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芝浦工業大学と東日製作所が共同で ねじ締付け後のゆるみ点検ができる次世代工具 「軸力計測レンチ」を開発

~ 数値で確認でき、機械や建物などさまざまな保守場面で活用可能 ~

2017.11.07 11:30

芝浦工業大学(東京都港区/学長 村上雅人)機械機能工学科の橋村真治教授は、株式会社東日製作所(東京都大田区/代表取締役社長 辻修)と共同で「軸力計測レンチ(製品名JIXY)」を開発し、10月27日~11月5日に開催された東京モーターショー2017でプロトタイプを発表しました。



東京モーターショー2017での参考出品の様子1



ボルト・ナットなど、ねじにより締付けた後の締り具合をチェックするのは、ハンマーによる打音検査がよく行われていますが、打音検査では具体的な締り具合を示す締付け力を検出することはできませんでした。本製品は、これを明確な数値で確認でき、疲労破壊に繋がるねじのゆるみを検知できます。加えて、ヘッド部分の交換でさまざまな径のボルトに対応できるほか、押さえボルトにも専用ワッシャをあらかじめ使用することで締付け力の計測が可能となるなど、機械や建物の保守点検で汎用性の高い活用が見込めます。



■ポイント

(1) これまで困難だった「締付け後」のねじのゆるみ確認を、計測できるようになった

(2) 市販のボルトに使用でき、あらかじめ校正なども行う必要もなく、軸力の計測が可能である

(3) 自動車や鉄道、飛行機といった輸送機器のほか、建築物などさまざまなメンテナンス場面での活用が見込まれる


東京モーターショー2017での参考出品の様子



■製品情報

【製品名】JIXY

※ 価格、サイズ、重量、発売日などはプロトタイプ製作段階のため、未定



■研究背景

ボルトやねじのゆるみ、ゆるみによる疲労破壊を防止するには、決まった力で締付け、その状態を維持することが重要です。一方で、すでに締付けた後のボルトやねじにゆるみが発生していないかを、数値(締付け力)として確認する方法はなく、数値ではなく経験で判断するハンマーを使った打音検査しかありませんでした。



■製品の特徴

今回開発した軸力計測レンチは、事前に計測や校正の必要がなく、締付け後にどの程度の力でボルトやねじが締まっているか数値で確認できます。さらに、先端部分を交換することでさまざまな径のボルトやねじに対応できるため、今後自動車や鉄道、航空機といった乗り物や機械のほか、建築物の保守など幅広いメンテナンス場面での活用が期待されます。



■ゆるみの計測方法

ねじを固定するナットの上面を軸力計測レンチの外周部が押さえ、飛び出たボルトやねじの先端部を軸力計測レンチ内部に設けられためねじで引っ張ることで、締付け軸力を計測します。ボルト先端部を引っ張る力Pを縦軸、ボルト先端部の変位(延び)δを横軸にグラフを作成する(図1)と、ある点からグラフの傾きが変わります。この瞬間のP値がねじの締付け軸力と同等になります。


【図1】ボルト先端を引っ張る力Pが、締付け軸力Fと同じになった瞬間に、グラフの傾きが変わる(Process1のように、最初はFの方がPより大きいため、ボルトのおねじとナットのめねじは接触しているが、F=Pになった瞬間、Process2のようにおねじとめねじが離れるため)

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