Twitterトレンド入り7回『一行怪談』がブレイク #一行怪談創作部の作品コンテストも開催中
株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 清水卓智)が、2017年7月10日に発売した『一行怪談』(吉田悠軌著/PHP文芸文庫/580円・税別)が、予想以上のペースで売れ行きを伸ばしている。発売当初は目立った動きがなかった本作だが、8月下旬、Twitterの一般ユーザーによる紹介ツイートから火がつき、一気に拡散されて「バズった」。この反響は大きく、PHP研究所では、急きょ5,000部の増刷を決定した。
■怖さと短さを追求した新感覚のショートショート
「一行怪談」とは、怖さと短さを追求した新感覚のショートショート。文庫『一行怪談』の著者であり、怪談・オカルト研究家の吉田悠軌氏は、「一行怪談凡例」を5つ挙げている。
・題名は入らない。
・文章に句点は一つ。
・詩ではなく物語である。
・物語の中でも怪談に近い。
・以上を踏まえた一続きの文章。
また、歌人の穂村弘氏は、「『一行怪談』には、普通のことは一行も書かれていない。そこにあるのは異様な出来事ばかり。にも拘わらず、決して別世界の話ではなくて、長い長い臍の緒で今ここにいる私と繋がっている。そんな風に感じるから、ついつい頁を捲ってしまう。」と、本書に寄せた解説の中で、その魅力について語っている。
■3日間で7回トレンド入り、キャンペーンへの投稿は4,200件以上
この「身近な怖さ」と「究極の短さ」との好相性にいち早く反応したのは、Twitterユーザーだった。8月26日頃から、「こういうの大好き」「(自分も一行怪談を)作ってみた」などが続々とツイートされ、以来、ハイペースな口コミで広まっている。著者の吉田氏も、8月26日にツイート。「PHP文庫の『一行怪談』、なんでかツイッターでガンガン呟かれてAmazon売れ筋の70位までなってる!別にメディアに紹介された訳でもないので、完全にツイッター効果っぽいけど、そういう草の根的なのは嬉しい感じです」(原文ママ)と、この現象への驚きと喜びをつぶやいた。
また、ブレイクの起爆剤となる“きっかけ”を模索していたPHP研究所の編集担当者は、『一行怪談』とTwitterとの親和性に注目。「140字の世界を楽しむ人たちの想像力を刺激するだけでなく、創作意欲もかきたてるはず」と考え、8月30日からTwitterキャンペーン「『一行怪談』創作コンテスト」を開催したところ、ハッシュタグ「#一行怪談創作部」は、9月3日から9月5日までの3日間で7回、トレンド入りを果たした(2017年9月5日AM9:00「Twitterトレンド速報」より)。キャンペーンへの投稿ツイートは、現在4,200件を超えている。9月29日の締切までに、投稿数はまだまだ伸びそうな勢いだ。
(詳細はこちら https://www.php.co.jp/news/2017/09/kaidan.php)
「#一行怪談創作部」の拡散とともに、Twitterでは「“お近くの本屋”になくて泣いた」「一行怪談売ってない」というつぶやきが目立ったこともあり、初版9,500部でのスタートだったが、発売一カ月で増刷となった『一行怪談』。定番人気の「怖い話」と、一行なら書けそう……と思わせる「参加している感」がマッチして盛り上がったツイッター効果を追い風にした「新しい怪談」の勢いは、夏が終わってもとまらない。
【『一行怪談』 参考資料】
■1ページに一つ、一文の物語で構成
これより先は全ての駅が通過となります、との車内放送が流れ、もう二度と山手線から降りられない。
今すぐ家から出なさい、と電話の向こうから叫ぶ母の声を聞きながら、すぐ横でテレビに笑う母を見つめている。
肝試しで入った時にはあれほど怯えていた友人から、次の日、その廃屋に引っ越したというメールが届き、朽ちた畳の上で彼が幸せそうに笑う画像が添付されていた。
※PHP文芸文庫版『一行怪談』は、とうもろこしの会より刊行された『一行怪談』(2012年)、『一行怪談(二)』(2016年)を一冊にまとめ、再編集したものです。
■著者について
吉田悠軌(よしだ ゆうき)
1980年、東京都生まれ。怪談、オカルト研究家。怪談サークル「とうもろこしの会」会長。オカルトスポット探訪マガジン『怪処』編集長。怪談の収集や国内外の怪奇スポットの探訪をライフワークとし、雑誌・WEBでの執筆やテレビ・イベント出演など精力的に活躍中。著書に『恐怖実話 怪の足跡』『怪談現場 東京23区』『怪談現場 東海道中』などがある。
■書誌情報
・タイトル:一行怪談
・著者:吉田悠軌(よしだ ゆうき)著
・定価:580円(税別)
・シリーズ:PHP文芸文庫
・仕様:文庫判並製/208ページ
・発行:PHP研究所
・発売日:2017年7月10日
以上
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