<家飲みに関する意識調査> “ビール離れ”はウソ!?… 「家飲み」でビールを飲む若年男性が7割
~服装や化粧を気にせずに飲める「家飲み」は女性にも強い味方~
国内1,200社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット(所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上 正勝)は、日用品にまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第70号として、家飲みに関する意識調査の結果をご紹介します。
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■年齢とともに増える「家飲み」
表1「あなたは『家飲み』をすることがありますか」についての回答
調査機関:インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチ
『DIMSDRIVE』実施のアンケート「家飲み」。
期間 :2017年8月2日~8月25日、DIMSDRIVEモニター3,891人が回答。
表2~表8、エピソードも同アンケートです。
飲食店や居酒屋などでお酒を飲む「外飲み」に対して、自宅でお酒を飲むことを「家飲み」や「宅飲み」と呼び、自分だけのひそかなこだわりを持ってお酒を楽しむ人が増えているようです。今回は家飲みに関してアンケートを実施。家飲みの頻度や、誰と飲むか、何をしながら飲むか、おススメのおつまみなどについてまとめました。
まずは、家飲みをするかどうかを聞きました。すると、「ほぼ毎日」22.6%、「週に2~3回」12.0%、「週1回程度」9.0%という結果に。“週1回以上”の数値を合わせると51.9%で、半数を超えました。また「お酒は飲まない」を除くと「ほぼ毎日」と答えた人が最も多く、“飲まない人は飲まない、飲む人は毎日飲む”の両極端に分かれる傾向があるようです。
男女別に見ると、男性では“週1回以上”計が60.6%であるのに対して、女性では39.2%。男性のほうが女性の約1.5倍高くなっていました。さらに「ほぼ毎日」に注目すると、男性では28.2%であるのに対し、女性ではその約半分の14.4%。男性の“家飲み率”の高さがわかります。
性年代別に見ると、男性では「ほぼ毎日」の数値が年代とともにきれいに上昇しています。女性でも、60代までは年代につれて上昇しています。一方で、「家では全く飲まない(飲食店などで飲む)」は、男性の20代で12.5%、女性の20代で10.3%と男女ともに20代で最も高く、年代が上がるにつれて低くなる傾向がありました。若い頃には友人や仕事仲間などと“外飲み”する機会が多くても、年齢に従ってそうした機会が減り、家飲みをする頻度が上がっていくのかもしれません。
■「自営業」よりも「家飲み」が多い意外な職業1位とは
表2「あなたは『家飲み』をすることがありますか」についての回答(性年代別・抜粋)
さらに、表1の結果を職業別に見ると、“週1回以上”計が最も高かったのが「会社役員・経営者」67.2%、次いで「自営業」61.1%、「定年退職」59.7%の順でした。「ほぼ毎日飲む」が最も高かったのは「定年退職」35.2%、次いで「自営業」31.5%、「会社役員・経営者」30.2%の順。順位は入れ替わっていますが、「会社役員・経営者」「自営業」「定年退職」で“家飲み率”が高いことがわかります。家にいることが多い「自営業」「定年退職」の数値が高いのは納得できますが、「会社役員・経営者」は付き合いで飲む機会も多いようなイメージがあり、“家飲み率”が高いのは意外な結果です。「会社役員・経営者」の人は、外食時に仕事の打ち合わせなどを兼ねるケースもあり、お酒を楽しむ雰囲気ではないのかもしれません。また、比較的年齢が高いと考えられ、年代につれて家飲みをする人の割合が高くなるという結果とも一致していると言えそうです。
■女性は“外飲み”では休まらない?
表3「『家飲み』をするメリットは何ですか」についての回答
次に、家飲みをする人を対象に、家飲みのメリットを聞きました(表3)。1位「自分のペースで飲める」62.8%、2位「リラックスできる」51.8%、3位「自分の好きな料理やおつまみで飲める」42.8%と続きました。“外飲み”に比べて、周囲に煩わされず、くつろいで飲めることをメリットと感じている人が多いようです。男女差に注目すると、ほとんどすべての項目で女性の数値が男性を上回りました。中でも男女差が15.1ポイントと大きかったのが、「服装やお化粧を気にしないで飲める」の項目。女性では32.8%と、ほぼ3人に1人が回答していました。女性は、お酒を飲んでいる間も、人目を意識している人が多いことがわかります。外食ではメイクや髪の乱れが気になって、おちおち酔ってもいられないのかもしれません。
■男性は“ひとり飲み”が6割
表4「『家飲み』は誰と飲むことが多いですか」についての回答
誰と何をしながら家飲みをしているのか、“家飲み事情”についてさらに聞いていきました。まず、誰と飲んでいるか(表4)。1位「ひとりで」52.9%、2位「配偶者と」40.5%が多数を占め、半数以上が家では“ひとり飲み”をしていることがわかりました。ただし男女別に見ると、男性では「ひとりで」が58.7%と6割近く、「配偶者と」が35.3%。これに対して、女性では「ひとりで」が42.4%、「配偶者と」が49.8%で、「配偶者と」飲んでいる人のほうが多くなっていました。また、女性では「子どもと」「親と」「友人と」など、「ひとりで」以外のすべての項目で男性より数値が高く、男性に比べ、誰かと一緒に家飲みを楽しむ傾向があるようです。
■「食事をしながら」より多い1位は?
表5「『家飲み』は何をしながら飲むことが多いですか」についての回答
今度は、何をしながら家飲みをしているかを尋ねました(表5)。1位は「テレビを観ながら」70.3%が圧倒的に高く、2位「食事をしながら」54.9%、3位「パソコンでネットサーフィンしながら」25.3%、4位「家族団らんをしながら」14.8%、5位「スマートフォン(携帯)をみながら」8.3%と続きました。表4の結果からも「ひとりで」家飲みをする割合が高いことがわかりましたが、やはりテレビやパソコン、スマホなどを“ひとり飲み”の共にしている人が多いと考えられます。
男女別に見ると、男女差が大きかったのは「食事をしながら」と「家族団らんをしながら」で、どちらも女性のほうが8ポイント高くなっていました。反対に、男性のほうが高く、女性との差が大きかったのが「テレビを観ながら」と「パソコンでネットサーフィンしながら」。男性は「ひとりで」、女性は配偶者や家族と家飲みをする割合が高かった結果とも一致していると言えそうです。
気になるのは、女性では「料理をしながら」が11.0%と1割を超えていたこと。「家事をしながら」も6.3%と、男性に比べ高くなっていました。専業主婦には女性が多く、料理や家事をしながらお酒を飲んでしまうこともあると思われます。“キッチンドリンカー”予備軍にならないよう、楽しみながら飲んでほしいものです。
■20代女性は「チャットやスカイプ」をしながら
表6「『家飲み』は何をしながら飲むことが多いですか」についての回答(性年代別・抜粋)
何をしながら家飲みをするか聞いた調査の結果を、さらに性年代別に調べました。すると、「食事をしながら」は、男性の50代以下で低く、女性の50代以上で高くなる傾向が見られました。70代以上になると男性でも69.5%と高く、女性では80.0%に達しました。食事と一緒にお酒を飲む、いわゆる“晩酌”の習慣が、高齢層ほど残っていることがうかがえます。
反対に、「パソコンでネットサーフィンしながら」の項目は男女ともに高齢層で低く、男性の50代以下で高くなる傾向が見られました。「スマートフォン(携帯)をみながら」は、さらに若年層の30代以下で他の年代に比べて高く、特に女性の20代・30代では「パソコンでネットサーフィンしながら」と同程度の数値でした。「チャットやスカイプをしながら」が女性の20代で6.3%と、1ケタながら、他の年代に比べて高いのも興味深い結果です。家でひとりでも、最新の機器や機能を利用することで、身近な人と一緒に飲んでいる気分を味わっているのかもしれません。
■“若者のビール離れ”はウソだった
表7「『家飲み』時に飲むお酒のジャンルを教えてください」(性年代別・16位まで)
家飲みをするとき、どんなお酒を飲んでいるかを聞きました。1位「日本産のビール」59.6%、2位「第三のビール」40.3%、3位「チューハイ・サワー」37.7%、4位「ワイン」36.4%、5位「焼酎」30.0%、6位「発泡酒」28.7%と続きました。調査期間が真夏の8月だったことも影響しているかもしれませんが、王道のビールが1位、2位を獲得しました。
男女差に注目すると、男性と女性とでは好みの違いがあるようです。最も男女差が大きいのが「焼酎」で、男性の数値が女性を20.6ポイントも上回りました。次いで差が大きい「チューハイ・サワー」では、女性が男性を18.6ポイント上回り、女性では49.6%と半数近くに。女性では、1位は「日本産のビール」で変わりませんが、2位「チューハイ・サワー」、3位「ワイン」と上位項目も異なりました。
さらに、性年代別に見ると、お酒の種類によって異なる傾向が見られました。男女差の大きかった「チューハイ・サワー」については、男女ともに、年代が低いほど高くなる傾向が。一方「焼酎」については、50代以上の男性に好まれていることがわかります。女性に人気の「ワイン」は、特に40代以上の女性で数値が高く、20代・30代では男女ともに低くなっていました。赤ワインが抗酸化作用のあるポリフェノールを含んでいるため、年齢の高い女性により支持されていると考えられそうです。
注目したいのは、「日本産のビール」「第三のビール」ともに、男性の30代で高くなっていること。さらに、サンプル数(n数)が少ないため参考値ではありますが、男性の20代では「日本産のビール」が77.3%も。昨今は“若者のビール離れ”が叫ばれていますが、若者も、家ではビールをよく飲んでいるとわかります。飲食店で飲めるビールは通常、1銘柄。これに対し、市販の缶ビールは種類が豊富で、季節限定の商品も必ずあります。選択肢の広さ、そして安さが魅力となり、飲食店ではビールを飲まない若者にも選ばれているのかもしれません。若者はけっしてビールの味が苦手なわけではないと言えそうです。
■「家飲み」のこだわりはグラスにあり!
表8「『家飲み』をする際、こだわりはありますか」についての回答
家飲みをするときのこだわりを聞きました。すると、「必ずグラスに移し替える(缶・ボトルでそのまま飲まない)」が31.7%で1位。2位「リラックスした状態で飲むことにしている」16.0%、3位「お気に入りのグラスで飲む」13.5%、4位「グラスをよく冷やして飲む」13.1%と続き、上位4項目のうち3つをグラスに関する項目が占めました。人目を気にしないで飲める家飲みだから“適当でいい”ということではなく、むしろ、自分のためのリラックスタイムだからこそ、純粋にお酒を楽しむことにこだわるのかもしれません。5位には「お酒のつまみにはこだわっている」10.0%が入り、おいしくお酒を味わうための手間は惜しまないという心理がうかがえました。
さらに、自分流の家飲みのこだわりを、具体的に自由回答で教えてもらいました。多かったのは、やはり「グラス」へのこだわり。お酒の種類によって酒器を変える、お気に入りのグラスで飲む、冷凍庫で冷やすなど温度にこだわるという声も目立ちました。つまみや料理はもちろん、照明やインテリアなど部屋の雰囲気にこだわる人、リラックスして飲むため用事はすべて済ませた“万全な態勢”で飲むという人も。中でもなるほどと思わされたのは、“家飲みこそが本当のお酒”という回答でした。代表的な声や印象的だった回答を紹介します。
《私の“家飲みのこだわり”》
【グラスにこだわる】
●お酒の種類や気分に合わせてグラスやぐい飲みを選んでいる。(男性・60代)
●ブルーの薩摩切子のワイングラスに入れて飲む。(女性・60代)
●コレクションのグラス、杯を選ぶのも「儀式」のひとつとして楽しんでいる。(男性・70代以上)
●ビール用、チューハイ用、日本酒用と、お酒によってグラスを変えている。(男性・40代)
●お気に入りのグラスを風呂前に冷凍庫で冷やし、風呂上がりにキンキンに冷えたグラスで飲む。(男性・50代)
【つまみや料理にこだわる】
●お酒に合わせておつまみを作り、合うかどうかを検証するのが好きです。(女性・40代)
●ビールにサラミとピクルス、ワインにチーズとハムが定番。それぞれの産地と種類にもこだわる。(男性・60代)
【“万全な態勢”で…】
●その日にしなければならない家事や翌日の支度をすべて終えてから飲むようにしています。(女性・50代)
●飲む前に風呂に入って、パジャマに着替え、楽ちんな格好で飲む。(女性・40代)
●帰らなくていいし、人の目も気にしなくていいので、お風呂を上がって翌日の準備をして、のんびりできるようにしてから飲みます。(女性・40代)
【飲み方、スタイルにこだわる】
●ゆっくりソファーに座って、電気を薄暗くし、好きな音楽を聴いてウイスキーを飲みます。(男性・40代)
●おいしく飲み食いするために、食器やランチョンマット、照明、家具、オーディオは好きなものを集めて至福の時間を過ごせるように心がけています。(男性・50代)
【家飲みこそ、本当のお酒の楽しみ】
●酒は基本的に家で飲むものと決めています。友人たちと飲むときや会合で飲むことは一種の社交であり、本当にお酒を味わうこととはちょっと違います。家飲みが本当のお酒です。(男性・70代以上)
■「家飲み」でおススメの簡単おつまみ集…ぜひご参考に!
《“家飲み”でおススメのおつまみ》
【チーズ系】
●いぶりがっことカマンベールとクラッカー。最強。(女性・40代)
●スモークチーズやドライフルーツで飲んでいます。(女性・20代)
●ちくわにクリームチーズとわさびを入れて食べる。(女性・50代)
【枝豆】
●湯がきたての枝豆がいい!(男性・60代)
●枝豆はゆでるのではなく、フライパンで蒸し焼きにすると、甘みが増してコクが出る。(女性・60代)
【豆腐・野菜・漬物系】
●ちょっといい豆腐にオリーブオイルやキムチなどのトッピングをする。(女性・50代)
●旬の山菜で温野菜。ポン酢やドレッシングで食べる。(男性・70代以上)
●レモンの塩漬けが気に入っている。(男性・40代)
【シンプルに】
●ちりめん山椒や紅生姜で飲むのが好き。(男性・70代以上)
●ワインのときは、チョコレート!(女性・50代)
●岩塩。単に塩をなめるだけですが、どのお酒にも合い、お酒の味わいを膨らましてくれます。(男性・40代)
家飲みをするときにおススメのおつまみを聞きました。多かったのはやはり、チーズ、枝豆、豆腐、柿の種、ナッツ類などの定番のおつまみ。たとえ定番でも、簡単なひと手間やシンプルなアレンジで楽しんでいる人が多いことがうかがえます。
ほかにも、手軽ですぐマネできそうなものが多数あったので、紹介します。
●春巻の皮に明太子を乗せてスティックにして揚げ焼きする。(女性・40代)
●シュレッドチーズをクッキングシートに薄く敷き、電子レンジで温め、少し冷えたところで食べる。パリパリでワインによく合います。(男性・50代)
●あさりの酒蒸し。あさりに料理酒をかけ塩コショウを振ってレンジでチン。楽でおいしいです。(男性・40代)
●アボカドを塩昆布とゴマ油で和えたものがおすすめ。(女性・40代)
●サッと湯がいたキャベツに粉末だしをからめてゴマ油を数滴たらして混ぜる。(女性・40代)
●山いもをすりおろし卵を混ぜて焼き上げる。かつお節を乗せてしょうゆで食べるとおいしい。(男性・70代以上)
●長いもを細切りしてあおさを振ると健康的なつまみに。(男性・50代)
●納豆とひき肉を炒めて、レタスで巻いて食べる。(男性・40代)
●料理で余った鶏皮をグリルでパリパリに焼いて、焼肉のタレで食べる。(男性・40代)
どれも簡単でおいしそうで、今夜にでも試してみたくなりますね。ぜひ参考にして、秋の夜長を家飲みで楽しんでください。
■株式会社プラネットとは
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
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