機械/設備関係も引き続き堅調で、東南アジアに一部製造ラインの移転が進んでいるものの、高付加価値製品の製造ライン増強のため、機械、電機設計職など高度人材の募集も増加傾向にあります。
【求職者の動向】
1人っ子政策が廃止されたことにより、各省の企業で女性の産休、育休期間の延長制度を充実させています。そのため、各企業では女性社員の産休中の代替要員を補填するため、男性候補者の採用が増加傾向にあり、それを見込んで男性の登録者が増加傾向にあります。日本語が話せる男性候補者は非常に希少な人材であるため、業界問わず日系企業の中で引く手あまたの状態で、日本語能力を有する男性の候補者は転職に非常に有利な状態です。
■■香港■■
春節(旧正月)明けの活況な状態から落ち着きを見せる
【求人数】
対前年四半期比 125%
対前四半期比 110%
JAC Recruitment 香港法人社長 蓮子 哲也
香港は7月1日で、1997年に英国から中国に返還されて以来20年を迎えました。式典に出席した中国の習近平国家主席は「1国2制度」の成功を強調しましたが、中国の経済発展に伴う香港の優位性の低下が目立ち始めています。中国政府と香港は隣接する広東省やマカオとの一体開発に着手し、世界最長の海上橋や高速鉄道など巨大プロジェクトが進行中です。新たな投資貿易協定も締結され、経済の融合はより一層加速することが予想されます。これが、今後の香港経済の回復と、企業の採用活動の追い風となることを期待しています。
【企業の採用動向】
春節明けの活発な採用動向が一服し、日系企業の求人の需要は一定の落ち着きを見せたものの、対前期比では増加となりました。各日系企業からの求人は、非日系マーケット拡大目的の現地マネージャークラスの採用や、日系企業の現地化の促進に向け将来の幹部候補となるマネージャークラスの人材など、企業の中核となる人材の採用ニーズが増加傾向にあります。一方、金融関連企業では春節明けから現在まで活発な採用活動を行っており、第1四半期に続き賞与支給後の既存社員の退職に伴い欠員補充の依頼が増加しています。
【求職者の動向】
転職を希望する登録者数は第1四半期と比べ減少しました。直近の日系企業への転職希望者は若年層が多い状況に変わりはありませんが、景気が不透明のため、将来を見据え転職を希望するミドルクラスの転職希望者も少しずつ増加傾向にあります。また、日系企業による非日系マーケットへの拡大に伴い中国語の語学力を持つ日本人人材の需要が増加傾向にあります。中国人・香港人の多言語スピーカーは香港に多く存在しますが、日本人の多言語の能力を持つ人材はまだ少なく引く手あまたとなっています。
■■韓国■■
文在寅(ムン・ジェイン)新大統領の政策に期待
【求人数】
対前年四半期比 96%
対前四半期比 137%
JAC Recruitment 韓国法人社長 土山 雄一郎
5月に新大統領が選出されたことにより、大統領不在という非常事態に終止符が打たれましたが、新政権は安全保障や外交で難題を抱えていることに加え、個人債務の増加や国内消費低迷、雇用問題など、課題は山積状態です。新政権では雇用問題を最優先課題として取り組む方針を示しており、公約の「公共部門を中心に81万人の雇用創出」を達成するため、雇用委員会の設置、補正予算案編成などの取り組みを進めています。しかし、国会は少数与党となっており、補正予算案の早期成立は野党の協力次第という情勢です。
【企業の採用動向】
新政権発足後、対前期比の求人動向に大きな変化はありませんが、好調な半導体業界からは継続的に人材の需要が増えています。そのため、機械、電気・電子、化学・素材を専攻をする新卒や20代~30代の人材に就職や転職の機会が広がっています。一方で、国内の消費低迷により消費財をはじめとするB to Cの企業からは採用の需要が減少しています。企業経営者は新政権の労働改革に関心が高く、「最低賃金1万ウォン」、「非正規職の規模縮小と差別解消」、「勤務時間の上限制」などの制度が導入された場合、人件費が増加し企業経営に影響を及ぼす可能性があることから、正規職の採用に大きな影響を与えることが予想されます。
【求職者の動向】
夏季ボーナスの支給時期前であることから、求職者の活動は鈍化している一方、韓国人で日本語力を持つ大学卒業予定者は、日本での就職を検討する人が増加傾向にあります。これは景気低迷を理由に、大企業をはじめとする韓国国内の新規採用数減少が影響していることによるものです。在韓日系企業(製造業)が新卒理系学生の採用活動を行う中、日本での就職をより前向きに検討する学生が存在するため、採用難となる事例も見受けられます。
■■インド■■
インドの税制改革である「物品税(GST)」導入後のマーケットの動向に注目
【求人数】
対前年四半期比 97%
対前四半期比 114%
JAC Recruitment インド法人社長 筧 裕樹
4月に予定されていたGST(Goods&Service Tax、物品税)が、ついに7月に導入されました。GST導入は、複雑な間接税制を統一し、経済活動の足かせとなっている税制度を排除することを目的としています。GSTの導入により、州ごとに異なる税制や相殺できる税が増え企業にメリットが大きい反面、インド全土での大きな税制改革のため、その対応に追われる企業が多く、企業や経済への影響は非常に大きくなることが予想されます。
【企業の採用動向】
3月の給与改定後、給与額に納得がいかなかった社員が転職活動をする時期のため、多くの現地企業が求職者が増加するタイミングに合わせて求人を出したことで5月は大幅に増加し、7月一杯までこの傾向は続く見込みです。また、GSTの導入に備え経理・税務を強化する企業も増え、経理関連はスタッフ~マネージャークラスまで幅広い求人の依頼を受けました。
日本人現地採用の求人は主に欠員補充が目的のため多くの依頼はありませんが、インドでの就業経験を持つ専門性の高い技術を要求されるポジションに関しては需要があります。
【求職者の動向】
前述のとおり、現地企業の求人については給与改定後のため求職者の動きは活発でした。ただし、上級管理職(本部長や部長レベル)の候補者はそのような動向に影響を受けることはなく、良い案件があれば常に転職に動くことができるよう、企業の求人動向を常にチェックしています。
日本人求職者の登録数は昨年から微増であるものの、他国での求人に併願している候補者が多く動き自は鈍い状態です。
■■日本■■
各社の好業績により人手不足が深刻化
日系企業の海外事業要員は前年同期比で122%と大幅増
【求人数】(日本企業の海外事業関連求人)
対前年四半期比 122%
対前四半期比 99%
JAC Recruitment(日本)海外進出支援室 室長 佐原 賢治
上場企業各社による2017年第1四半期の決算は輸出関連で円安を支えに増収増益基調となり、輸出企業だけでなく建設や設備、介護など内需型企業にも好調な企業が目立ちました。特に新興国を中心とした海外生産の増加と人件費高騰などを背景に産業機械の輸出が好調でした。
また中小企業基盤整備機構による第2四半期の景況調査によると、中小企業にも製造業を中心に業況の改善ムードが高まっています。一方欧州では英国のEU離脱に向けた動きが進む中、日系企業による欧州ビジネス再編の動きも出ています。
【企業の採用動向】
各企業の好調な業績を背景に、国内の人手不足はさらに深刻さが増しています。厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率は1.49倍と43年ぶりの高水準となり、企業の人材採用意欲が著しく高まっている様子がうかがえます。
当社に寄せられた「日系企業による海外事業要員」の求人は、対前四半期比では99%と横ばいとなりましたが、対前年四半期比では122%と大幅に増加しました。
業種・職種別では、国内の主要工場での新たな生産技術の開発や、海外工場の品質管理体制の強化など、“日本と海外を行き来する”任務を担う技術者に対する人材の需要が多かったほか、樹脂製品などの化学業界や医療機器業界で海外市場の開拓を担う即戦力人材の求人も増加しました。
【求職者の動向】
第2四半期の新規求職者(登録者)数は、季節要因もあり前期比82%と減少しました。好調な企業業績から今夏のボーナスに対する期待感が高まっていることも求職者の動きがやや慎重になっている要因です。優秀な人材に対しては複数の企業から採用内定が提示される傾向はますます強くなっており、高度なスキルを有する技術者や、豊富な海外経験を有する人材にとっては“売り手市場”が続いています。
ジェイ エイ シー リクルートメントは、1975年に日系企業の海外進出を人材採用面で支援する企業としてイギリスで設立以来、1987年にシンガポール、1988年に日本とビジネスを展開し、現在では世界10ヵ国、26拠点で、国内および海外で成長を目指す企業に対し人材採用面で支援を行っています。当社は今後も優秀な人材の紹介を通じて、企業の成長に貢献してまいります。
(※)自社調べ(アジアで人材紹介事業を展開する同業他社の売上規模を比較)
※各国の求人数の増減については、その国々の景況感による変動や、それぞれの国が講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に集中など)により、意図的に減る場合もございます。そのため、求人数の増減は直接各国の業績に結び付くものではありません。
◆ジェイ エイ シー リクルートメント グループについて◆
1975年英国で創業。1987年にシンガポールへの進出を皮切りに、1988年に日本、1994年にマレーシアと事業を拡大し、現在ではアジアを中心とする10ヵ国、26拠点で人材紹介事業を展開しています。2012年には、JAC Recruitment Asia Ltdをホールディング・カンパニーとして、英国とアジア8ヵ国(シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、中国・香港、韓国、ベトナム、インド)に展開する各社を統合。JAC Recruitment Asia Ltdと日本の株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント(東証一部 2124)は、主要出資者を共通とする兄弟会社の関係にあります。
日本 : http://corp.jac-recruitment.jp (コーポレートサイト)
http://www.jac-recruitment.jp (転職サイト)
アジア: http://www.jac-recruitmentasia.com/
世界10ヵ国で人材紹介事業を展開し、東南アジアでは最大級の規模(※)を誇るジェイ エイ シー リクルートメント グループ(CEO:田崎 ひろみ)は、この度、2017年第2四半期のアジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向を纏めましたので、お知らせいたします。
※以下のリンクより、より読みやすいPDF版のプレスリリースをご参照ください
https://www.atpress.ne.jp/releases/134071/att_134071_1.pdf
【サマリー】
・東南アジア各国は春節(旧正月)後の求人需要が一服し、ベトナム以外対前期比で減少傾向
・中国・香港では求人需要が回復し、対前年同期比で求人数が増加
・韓国では半導体業界からの人材需要により、対前期比137%と大幅増
・インドでは物品税導入の影響による経理関連の人材需要により、求人数が対前期比で14%増加
■■マレーシア■■
求人数は前年同期比で-3%と微減
基本給8千リンギット(※)以上の人材は引き合いが強い傾向に
【求人数】
対前年四半期比 97%
対前四半期比 94%
JAC Recruitment マレーシア法人社長 大西 信彰
5月22日にJACTIM(マレーシア日本人商工会議所)が発表した2017年上半期の景気動向調査によると、業況判断DI(*)は2016年下半期の-17.8ポイントから-8.8ポイントに改善し、予測値も-0.7ポイントと景気回復の兆しが見えています。一方で、資金繰り状況DIは前回の15.8ポイントから2.7ポイントに悪化し、楽観はできない状況です。この背景から多くの企業がこれ以上影響を受けることを懸念し、為替の動向を注視しています。
5月にVistage-MIER(マレーシア経済研究所)が発表した経済動向信頼感指数によると、第2四半期は89.6ポイントと前4四半期の81.1ポイントから3.2ポイント上昇し、JACTIMの調査を裏付ける結果となっています。
(*) (「よい」とした企業数 -「悪い」とした企業数)/回答企業数
【企業の採用動向】
・春節(旧正月)前後から活発化していた採用は落ち着きを見せ、求人数は第1四半期対比で6%減少となりました。日系企業で10%、外資系企業で6%減少した一方、現地のローカル企業の求人は27%の増加となりました。前年の対第2四半期比でも全体で3%の減少となりましたが、基本給が8千リンギット(※)(シニアマネージャー職)以上の層については、43%と大幅に増加しています。特に経理(連結財務や中期計画策定)・人事(評価制度や人事企画)、生産・品質管理、海外営業などの分野でシニア層への引き合いが強くなっています。(※)8,000リンギット=約208,000円。1リンギット26円で計算。
・第1四半期に引き続き、日系・外資系企業ともにマレーシア人を採用し、国外での活用、もしくは母国で研修の上将来の幹部候補として養成するケースが増えてきています。
・高速道路の建築プロジェクトが進んでおり、それに関わる地場企業からの求人が増加しています。
【求職者の動向】
登録者数は第1四半期とほぼ横ばいとなりました。前四半期に較べ求職者の動きは一段落しましたが、営業や製造業エンジニア系人材の登録は活発に活動を続けています。
■■シンガポール■■
労働市況が低迷する中でも一部に回復の兆し 外国人雇用は2極化が進む
【求人数】
対前年四半期比 92%
対前四半期比 100%
JAC Recruitment シンガポール法人社長 早瀬 恭
シンガポールの消費者物価指数は1.5%と、長年続いた下落トレンドから上昇傾向にあります。シンガポール金融管理庁が行った経済予測調査では、GDPの増加率は2.3%から2.5%と上方修正されました。これは、主に製造業の上方修正によるものです。
【企業の採用動向】
例年、シンガポールでは第2四半期が最も求人受注数が多い時期ですが、今年は伸びが見られず雇用は対前年四半期比で6,800人減と、外国人雇用の規制強化を背景に労働市場は依然低迷状態です。一方で、シンガポール人限定とした求人の依頼は増加傾向にありますが、各社とも同様の動きであることから一部の人材のみ極端な売り手市場となっています。日本人採用は、DP(Dependent's Pass、配偶者・扶養者ビザ)保持者向けの案件が増加。ゼネラリスト案件はDP保持者向け、スペシャリスト案件はEP(Employment Pass、労働ビザ)保持者向けといった2極化が進みつつあります。
産業別では、製造業からの引き合いが強くなっており、特に電子産業を中心に、半導体、その周辺部品・機器案件では求人の依頼が増加しています。
【求職者の動向】
登録者の増減は対前四半期比で横ばいとなり大きな変化はありませんが、その中でも若手のシンガポール人が活発に動いています。シンガポール人は語学力に長けており優秀な人材が多いことから企業による引き合いが強く、求職者も給料アップの転職を望むことから転職の際給与交渉が難航するケースが散見されます。
■■タイ■■
景気回復の兆しは見えるものの、経済に大きな動きは見られないが
企業の採用意欲は堅調を維持
【求人数】
対前年四半期比 108%
対前四半期比 99%
JAC Recruitment タイランド法人社長 山下 勝弘
昨年の国王の崩御による消費活動の自粛はわずかながら残るものの、経済活動はほぼ通常に戻りました。内需が振るわない中でも輸出は全般に好調であり、タイの産業界ではこの状態が継続できれば経済成長率は4%近くになることを見込んでいます。最近では輸出が経済を支えている傾向にあることから、本年度のタイは世界経済の動向を受ける影響が比較的大きい年といえます。
【企業の採用動向】
第2四半期の新規求人数の増減は対前四半期ではほぼ横ばいですが、対前年同期比では増加となりました。直近の求人数自体の増減に動きが見られない中でも、日本人の現地採用(日本から来タイする駐在目的ではなく、現地在住の日本人を直接現地法人が採用)のニーズが高まっています。これは主に、日本法人側での英語の語学力を持つ人材の不足や、景気低迷などによる駐在員にかかる費用の削減を目的としています。
【求職者の動向】
第2四半期から、日本在住で海外志向の高い転職・就職希望者による問い合わせや登録が増加傾向にあります。この理由として、治安の良さ、在タイ日本人と日本食レストランの多さ、仏教国かつ親日国であることが挙げられます。また、日系企業の多さから、英語力がそれほど高くなくても仕事が見つかる可能性が高いという認識も広がっています。
■■インドネシア■■
選挙や断食明け祭など、休日が増えた影響により求人数減
【求人数】
対前年四半期比 70%
対前四半期比 68%
JAC Recruitment インドネシア法人社長 小林 千絵
第2四半期、ジャカルタでは州知事選挙の決選投票が休日となり、州知事の宗教発言問題によるデモの発生、さらに5月下旬から1ヵ月間のラマダン(断食)、そして断食明け後2週間にわたる祭りなどの影響により、多くの業界で生産が低下しました。一方で、断食明け祭の休日を利用した旅行者や帰郷にともなう移動目的により、これまで主流だった電車やバスなどの交通機関に加えて航空業界の需要も増加したことで、消費動向が活発な場面も見られました。経済は全体的に消費や投資の増加により好調で、政府支出の増加や輸出の改善により、引き続き安定した成長が見込まれています。
【企業の採用動向】
求人数は対前年同期比、対前期比で減少となりましたが、日系企業の市場においては金融の他、建設、物流などのインフラ系の業界が堅調で、求人が低迷した時期でも日本人の採用の依頼は減少することはありませんでした。工業団地の地域では自動車販売が増加傾向にありますが、まだ活況と言うには及ばない状態となっています。日系以外の外資やローカル企業の市場においては消費財、保険、ファイナンスなど、消費財関連の業界から人材の依頼が相次ぎました。
【求職者の動向】
国民の約9割がイスラム教徒であるインドネシアでは、断食明け祭の前にTHL(テーハーエル)という給与1か月分のボーナスを支払うことが義務付けされています。このTHL前と年末の業績ボーナス前は全体的に求職者の登録は減少しますが、転職をすることで収入増を目指す転職希望者は時期を問わず常に活動を行っているため、第2四半期は意欲のある求職者による問い合わせや登録が増加しました。また、日本人向けの求人は多いものの、インドネシアは他のASEAN各国と比べ日本人在住者が少なく転職希望者も多くないことから、人材の需要を満たすことができない状況が続いています。
■■ベトナム■■
経済は引き続き活況だが、人材採用と定着の難易度は変わらず
【求人数】
対前年四半期比 40%
対前四半期比 106%
JAC Recruitment ベトナム法人社長 加藤 将司
ベトナム経済の成長率は第1四半期と比べ5.6%と改善したものの、フック首相が掲げていた目標の6.7%には届きませんでした。しかし、ベトナムに工場を構えるサムソンの新型携帯電話の発売や、FDI(外国直接投資額)の増加などの影響により改善の兆しが見えてきています。また、以前からベトナムへの進出が噂されていた、セブンイレブンが6月半ばにホーチミンに出店し、初日は入場規制が出るほど盛況となりました。一号店開店からわずか1ヵ月で4店舗出店し、積極的に多店舗展開を行っています。また、日本政府による投資により、発電所やエネルギー輸送目的のパイプライン設備などインフラ関連の事業が活況を呈しています。
【企業の採用動向】
ベトナムに進出済みの日系各社は、積極的に人材を採用することよりも新規進出企業から長い経験を持つ人材を引き抜かれることを防止するための定着率向上の取り組みに専念する動きが多くなっています。その主な取り組みとしては給与体系の見直しです。日本人向けの求人は営業職を中心に堅調で、対前期比で6%増となりました。
【求職者の動向】
直近の求職者の傾向として、新規進出企業の挑戦のしがいがある求人や高い年収の求人があればすぐ転職したいと考える「攻めの姿勢」の求職者と、家族との時間を大切にし高望みをしない「守りの姿勢」の求職者の二極化が進んでおり、挑戦のしがいがある求人があれば転職したいと考える攻めの姿勢の人材の登録が昨年よりも減少傾向にあります。守りの姿勢の方々は既存企業の改革を行うようなポジションの求人への関心が薄く、やりがいや高収入よりも家族やプライベートを優先することから転職に慎重になる傾向にあります。そのため、時間が不規則なサービス業では、採用難易度がさらに増しています。
■■中国(上海・北京・広州)■■
求人数は昨年対比で横ばい 電気自動車や設備関連を中心に、求人が堅調に
【求人数】
対前年四半期比 102%
対前四半期比 97%
JAC Recruitment 中国法人社長 蓮子 哲也
第2四半期、中国は政治/経済共に全体的に安定した成長を見せていますが、社会科学研究の最高学術機構である中国社会科学院の発表によると、4~6月期の経済成長率は前年同期比で6.8%となり、1~3月期の6.9%を下回るとの見通しを示し、小幅ながら減速に転じるとの予測となりました。また、本学院が発表した2016年中国都市競争力リポートでは、深セン市が総合経済競争力で3年連続で1位となりました。2位は香港、3位は上海、5位の広州は前年から順位が一つ下がりました。
【企業の採用動向】
求人数は対前期比で微減となりましたが、最近では金融、IT、機械設備、自動車関連、環境ビジネスなど、さまざまな業界から求人の依頼が寄せられています。特に電気自動車の分野で新規参入企業が増えており、日系企業も中国系の自動車メーカーに自動車部品の販売を増やす目的で、中国人の営業や技術関連の人材の募集が増加しています。さらに、機械/設備関係も引き続き堅調で、東南アジアに一部製造ラインの移転が進んでいるものの、高付加価値製品の製造ライン増強のため、機械、電機設計職など高度人材の募集も増加傾向にあります。
【求職者の動向】
1人っ子政策が廃止されたことにより、各省の企業で女性の産休、育休期間の延長制度を充実させています。そのため、各企業では女性社員の産休中の代替要員を補填するため、男性候補者の採用が増加傾向にあり、それを見込んで男性の登録者が増加傾向にあります。日本語が話せる男性候補者は非常に希少な人材であるため、業界問わず日系企業の中で引く手あまたの状態で、日本語能力を有する男性の候補者は転職に非常に有利な状態です。
■■香港■■
春節(旧正月)明けの活況な状態から落ち着きを見せる
【求人数】
対前年四半期比 125%
対前四半期比 110%
JAC Recruitment 香港法人社長 蓮子 哲也
香港は7月1日で、1997年に英国から中国に返還されて以来20年を迎えました。式典に出席した中国の習近平国家主席は「1国2制度」の成功を強調しましたが、中国の経済発展に伴う香港の優位性の低下が目立ち始めています。中国政府と香港は隣接する広東省やマカオとの一体開発に着手し、世界最長の海上橋や高速鉄道など巨大プロジェクトが進行中です。新たな投資貿易協定も締結され、経済の融合はより一層加速することが予想されます。これが、今後の香港経済の回復と、企業の採用活動の追い風となることを期待しています。
【企業の採用動向】
春節明けの活発な採用動向が一服し、日系企業の求人の需要は一定の落ち着きを見せたものの、対前期比では増加となりました。各日系企業からの求人は、非日系マーケット拡大目的の現地マネージャークラスの採用や、日系企業の現地化の促進に向け将来の幹部候補となるマネージャークラスの人材など、企業の中核となる人材の採用ニーズが増加傾向にあります。一方、金融関連企業では春節明けから現在まで活発な採用活動を行っており、第1四半期に続き賞与支給後の既存社員の退職に伴い欠員補充の依頼が増加しています。
【求職者の動向】
転職を希望する登録者数は第1四半期と比べ減少しました。直近の日系企業への転職希望者は若年層が多い状況に変わりはありませんが、景気が不透明のため、将来を見据え転職を希望するミドルクラスの転職希望者も少しずつ増加傾向にあります。また、日系企業による非日系マーケットへの拡大に伴い中国語の語学力を持つ日本人人材の需要が増加傾向にあります。中国人・香港人の多言語スピーカーは香港に多く存在しますが、日本人の多言語の能力を持つ人材はまだ少なく引く手あまたとなっています。
■■韓国■■
文在寅(ムン・ジェイン)新大統領の政策に期待
【求人数】
対前年四半期比 96%
対前四半期比 137%
JAC Recruitment 韓国法人社長 土山 雄一郎
5月に新大統領が選出されたことにより、大統領不在という非常事態に終止符が打たれましたが、新政権は安全保障や外交で難題を抱えていることに加え、個人債務の増加や国内消費低迷、雇用問題など、課題は山積状態です。新政権では雇用問題を最優先課題として取り組む方針を示しており、公約の「公共部門を中心に81万人の雇用創出」を達成するため、雇用委員会の設置、補正予算案編成などの取り組みを進めています。しかし、国会は少数与党となっており、補正予算案の早期成立は野党の協力次第という情勢です。
【企業の採用動向】
新政権発足後、対前期比の求人動向に大きな変化はありませんが、好調な半導体業界からは継続的に人材の需要が増えています。そのため、機械、電気・電子、化学・素材を専攻をする新卒や20代~30代の人材に就職や転職の機会が広がっています。一方で、国内の消費低迷により消費財をはじめとするB to Cの企業からは採用の需要が減少しています。企業経営者は新政権の労働改革に関心が高く、「最低賃金1万ウォン」、「非正規職の規模縮小と差別解消」、「勤務時間の上限制」などの制度が導入された場合、人件費が増加し企業経営に影響を及ぼす可能性があることから、正規職の採用に大きな影響を与えることが予想されます。
【求職者の動向】
夏季ボーナスの支給時期前であることから、求職者の活動は鈍化している一方、韓国人で日本語力を持つ大学卒業予定者は、日本での就職を検討する人が増加傾向にあります。これは景気低迷を理由に、大企業をはじめとする韓国国内の新規採用数減少が影響していることによるものです。在韓日系企業(製造業)が新卒理系学生の採用活動を行う中、日本での就職をより前向きに検討する学生が存在するため、採用難となる事例も見受けられます。
■■インド■■
インドの税制改革である「物品税(GST)」導入後のマーケットの動向に注目
【求人数】
対前年四半期比 97%
対前四半期比 114%
JAC Recruitment インド法人社長 筧 裕樹
4月に予定されていたGST(Goods&Service Tax、物品税)が、ついに7月に導入されました。GST導入は、複雑な間接税制を統一し、経済活動の足かせとなっている税制度を排除することを目的としています。GSTの導入により、州ごとに異なる税制や相殺できる税が増え企業にメリットが大きい反面、インド全土での大きな税制改革のため、その対応に追われる企業が多く、企業や経済への影響は非常に大きくなることが予想されます。
【企業の採用動向】
3月の給与改定後、給与額に納得がいかなかった社員が転職活動をする時期のため、多くの現地企業が求職者が増加するタイミングに合わせて求人を出したことで5月は大幅に増加し、7月一杯までこの傾向は続く見込みです。また、GSTの導入に備え経理・税務を強化する企業も増え、経理関連はスタッフ~マネージャークラスまで幅広い求人の依頼を受けました。
日本人現地採用の求人は主に欠員補充が目的のため多くの依頼はありませんが、インドでの就業経験を持つ専門性の高い技術を要求されるポジションに関しては需要があります。
【求職者の動向】
前述のとおり、現地企業の求人については給与改定後のため求職者の動きは活発でした。ただし、上級管理職(本部長や部長レベル)の候補者はそのような動向に影響を受けることはなく、良い案件があれば常に転職に動くことができるよう、企業の求人動向を常にチェックしています。
日本人求職者の登録数は昨年から微増であるものの、他国での求人に併願している候補者が多く動き自は鈍い状態です。
■■日本■■
各社の好業績により人手不足が深刻化
日系企業の海外事業要員は前年同期比で122%と大幅増
【求人数】(日本企業の海外事業関連求人)
対前年四半期比 122%
対前四半期比 99%
JAC Recruitment(日本)海外進出支援室 室長 佐原 賢治
上場企業各社による2017年第1四半期の決算は輸出関連で円安を支えに増収増益基調となり、輸出企業だけでなく建設や設備、介護など内需型企業にも好調な企業が目立ちました。特に新興国を中心とした海外生産の増加と人件費高騰などを背景に産業機械の輸出が好調でした。
また中小企業基盤整備機構による第2四半期の景況調査によると、中小企業にも製造業を中心に業況の改善ムードが高まっています。一方欧州では英国のEU離脱に向けた動きが進む中、日系企業による欧州ビジネス再編の動きも出ています。
【企業の採用動向】
各企業の好調な業績を背景に、国内の人手不足はさらに深刻さが増しています。厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率は1.49倍と43年ぶりの高水準となり、企業の人材採用意欲が著しく高まっている様子がうかがえます。
当社に寄せられた「日系企業による海外事業要員」の求人は、対前四半期比では99%と横ばいとなりましたが、対前年四半期比では122%と大幅に増加しました。
業種・職種別では、国内の主要工場での新たな生産技術の開発や、海外工場の品質管理体制の強化など、“日本と海外を行き来する”任務を担う技術者に対する人材の需要が多かったほか、樹脂製品などの化学業界や医療機器業界で海外市場の開拓を担う即戦力人材の求人も増加しました。
【求職者の動向】
第2四半期の新規求職者(登録者)数は、季節要因もあり前期比82%と減少しました。好調な企業業績から今夏のボーナスに対する期待感が高まっていることも求職者の動きがやや慎重になっている要因です。優秀な人材に対しては複数の企業から採用内定が提示される傾向はますます強くなっており、高度なスキルを有する技術者や、豊富な海外経験を有する人材にとっては“売り手市場”が続いています。
ジェイ エイ シー リクルートメントは、1975年に日系企業の海外進出を人材採用面で支援する企業としてイギリスで設立以来、1987年にシンガポール、1988年に日本とビジネスを展開し、現在では世界10ヵ国、26拠点で、国内および海外で成長を目指す企業に対し人材採用面で支援を行っています。当社は今後も優秀な人材の紹介を通じて、企業の成長に貢献してまいります。
(※)自社調べ(アジアで人材紹介事業を展開する同業他社の売上規模を比較)
※各国の求人数の増減については、その国々の景況感による変動や、それぞれの国が講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に集中など)により、意図的に減る場合もございます。そのため、求人数の増減は直接各国の業績に結び付くものではありません。
◆ジェイ エイ シー リクルートメント グループについて◆
1975年英国で創業。1987年にシンガポールへの進出を皮切りに、1988年に日本、1994年にマレーシアと事業を拡大し、現在ではアジアを中心とする10ヵ国、26拠点で人材紹介事業を展開しています。2012年には、JAC Recruitment Asia Ltdをホールディング・カンパニーとして、英国とアジア8ヵ国(シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、中国・香港、韓国、ベトナム、インド)に展開する各社を統合。JAC Recruitment Asia Ltdと日本の株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント(東証一部 2124)は、主要出資者を共通とする兄弟会社の関係にあります。
日本 : http://corp.jac-recruitment.jp (コーポレートサイト)
http://www.jac-recruitment.jp (転職サイト)
アジア: http://www.jac-recruitmentasia.com/
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