高砂福祉会、就職情報サービスのマイナビとともに リアルな職場映像を活用した 新人保育士向け研修プログラムを開発
待機児童問題へは、まず質の高い保育士の育成から!
2017.09.25 10:30
保育園を運営する、社会福祉法人 高砂福祉会(本部:千葉県流山市、理事長:篠塚 雅之)は、就職情報サービスの株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川 信行)とともに、同社オリジナルの研修手法「ムビケーション学習スタイル」をもとに、新人保育士向けの研修プログラムをあらたに共同開発しました。
<新人保育士向け研修プログラムの特長>
・実際の職場である保育園のドラマ映像と、実務作業を組み合わせたユニークな研修
・保育士が明日の仕事にすぐに生かせるオリジナルシナリオ
当面は、高砂福祉会の運営する全国の保育施設職員670名のうち、新卒社員や入社歴の短い保育士に対し、この秋から研修を順次実施予定です。
■保育園・保育士を取り巻く課題と開発背景
保育士は、子供に目を配りケアをすることに加え、日々の会議や事務仕事、イベント準備、また、保護者からの多岐にわたるニーズ対応など、幅広い対応力が求められる仕事です。上司が横についている一般企業のような環境ではなく、新人として配属されるとすぐ、自立した判断や難しい保護者対応に直面します。
昨今、待機児童問題が深刻になっていますが、保育園の数の不足だけでなく、保育士不足も深刻です。厚生労働省の2015年の調査によると、求人倍率は2倍超、離職率も1割超となっています。また、東京都福祉保健局による保育士の実態調査では、給与の改善だけでなくマルチタスクによる負担も報告されています。
子どもを預ける保護者の方々も、また子供たちも、保育士がたびたび変わると不安になります。保育園には、保育士の待遇改善の努力だけでなく、継続して長期にわたって勤務してもらえる環境を作ることが求められています。そのような中、当法人は、マイナビとともに、保育業界で初めて、新人保育士向けに研修プログラムを開発しました。
■“リアルさ”を重視したシミュレーション研修
開発にあたり、当法人が採用したのは、マイナビが開発した「ムビケーション学習スタイル」。「ムビケーション」は、研修においてあたり前だった紙によるケーススタディを、“主観カメラによるリアルな映像”で再現するという「学び方」に着目したマイナビ独自開発の学習スタイルです。これにより研修の疲労感を40%軽減させ、継続意欲を96%向上するという結果が出ています。
当法人は、マイナビとともに、自法人の保育園を舞台とした映像を活用し、新人保育士が直面する「社会人としての基本姿勢を学ぶ」と「保護からの多岐にわたるニーズ対応」について、以下2種のシナリオを開発しました。
■研修の概要
参加者は、日々の事務作業を模した課題を手元において実際に作業を進めながら、リアルな職場の映像から発令される追加課題をこなし、チームで案件を処理していきます。ニーズ対応においては映像の合間にディスカッションを挟みながら対応のポイントを学びます。
社会人としての基本姿勢を学ぶ:シナリオ(1)
先輩保育士からの依頼で夕方の会議に使う資料を準備する事になった。簡単に終わるはずだったのだが、保護者からの急な依頼への対応、園長からの会議内容変更の知らせが。ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底し、優先順位を確認して時間内に資料を準備せよ!
保護者からの多岐にわたるニーズ対応:シナリオ(2)
先輩保育士と一緒に園児のお迎え対応をしていると、保護者よりご意見を頂く。先輩保育士では対応しきることができず、園長が対応し良い関係性を築くことができた。保護者対応の基本を理解し、自分自身で対応ができるようになろう!
新人保育士に対する研修教材として、こうしたリアルな職場環境を再現するものはこれまでありませんでした。保護者の方々の保育観や保育園に求められることが多様になっている中、当法人は保育士の育成にも力を入れていきます。保育園の使命と役割をしっかりと捉えて、お子様・保護者の皆様に満足していただける保育・教育・サービスを提供していくことが大切だと考えています。
<社会福祉法人 高砂福祉会について> ( http://www.tksg.ed.jp )
1970年設立の社会福祉法人 高砂福祉会は、現在、園児数2,534人、千葉・茨城・東京・北海道に27施設の保育園を運営。子どもたちには「最善の利益」を、保護者には「安心していただける質の高い保育の提供」を目指す。社会状況の変化にともなって、保護者の方々の保育観も保育園等に求められることも多様になっており、そうしたニーズに的確・迅速にこたえるだけでなく、職員にとって働きやすい環境づくりにも力を入れている。保育業界では珍しいISO9001(品質マネジメントシステム)を導入。
<株式会社マイナビ 「ムビケーション」について> ( https://hrd.mynavi.jp/movication )
マイナビが開発した「ムビケーション学習スタイル」は、『Movie(ムービー)』『Education(エデュケーシン)』『Simulation(シミュレーション)』の3つの言葉を融合したコンセプト名で、映像とストーリーを用いて限りなくリアルに近い職場空間を再現した、独自のビジネスシミュレーション研修。研修会場を架空の職場として演出し、その職場に配属になるという位置づけで受講者は研修に参加する。現場での育成(OJT)を、教室(OFF-JT)で実現する。第6回日本HRチャレンジ大賞(2017)「人材サービス優秀賞(人材育成部門)を受賞。