国内初、水道スマートメーターとLPWA(280MHz帯)による 「工業用水自動検針」の実用化に向けた 共同フィールドトライアルの実施について

 西日本電信電話株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:村尾 和俊、以下 NTT西日本)、株式会社ミライト・テクノロジーズ(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:高畠 宏一、以下 ミライト・テクノロジーズ)、および神戸市水道局(水道事業管理者:水口 和彦)は、水道スマートメーター(※1)とLPWA(※2)(280MHz帯)を利用した工業用水における自動検針の実用化に向け、技術・業務運用検証の共同フィールドトライアル(以下、本トライアル)を実施します。

 なお、LPWA(280MHz帯)を採用し、工業用水の水道メーターとしてスマートメーターを設置・活用するのは、本トライアルが国内初の事例となります。

(※1)水道スマートメーター協議会で(1)双方向のネットワーク機能を持つ水道メーター、(2)水使用量等のデータを収集、解析し、意思決定を支援するシステム、と定義されています。

(※2)「Low Power Wide Area」の略称。IoT/M2Mに適した省電力・長距離の通信を実現する省電力広域無線通信の呼称。今回はLPWAの中でも、米国Sensus社のFlexNet(TM)(280MHz帯実験無線免許取得済)を利用。



1. 背景

 水道事業においては、設備の老朽化による更新費用の増大や職員の高齢化に伴う技術継承といった課題等があり、設備・業務の効率的運用が求められており、スマートメーターやLPWAネットワーク等IoTの活用が全国で注目を集めています。

 こうした背景の中で、2016年度に神戸市内の上水道をフィールドとした水道スマートメーターの技術検証(※3)では、無線でデータを収集するには障害物が多い環境(土中、鉄蓋中、水没環境下等)においても、280MHz帯の無線を使用することでメーター情報が良好に取得できることを確認し、回り込みや干渉に優れているという電波特性について技術的知見を得ることができました。

 一方で、工業用水においては効率的な安定供給が求められており、利用者からもリアルタイムに使用水量を把握したいというニーズがあります。また、現在、目視による使用水量の検針を行っております。

 これらを踏まえ、本トライアルでは工業用水にフィールドを移し、実験基地局を2基に増設し更なる技術検証及び業務運用への適用評価へ検証フェーズを進め、実用化に向けた共同フィールドトライアルを実施することとしました。

(※3)「280MHz帯広域無線ネットワークと水道スマートメーターを組み合わせた水道流量の遠隔収集に関する共同フィールドトライアルの実施について」(2015.7.17)

http://www.ntt-west.co.jp/news/1507/150717a.html


2. 実施内容

 神戸市内の工業用水契約企業のうち今年度に取替予定の一部の水道メーターをスマートメーターに更新し、検針から料金調定までの実運用を想定した実験を行うことで、水道事業の業務フローを検証(効果、付加価値等)するとともに、運用面で発生する課題を明確にします。

 さらに、遠隔検針システムの導入及び運用・保守に必要となる技術情報を体系的にまとめ、水道スマートメーターの本格導入をめざします。(実証実験イメージは【別紙】を参照)


3. 実施期間

 2017年10月10日から2018年3月末(予定)


4. 実施エリア

 神戸市長田区、兵庫区、中央区、灘区、東灘区の工業用水提供エリア

(スマートメーター設置箇所は本エリア内の工場等)

実証実験エリア


5. 各社の役割

 <NTT西日本>

 ・本トライアルの全体管理

 ・ネットワーク中継サーバー、アプリケーションサーバー等の提供

 ・スマートメーターを活用した際の水道業務設計支援・コンサルティング


 <ミライト・テクノロジーズ>

 ・実験試験局(280MHz帯実験免許取得済)の提供

 ・無線装置の施工・運用・保守等の技術的ノウハウの確立


 <神戸市水道局>

 ・スマートメーター、フィールドトライアル場所等の提供

 ・スマートメーターを活用した水道業務運用方法の検証


6. 今後の展開

 本トライアルによる技術・業務運用検証で得た成果をもとに、工業用水スマートメーターの事業化及び本格導入をめざします。

 さらに、本トライアルで培ったノウハウを上水道事業にも展開することで、水道事業全体のスマートメーター化に貢献してまいります。



【別紙】

https://www.atpress.ne.jp/releases/140061/att_140061_1.pdf

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