全国から集結した『恋する灯台サミット』開催! 自治体同士が広域的に連携できるプラットフォームづくりを提案
2017.11.02 18:00
日本財団(東京都港区)と一般社団法人日本ロマンチスト協会(本部:長崎県雲仙市愛野町)が共同で実施している「恋する灯台プロジェクト」において、2017年11月1日灯台記念日に「恋する灯台のまち」認定自治体関係者等が一堂に会する「恋する灯台サミット」を開催いたしました。
「恋する灯台サミット」集合写真
「恋する灯台プロジェクト」では、全国数ある灯台の中から、海とのコントラストを織りなす絶景を映しだし、海への想いやロマンを掻き立ててくれる灯台を「恋する灯台」と呼び、2016年、2017年と、全国30エリア31灯台を認定してまいりました。サミットでは、人と灯台、海と灯台の関わりについて、認定灯台のある地方自治体や観光業界などの関係者が一堂に会し、これまでにない灯台の活かし方や新たな発想について、プレゼンテーションやパネルディスカッションを開催。従来の灯台に対するイメージから大きく飛躍する灯台と共にある未来について、ディスカッションをしました。
■イベント要旨
「恋する灯台のまち」に認定された自治体の代表者が、灯台を通じて海に想いを馳せ、灯台と海、灯台と人のつながりについて考え、地域の海の魅力を観光や地域活性化につなげていく、さまざまな取組事例を紹介しました。さらに、異なる分野の専門家により、海や灯台をさまざまな視点を切り出し、これまでにはない灯台の活かし方など、灯台のポテンシャルが示されました。本イベントを通して、海上保安としての灯台という側面ではなく、灯台に携わってきた人たちの物語や歴史的建造物としての文化的価値、さらには、灯台の観光資源としての活用など、灯台と海の魅力を発掘し、知見を深めることができたイベントとなりました。来年度以降は、より自治体同士が広域的に連携し、情報や知恵、ネットワークなどの資源を共有し、さまざまな取組を連携して推進していく「恋する灯台プラットフォーム(仮称)」作りが提案されました。
■主催者挨拶(日本財団 常務理事 海野光行)
日本財団 常務理事 海野光行による主催者挨拶では、2016年より始まった「恋する灯台プロジェクト」に言及。灯台の魅力を多角的にとらえ、海の学びを深めることで、灯台がいかに活用できるのか気づくことができると指摘しました。そのうえで、「学ぶということは、模倣するということです。本日来ていただいている4人の専門家の意見や他のエリアの灯台を起点とする取り組みなど、互いの取組を真似し、学び合いましょう。来年度はより広域的な連携を組織的に行い、灯台のポテンシャルをより顕在化して、海の魅力を再発見する資源としての可能性を示していきたい」と話しました。
■恋する灯台プロジェクトについて/事例紹介(日本ロマンチスト協会 会長 波房克典)
日本ロマンチスト協会 会長 波房克典により、恋する灯台プロジェクトのコンセプトおよび期待している未来像、認定灯台の紹介、実施事業の紹介が行われました。また、「恋する灯台のまち」認定自治体の様々な取組の紹介が行われ、「海野常務の話にもあったように、連携を広げ、組織化することで、地域を盛り上げていく動きもより活発化する。来年度はこの点について積極的に取り組みたい」と話しました。
■認定自治体からのコメント
「恋する灯台のまち」認定自治体を代表して、山形県鶴岡市、愛媛県伊方町、新潟県糸魚川市の各自治体よりコメントをいただいた。
山形県鶴岡市「官民が一体となって、灯台を活用したイベントを企画中。地元の魚介の紹介や各種交流事業など、恋する灯台にちなんだ事業を活発にして地元を元気にしていきたい」
愛媛県伊方町「厳しい環境立地だが、認定されたことを活かし、灯台点灯100周年式典などを通じ、一般認知を高めていきたい」
新潟県糸魚川市「地元穴場の紹介MAPなどに取り組んでいる。今後は、デジタルミュニケ―ションの時代だからこそ、恋する灯台にポストを設置し、愛する人に手紙を出せるようにしていきたい」
<認定灯台の取組例>
山形県:鼠ヶ関灯台
「灯台パフェ」
愛媛県:佐田岬灯台
南予プレミアムダイニング2017
新潟県:能生港灯台
能生ふるさと海上花火大会 仕掛け花火
■パネルディスカッション
“灯台を通じて地域の海の魅力を発見する”という視点から、灯台を愛する対象として、空撮のロケ地として、海と恋の物語の舞台として、創造的なキャンパスとして、不動まゆうさん、秋山大志さん、小峰和樹さん、於保浩介さんをパネリストに、ディスカッションが行われました。地域の海の魅力をさまざまな人に伝え、多くの人たちが訪れ、海に想いを馳せる場所にしていくため、灯台とドローン、婚活企画、プロジェクションマッピングといった、これまでにはない視点と切り口から、灯台と海の魅力について議論が行われました。最後に、認定自治体同士が広域的に連携し、情報や知恵、ネットワークを共有するための「恋する灯台プラットフォーム(仮称)」の形成が提案された。
<パネリストプロフィール>
・不動まゆう
東京生まれ。灯台の魅力を多くの人に知ってもらうため、2014年から自費で灯台のフリーペーパー『灯台どうだい?』を年に4回のペースで発行。新聞、テレビ、ラジオ等で「灯台」や「フレネルレンズ」の文化的価値を訴え、100年後の海にも美しい灯台とレンズを残すことを目指してアピールを続けている。灯台愛好会ライトハウスラバーズに所属し、毎年「灯台フォーラム」を企画・開催。公益社団法人燈光会一般会員
・秋山大志
ドローン黎明期からドローンの社会的意義を考え、中山間地域等での活用を検討している。
一般社団法人社会創発塾関連団体の任意団体なんもく大学にて、日本で最も高齢化が進む群馬県南牧村にて、ドローンを活用した村の活性化や諸問題解決を推進。日本ドローンコンソーシアム会員。第一回全日本クアッドコプター選手権3位。
・小峰和樹
株式会社Dear&Co.取締役。結婚相談所「Bright for Men」、草食男子撲滅宣言「男磨きのメンズサロン」を運営し、恋活・婚活・街コン会社6社をプロデュースしている。全国47都道府県で月間1,000回の恋活・婚活・街コンイベントを開催しており、「定住・移住向け自治体婚活イベント」のプロデュースも手がける。
・於保浩介
東京と仙台、ロンドンに拠点を置くビジュアルデザインスタジオ「WOW」のチーフ・クリエイティブ・ディレクター。CMやVIといった広告における多様な映像表現から、さまざまな展示スペースにおけるインスタレーション映像、メーカーと共同で開発するユーザーインターフェイスのデザインまで、既存のメディアやカテゴリーにとらわれない、幅広いデザインワークを展開。プロジェクションマッピングを使ったインスタレーション作品の評価も高い。
■「恋する灯台プロジェクト」とは
風光明媚な全国の灯台を“ロマンスの聖地”として再価値化することで、海に想いを馳せる人を増やし、灯台を巡ることを目的に海に訪れる人を増やそうというコンセプトののもと日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として実施するプロジェクトです。
■日本財団「海と日本プロジェクト」とは
海と日本プロジェクトは日本財団の旗振りのもと、オールジャパンで推進するプロジェクトです。私たちを支えてくれる海の現状を伝え海を未来へつないでいくためのアクションを日本全国に広げていくものです。