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<自転車の安全利用促進委員会レポート> 自転車事故件数全国1位の大阪府で、 事故防止のため140名の教職員が参加  大阪府教育庁主催 交通安全教室に 自転車ジャーナリスト遠藤 まさ子氏が登壇

~自転車通学指導のポイントは周りを巻き込み 指導時期に沿った内容を実施すること!~

自転車のルール・マナー等の正しい利用方法と、メンテナンスの重要性を啓発する「自転車の安全利用促進委員会」のメンバーである遠藤まさ子氏が、2017年10月31日(火)大阪国際交流センターで行われた大阪府教育庁主催「学校安全教室推進事業 交通安全教室」に登壇し、自転車通学指導についての講演を行いましたので、ご報告いたします。


講演の様子(全景)


他の世代に比べて、中高生に多い自転車事故。さらに、中高生が関わった事故の約7割は法令違反が原因だったことも明らかになっています。自転車は車と同じ「乗り物」であるため、自動車免許取得時のような本格的な交通ルールを学ぶ機会が少ない中高生には、学校で行われる講習の一層の充実が必要です。

しかし、当委員会が全国の中学校・高等学校約500校を対象に行った調査では、教職員の多くは「教育する頻度を増やし、きちんと教育したい」という高い意識を持ちながらも、「知識や人手が足りない」 「どんな教育をすればいいかわからない」などといった悩みを抱えていることが浮き彫りになっています。そういった教職員の声をもとに、自転車の安全利用促進委員会では、自転車通学指導を積極的に実施している学校や地域へヒアリングを行い、自転車に乗るうえでの基本的なマナーや、事故事例・傾向とともに共有する「自転車通学指導セミナー」を全国で行っています。


今回は、大阪府内の幼稚園~高等学校の教職員140名が参加した大阪府教育庁主催の「学校安全教室推進事業 交通安全教室」の中で、自転車通学指導について講演。「大阪府内の自転車事故件数は減っているものの、自転車相互事故・対歩行者事故件数は増えている現状」や、「全国の事例をもとにした具体的な自転車通学指導」について、教職員視点に立った“学校で導入しやすい”指導方法を自転車の安全利用促進委員会メンバーの遠藤氏が解説いたしました。


遠藤氏は、「通学自転車事故の起きやすい時期を把握したうえで、そのタイミングにあった指導を行うことが重要です。例えば、春時期には自転車通学への慣れや気のゆるみによる油断、不注意で事故が増加しますが、この時期には基本的なマナーの徹底、通学路の危険地点の把握・再認識が有効。また、秋時期には日の入りが早くなり通学路が暗くなることから視界の悪さや不注意等で事故が増加するため、ライトやリフレクタ(反射板)の点検など、しっかりとしたメンテナンスが大切です。さらに、製品の安全基準をクリアしたBAAマーク貼付自転車を推奨するなどハード面の指導も欠かせません。地域や警察など周りを巻き込みながら、継続的に実施することが大切であることを覚えていただきたいです。」と、大阪府内から集まった教職員を前にコメントしました。



【参加者の声】

■他校の事例をもとに、点検の重要性などを再確認することができた。特に定期点検に関しては自身の認識の甘さを感じた。

■写真を多用して事例を説明していたため、理解しやすく、指導のイメージが持ちやすかった。また、メンテナンスについて、初めて考えるきっかけになった。



【講演内容:全国の事例から見る、自転車通学指導のススメ】

登壇者:遠藤 まさ子氏(自転車ジャーナリスト)


講演では当委員会が実施した調査をもとに、中高生の事故の大半が自身の法令違反が原因となっている(中学生の72.0%、高校生の68.9%)という現状や、大阪府の自転車事故の現状について解説しました。

全国の通学指導事例についての紹介では、通学時に自転車事故が起きやすいタイミング(5・6月および10月)に合わせ、5・6月の新学期のタイミングは、交通安全の基礎的な知識をつけることが重要であるため、府警などが提供する“交通安全テスト”を利用することで、指導の負担も減らしながらも効果的であると勧めました。また、生徒と共に通学路の危険地帯を見直す授業や、自転車免許制度の導入などの事例を解説し、事故を未然に防ぐことがポイントであると語りました。また、事故が起きやすい10月の秋の時期は、本格的に暗くなる時期へ向けて、ライトがしっかり点灯するか、ブレーキがしっかり効くかなどの自転車の安全点検の必要性を訴えました。2016年に当委員会が実施した調査では定期メンテナンスを奨励している学校が28.6%にとどまっている現状をふまえ、メンテナンスをすることで防げる事故についてや、一般社団法人自転車協会が設けた「自転車安全基準」をクリアしたことを表すBAAマークを自転車購入の際の参考にすると安心であることなども紹介しました。



<参考データ>

【危険行為の62%は安全運転義務違反】


【調査した中学、高校の半数以上で生徒が自転車事故を起こしている!!】


【“BAAマーク”とは】


【ブレーキ性能比較実験】



【遠藤 まさ子(えんどう・まさこ)】

自転車ジャーナリスト。自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い、各誌に寄稿している。テレビ・新聞・雑誌などの各種メディアでコメンテーターとして登場する機会も多い。

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