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アジア圏作品初の快挙! 『13・67』(陳浩基著・天野健太郎訳/文藝春秋) 「週刊文春ミステリーベスト10」& 「本格ミステリ・ベスト10」第1位の2冠達成!

12月7日作品ガイドブック『陳浩基「13・67」の魅力とは』 を電子書籍で無料配信

2017.12.07 08:00

華文(中国語)ミステリー最大の話題作『13・67』(陳浩基著・天野健太郎訳)が年末恒例の「週刊文春ミステリーベスト10」と「本格ミステリ・ベスト10」の海外篇で第1位になりました。

 1977年に始まった「週刊文春ミステリーベスト10」では、これまでアジア圏の作品がベストテンにランクインしたことはなく、41年目にして初のランクインで第1位という快挙です。


『13・67』は2014年に台湾の出版社から刊行された当初から大きな評判を呼

びました。台湾・香港で3つの文学賞に輝き、世界12カ国で翻訳が進められ、香港の巨匠ウォン・カーウァイが映画化権を取得しています。


その群を抜いた推理力から「天眼」と呼ばれた香港警察きっての名刑事クワンと愛弟子のロー。

クワンはローに、警察官の本分は市民の命と安全を守ることと説き、時には我が身の危険も顧みず、違法すれすれの捜査をもいとわなかった。

雨傘革命前夜の2013年から左派(親中国側)による反英暴動が勃発した1967年へ、逆年代記(リバースクロノロジー)で語られる名刑事の事件簿から垣間見える香港現代史の光と闇――。

真の意味で本格ミステリーと社会派ミステリーの融合を実現させた、稀有な傑作です。


著者の陳浩基さんは2011年に『世界を売った男』(小社刊/電子版あり)で第2回島田荘司推理小説賞(台湾で催されている、中国語で書かれたミステリーの新人賞)を受賞するなど日本との縁が深く、その創作の源流は日本ミステリーにあります。

日本のミステリーファンにぜひともお読みいただきたい究極の1冊です。


また、作品の冒頭を抜粋した試し読み版や著者インタビュー、書評などを収録した作品ガイドブック『陳浩基「13・67」の魅力とは』を無料配信いたします。

http://books.bunshun.jp/ud/book/num/1692046100000000000F



陳浩基さんのコメント(週刊文春12月14日号より転載)

『今回の嬉しい知らせをいただいた時、私はシンガポール・ライターズ・フェスティバルに参加していました。その日はイギリスや地元シンガポールの著名なミステリー作家たちと、アジアとヨーロッパにおけるミステリーの作風の違いをテーマにディスカッションを行いました。

仮に英国をヨーロッパにおけるミステリーの中心地とすれば、アジアの中心は日本ということになるでしょう。『シャーロック・ホームズの冒険』をきっかけにミステリーファンとなった私ですが、ミステリーを学ぶお手本とする対象は日本の諸作品でした。

今日、私たちは翻訳を通じて様々な国の優れた作品を読み、イギリスや日本といった「先進国」の先達たちがあみだした創作技法を吸収することができます。拙作が日本語に翻訳され、日本の読者に読まれることは望外の喜びです。

 皆さん、香港発の華文ミステリーを手に取っていただき本当にありがとうございます。』



陳浩基さんプロフィール

【陳浩基(ちん こうき)】

1975年生まれ。2009年、「藍鬍子的密室(青髭公の密室)」で台湾推理作家協会賞を受賞。2011年、『遺忘・刑警』(邦題『世界を売った男』)で島田荘司推理小説賞を受賞。2014年、『13・67』を刊行し大きな話題を呼ぶ。2017年7月には新作長篇『網内人』が刊行された。



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