Anholt-GfK 国家ブランド指数 2017年の結果を発表
ドイツが首位に浮上
【概要】
・フランスが初めて2位を獲得。日本も4位へ浮上
・アメリカ合衆国は唯一、NBISM総合スコアが前年から低下
・首位となったドイツは、「統治」、「人々」、「文化」分野で上昇
GfKは、Anholt-GfK 国家ブランド指数 (NBISM) 2017年調査の結果を発表しました。当調査は、世界50カ国のブランド力を測定したもので、詳細な国家ブランディング調査としては世界最大規模です。
2017年の結果をみると、前年1位であったアメリカ合衆国が6位に低下し、ドイツが首位、フランスが初めて2位になるという大きな変化がみられました。また、日本は前年の7位からカナダと同率の4位に浮上しました。
◇アメリカ合衆国
アメリカ合衆国は、調査対象50カ国で唯一、NBI総合スコアが低下した国となりました。NBIの6分野の内、「文化」、「輸出」では2位、「移住・投資」では5位に入りましたが、「統治」が19位から23位へ低下しました。
当国家ブランド指数調査を2005年に考案したサイモン アンホルト教授は次のように述べています。「アメリカ合衆国における“統治”分野の順位低下は、 “アメリカ・ファースト”という大統領の政策メッセージに代表されるような“トランプ効果”によるところが大きいとみられる。しかしながらアメリカ人の自国に対する評価は前年と比べると非常にポジティブになっている。今回と同じようなアメリカ合衆国に対するグローバル評価の下落は、ジョージ・W・ブッシュ氏の再選時にもみられた。なお、当時のアメリカ合衆国の順位は7位であった。ただし、アメリカ合衆国が続けて何年も上位から外れたことはこれまでない。2018年にどのような復活を遂げるのかは興味深いところだ。」
◇ドイツ
1位となったドイツは、6分野でバランスの取れた結果となりました。前年から特にスコアが伸びた分野は「文化」(+1.07)、「統治」(+1.28)、「人々」(+1.34)でした。なお、ドイツのNBI総合スコアの上昇は、エジプト(+5.92)を筆頭に、ロシア(+2.26)、中国(+2.17)、イタリア(+2.06)におけるイメージ向上に支えられました。こうした一方で、アメリカ合衆国におけるドイツのNBI総合スコアは11位と低いものでした。
◇イギリス
3位となったイギリスは、ブレグジット投票直後でスコアが低下した2016年から回復傾向にあり、2017年のNBI総合スコアは2015年水準に近づきました。分野別にみると、「輸出」、「文化」、「観光」、「移住・投資」ではトップ5に入りました。また、「統治」や「人々」でもスコアは上昇しました。イギリスのEU離脱が多くの国で受け止められた結果、評価が落ち着いたと考えられます。
◇フランス
フランスは前年の5位から浮上し、本調査開始後初めての2位となりました。フランスのスコアは6分野全てで上昇しており、「文化」では1位、「観光」では2位、「輸出」では5位を獲得しました。
◇日本
2011年以来初のトップ5に入った日本のNBI総合スコアは、10年近くでもっとも高くなりました。分野別では「輸出」で1位を獲得。また、トップ5には入らなかったものの、「観光」、「人々」、「移住・投資」も昨年から順位が上昇しました。
GfKのパブリックアフェアーズ&コンサルティング部門のシニア・バイスプレジデントであるバディム ボロスは次のように述べています。「Anholt-GfK国家ブランド指数(NBISM)は、現在のイメージ、推進力、潜在力という観点から各国の立ち位置を示しています。国家ブランドに対するグローバル認知を変えることは、容易ではなく、速度も緩やかです。しかしながら、マイナス要因を理解したり、前向きなコミュニケーションをしたりすることによって、偏った古い認知を変えることができます。」
Anholt-GfK 国家ブランド指数 (NBISM) の詳細はnation-brands.gfk.comをご覧ください。
・Anholt-GfK 国家ブランド指数 (NBISM )2017年調査について
輸出、統治、文化、人々、観光、移住・投資の6分野における以下50カ国に対するイメージを調査。2017年は18歳以上の20,185人を対象に20カ国をパネルにして、インターネット調査を実施した。各国のオンライン人口の属性(性別、年齢、教育)にあわせウェイトバックを実施。また、アメリカ合衆国、イギリス、南アフリカ、インド、ブラジルでは人種・民族を考慮した。調査実施期間は2017年7月7日~25日。
調査対象国:
【北米】アメリカ合衆国、 カナダ
【西ヨーロッパ】オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、 ドイツ、ギリシャ、オランダ、アイルランド、イタリア、北アイルランド、ノルウェー、スコットランド、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス
【中央・東ヨーロッパ】ロシア、ポーランド、チェコ共和国、ハンガリー、トルコ、ウクライナ
【アジア・パシフィック】オーストラリア、中国、インド、インドネシア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、タイ
ラテンアメリカ: アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、メキシコ、ペルー
【中東/アフリカ】ボツワナ、エジプト、ケニア、ナイジェリア、カタール、サウジアラビア、南アフリカ、アラブ首長国連邦
※2017年調査ではノルウェー、ウクライナ、ボツワナが新しく対象国に加わり、キューバ、イラン、カザフスタンが対象から外れた。
※中国の回答者に関しては、自国以外の49カ国について尋ねた。
・サイモン アンホルトについて
国家のイメージとアイデンティティーにおける世界を代表する権威として知られる。英国政府のパブリック・ディプロマシー ボードの副議長を務めた。また、50カ国超との首脳外交の政策アドバイザーとして従事する。2005年に国家ブランド指数と都市ブランド指数のコンセプトを開発した。
GfKについて
GfKはクライアントがより良い意思決定を下せるよう、市場や消費者に関する信頼できる情報を提供しています。13,000名超の情熱を持ったマーケットエキスパートがデータサイエンス分野における長年の実績をもとに、価値あるグローバルインサイトと100カ国以上のローカルマーケットインテリジェンスを提供します。GfKは革新的なテクノロジーとデータサイエンスを活用してビックデータをスマートデータに変えます。そして、クライアントが競争力を高め、消費者の体験や選択を豊かにできるよう支援します。
本プレスリリースのURL:
http://www.gfk.com/jp/insights/press-release/1750anholt/
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