マーケティング企業のパシフィック・コミュニケーションズは、手の美しさを保つプロ、超有名化粧品メーカーのCMや広告ビジュアルのモデルも務める第一線の現役ハンドモデルが実際に行っているハンドケアのヒアリング会を実施。手肌のコンディションの揺らぎが許されないハンドモデルが実際に行っているケアをご紹介します。

夏も終わり、お肌の乾燥が気になる秋冬の到来。顔のお肌も気になりますが、実は、20～39歳の女性の約75％が「相手の肌の老化に気付くのは『手・指先』」という結果も出ているほど、手は見た目年齢を左右する大切なポイントなのです。

Q：人の体のどの部分をみて、あなたは「その人のお肌の老化(衰え)」に気付きますか？

2017年7月　Pacific Communications調査　N=226名

(左)米山 真央さん (右)森迫 二葉さん 1

【ハンドモデル　プロフィール】

(左)米山 真央さん

バスケットボールやダンス、ゴルフもこなす米山さんは、手の美しさだけでなく全身の美しさでモデルもこなします。

(右)森迫 二葉さん

平日日中は会社勤めをしながら、超一流化粧品メーカーの広告ハンドモデルとしても活躍。日常生活の中でのケアは働く女性の参考になるはず。

■ポイント(1)　こまめな保湿が重要

ハンドケアをするタイミングは、「乾燥を感じたらすぐに」「手洗い後はいつも」

「保湿アイテムを携帯用ポーチに入れ、リップクリームを塗るタイミングでいつも保湿しています。忘れずにハンドケアができる、リップクリームと兼用できるものは重宝します。ちょっと硬さのあるクリームが、硬度がある分保湿時間も長い気がします」(米山さん)

「手を洗った後は水分と一緒に皮膚の水分も蒸発してしまうため、手洗い後の化粧水を日中のケアに取り入れています。そのあとに油分でフタをする意味でクリームをつけます。」(森迫さん)

■ポイント(2)　実は理解していない人も多い、“こまめな保湿”以前に大切なターンオーバー

保湿だけすればよい、は大間違い。ハンドモデルが保湿同様に重要視しているのが、ターンオーバー＝新陳代謝なのです。

秋は夏場に受けた紫外線が原因となってシミ・シワが現れるともいわれ、肌の新陳代謝も下がります。乾燥対策として、保湿はもちろんですが、実は古い角質がたまらないようにすることが重要。

「角質除去やクレンジングのために、ゴマージュやスクラブで角質を取り除くという手法もありますが、皮膚表面を傷つけることは回数を重ねると肌の黒ずみにつながるので避けています。ナチュラルなターンオーバーをさせるためには、尿素入りのクリームを使います。尿素クリームを使うと、目に見えてしっとりしたり、肌表面

が滑らかになるのでハンドモデルの救済アイテムです。2、3日に1回、夜使用します。」(米山さん)

「尿素が肌荒れ改善の効果が高いということは、ハンドモデルの多くが知っていること。撮影数日前に手肌のコンディションが心配なときには、積極的に尿素入りのハンドクリームを日常ケアに取り入れます。リラックスできる精油の入った、尿素濃度が低めのハンドクリームは日常使いにしています」(森迫さん)

＜ターンオーバーと保湿の両方を助ける尿素＞

尿素はNMF(天然保湿成分)の一つとして角質層の中に元々含まれている、肌の潤いを保つために必要な成分です。尿素を外側から補うことにより、乾燥しやすい肌の表面に水分を維持することができるのです。

秋冬は新陳代謝が低下するため、肌の角質が剥がれにくくなります。尿素は新陳代謝を邪魔する余分な角質を溶かして浸透していくことで、肌の自然なターンオーバーを促します。尿素のはたらきで肌が柔らかくなり、角質が固まった状態から脱し、肌の状態が安定した方向に向かうのを助けます。

・ケラチナミンｺｰﾜ　20％尿素配合クリーム　第3類医薬品

60g　1,500円 / 150g　2,000円(税抜) / 興和

ケラチナミンは1982年に日本で初めて発売された尿素配合の一般用医薬品クリーム。手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、老人の乾皮症、さめ肌に対する効能・効果が認められています。

・ケラチナミンｺｰﾜ アロマハンドクリーム(ケラチナミンｺｰﾜクリームL/R/J)　指定医薬部外品

30g　オープン価格 / 興和

尿素を10％含み、精油の香りでリラックスできる尿素ハンドクリーム。ラベンダー、ローズ、ジャスミンの香り

■ポイント(3)　紫外線対策

秋冬でも浴びてしまう紫外線は手肌の乾燥にも大敵。UVAもカットする高機能日焼け止めを

「日焼けをしないのは大前提」というハンドモデル。日中の外出中に手袋をするハンドモデルも多いですが、一般の女性においてはなかなか叶わないかもしれません。それでも積極的な紫外線予防にはつとめたいもの。シンプルですが、顔に塗った日焼け止めを手にもそのまま使用することを徹底するだけでもだいぶ差が出ます。日焼け止めとしてハンドモデルが重視するのは、紫外線A波(UVA)を防いでくれるかというところ。紫外線にはA波(UVA)とB波(UVB)の2種類があり、UVAは、それ自体のエネルギーは弱いものの、照射量が多く、波長が長く浸透力が高いので肌の奥まで届くと言われます。UVAを浴びた肌は弾力を失い、シワやたるみといった肌の老化現象を引き起こすと考えられています。

■ポイント(4)　就寝時のケアは？

就寝時の手袋がおすすめ。手袋はシルク派と綿派がいる模様。廉価なものでもOK

多くのハンドモデルが取り入れているのが「就寝中の手袋」。手袋をすることで、物理的に手を引っかいたりする傷を防げますし、クリームをより手に馴染ませることができ、さらに寝具にクリームが付着することを防ぐことができます。天然素材でできた手袋であれば吸湿・放湿性も期待でき、保温もできるので手の血流悪化による黒ずみの予防にも役立つと言えます。

米山さん愛用はシルクの手袋。肌と接したときの摩擦が少なく、絹が本来持つ放湿性が特長。普段使いを気兼ねなくするためにも、消耗品と割り切って単価1,000円ほどのものを使用。吸湿性や快適さを重視して綿の手袋を愛用している森迫さんは、常に洗って清潔なものを「靴下感覚」で使用するために100円均一で販売しているものを使用。

■ポイント(5)　“ここぞ”というときのスペシャルケアは？

コンディションによって仕上げのクリームを使い分け(森迫さん)

就寝前のハンドケアの基本は、肌の汚れや角質を落とし、たっぷりと保湿し、油分のあるクリームでフタをすること。森迫さんは、シンプルな無印良品の化粧水でたっぷり補水した後、ビタミンCやEの入った顔用の美容液をオイル代わりに使用。指の関節のしわに美容液を入れ込むように塗りこみ、寝る直前にクリームを塗布。関節は硬く黒ずみやすく年齢が出やすいので、よくマッサージ。手の平よりも肌の乾きやすい指の甲側に重点的にクリームを塗布し、手袋をします。仕上げのクリームは、軽めのケアの日はニベアなどのシンプルなクリーム、手の角質の厚さやカサツキを感じたときは尿素入りのケラチナミンのクリームにするといったように切り替えて使用しているそうです。

【クレンジングと即効性にこだわり(米山さん)】

米山さんは、炭酸ガスを閉じ込めた高密度のフォームスプレーを使用して毛穴の汚れや皮脂を取り除くスペシャルケアの後に保湿クリームを塗布。顔同様に手肌の毛穴にも汚れはたまるので、クレンジングも意識したいものです。

ターンオーバー効果の期待できる尿素入りのクリームは、尿素はひじやひざの黒ずみのケアもできるので、そこにも塗りこみます。

また撮影当日にキメの整った明るい肌に整えるため、電子水の浸透力を活かしたスキンローションを活用。超微弱電流が肌に浸透し、引き締め効果も期待できる化粧水は、2、3回スプレーしてリンパの流れに沿って手をマッサージすることで、手肌がよりトーンアップするそうです。

■ポイント(6)　乾燥すると折れやすくなる爪のケアも重要

必携アイテムは、“爪自体を補修できる”爪補修液とペットボトルオープナー

「どのような撮影にも対応できるように、普段から爪を長くしていることが多くて割れやすいので、爪の内側まで補修することのできる爪補修液を使用しています」(米山さん)。

また、ペットボトルのキャップや缶のプルトップは、爪に大きな負担がかかるので絶対に素手で開けないそう。キャップにはめて開けられるペットボトルオープナーは、ハンドモデル必携アイテムの1つ。

・ディープセラム　3.3mL(爪化粧料)

2,600円(税抜) / 興和

爪の表面に塗って保護するハードナーや、爪の周囲を保湿して潤いを与えるキューティクルオイルとは異なり、爪自体に直接浸透して爪を補修する。

・参考商品

ペットボトルオープナー　129円(税抜)

製造元： 青芳製作所

サイズ： 40×68×5mm

材質　： AS樹脂、鉄(Crメッキ)

＜血行不良で起こる“手グマ”にもご用心。＞

爪の表面や爪の周りが白いと老けて見えます。また、血行が悪いことで爪の根本が黒ずむ“手グマ(指先や爪周りがピンクではない状態)”になるので、ネイルオイルを使用して指の節から指先に向けてよく揉むマッサージを行うとよいそう。「マニキュアの刷毛のようなものよりも、爪の裏側にも丁寧に塗れるチップタイプのネイルオイルを使うと、見逃しがちな爪の裏の乾燥も防げます」(森迫さん)

【米山 真央さん使用品例】

【森迫 二葉さん使用品例】