若者の交際キーワードから読み解く「若者のクリスマス離れ」の原因
―『R&D CORE(生活者総合ライフスタイル調査システム)』より―
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント(所在地:東京都新宿区、代表取締役:松田 武久)は、首都圏在住の18~79歳の男女3,000人を対象に実施した自主調査を用い、「若者のクリスマス離れ」について分析を行いました。
年々盛り上がりをみせるハロウィンに対し、近年、「若者のクリスマス離れ」が取りざたされ、クリスマスの勢いが弱まりつつあるそうです。若者たちのクリスマスへの関心が弱まっているのはなぜなのか。その要因について考えてみました。
調査結果
・18~24歳の若者は、生活の意識として「自分だけの時間や空間を大事にしたい」が男女ともに6割を超え、他世代と比較して相対的に高い傾向にある。一方で、「色々な人達と積極的につきあい、つきあいの輪をどんどん広げたい」意識もあり、人とのつながりを大事にしたい意識もうかがえる。(図1)
・18~24歳はスマートフォンで多様なネットサービスを利用しているが、「SNS」「無料通話サービス」「動画投稿配信サイト」といった≪つながる≫≪共有する≫サービスの利用率が高い。
・情報関連の意識態度でも、「個人ネットワークの充実に努めている」「どこでも連絡や情報を受け取りたい」が約半数で、全体と比較して約20pt上回る。一方、他世代と比較して、「常時情報が送られてくるのは煩わしい」が相対的に低く、「いつでも誰かとつながっていないと不安を感じる」が相対的に高い傾向にあることからも、デジタル社会の中での人とのつながり意識も強く現れている。(図2)
・どこでも情報を受け取りたい&いつでも誰かとつながっていないと不安な層は、「自分のスタイルが仲間から浮かないよう気を配る」「同性からどのように見られているか気になる」「友達に褒められる装いをしたい」がいずれも高めで、他者との同調や共感を意識している傾向がうかがえる。
R&D 生活者インサイト
以上のように、18~24歳の若者について生活をする上での意識や行動を整理すると、
◇自分だけの時間や空間は大事だが、独りになりたいわけではない
自分一人の時間や空間を大事にしたい意識が高い一方、人とのつきあいについても意欲的である。
◇「ライトで広いつながり」をベースにした若者の交流
思春期あたりからスマートフォンが登場したことで、他の世代に比べ情報スキルも高く、且つ収集量も多い。加えてSNSの浸透が急速に進んだことで直接の知り合いでなくても趣味や嗜好などの共通点を通して広く、ライトに、気軽につながれる交流が増えてきている。
これまで「人との交流=特定の人と深く」というイメージだったものが上述のようなものへと変わってきていると思われる。
◇18~24歳の若者の交際のキーワードは「共感」?「同調」?
スマートフォンでいつでも、どこでも、誰とでもつながれる時代だからこそ、逆につながっていないことへの不安を感じる傾向が見受けられる。また、他者からの評価を意識し、他者に「いいね」をしてもらえないことに対する不安感を持つ者が多い傾向にある。生活には「自由さ」を求めているが、仲間同士の和を乱すことなく無難に楽しく過ごすことに重きをおいており、他者から非難を受けない許容範囲内での「自由」「自分らしさ」「楽しさ」を実践しているようにも感じられる。
◇若者に響くハロウィン/下降気味のクリスマス
当初の問題提起である、イベントの盛り上がりに明暗分かれる件については、18~24 歳の若者のそれぞれのイベントに対するイメージ(定義)として考えると、以下のような特徴として整理される。
・ハロウィン= その場にいる同じ目的の人とライトなつながりで楽しむ
≪場のイベント≫ に対し、
・クリスマス= 特定の親密な人と過ごして関係を深める
≪関係性のイベント≫ と分けられる。
現在の若者のつきあいの感覚からはクリスマスは遠く、逆に、その感覚に親和性のあるハロウィンの普及が本格化しつつあると考えられる。
調査結果 グラフ(一部抜粋)
調査結果の詳細は、無料ダウンロードレポート『若者のクリスマス離れは何が原因?』をご覧ください。
本リリースで取り上げた結果以外に、以下の内容を掲載しております。ぜひこちらもご覧ください。
(弊社ホームページよりダウンロードいただけます)
●生活に求めるイメージ
●友達(恋人)と過ごす時間を増やしたい意識
●自分ひとりで過ごす時間を増やしたい意識
●スマートフォンの所有率、利用しているサービス
●同性からどのように見られているか気になる意識
●自分のスタイルが仲間から浮かないよう気を配る意識
●友達にほめられる装いをしたい意識
今回、発表致しましたデータを含むR&D CORE(生活者総合ライフスタイル調査システム)2017単年の集計表を100,000円(税別)にて販売しております。(18~79才まで性年代別等基本分析軸での集計表アウトプット)
R&D CORE(生活者総合ライフスタイル調査システム)を利用した調査・分析:課題の洗い出しから分析アウトプットまで、R&Dスタッフがお手伝いします。
詳細は弊社ホームページ http://www.rad.co.jp/ をご覧ください。
CORE 2017 調査概要
調査名: CORE2017 マスター調査
調査地域: 首都圏40km圏(調査地点 200地点)
調査対象: 18~79歳男女個人
サンプル数: 有効回収 3000サンプル (人口構成比に合わせて、性×年代別を割付)
サンプリング手法: 住宅地図を用いたエリアサンプリングで抽出
調査手法: 訪問・郵送併用の自記入式留置調査
調査実施時期: 2016年10月(毎年1回10月実施)
※『CORE』は、株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントの登録商標です。
※1982年から約30年、生活者理解のために毎年実施している自主調査です。
会社概要
会社名: 株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント
所在地: 〒163-1424 東京都新宿区西新宿3-20-2
代表者: 代表取締役社長 松田 武久
資本金: 30,000千円
設立 : 1968年1月17日
事業内容:マーケティング・リサーチの企画設計、実施及びコンサルテーション/経営・マーケティング活動の評価及びコンサルテーション
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