いまネット上で話題沸騰の平田篤胤「仙境異聞」を 下じきにした小説を緊急電子化! 坂東眞砂子『天狗小僧魔境異聞』&『貌孕み』
4月20日(金)配信開始 天狗の千里眼がえぐりだす、現代人の業と病理とは?
2018.04.20 12:00
文藝春秋電子書籍編集部では、4月20日(金)より坂東眞砂子さんの『天狗小僧魔境異聞 太祖墓陵』(電子書籍オリジナル)と『貌孕み』(文春文庫)を配信いたします。
いまTwitter上で『仙境異聞・勝五郎再生聞書』平田篤胤著・子安宣邦校注(岩波文庫)という本が話題になり、版元が緊急重版するなど盛り上がっています。
「仙境異聞」は江戸時代後期の有名な国学者・平田篤胤が、天狗にさらわれて異界を旅してこの世に戻ってきたという寅吉少年の話を聞き書きした異色の証言録です。
この「仙境異聞」を下じきにした、恐らく唯一の小説が坂東眞砂子さんの『天狗小僧魔境異聞』(文庫化にあたって『貌孕み』に改題)です。
幼い頃、天狗にさらわれ仙境で暮らした童子・天狗小僧寅吉こと嘉津間。
平田篤胤は嘉津間の話をまとめて「仙境異聞」を著したが、やがて嘉津間は忽然と姿を消した。15年後、嘉津間は再び篤胤の前に現れ、時空を超えた旅の中で見た、人間たちの深き業が渦巻く魔境の有様を語り始める――。
平田篤胤の「仙境異聞」に材を取り、現在の人間社会をあえて“魔境”と捉えた、坂東眞砂子ならではの超異色ホラー作品です。
「仙境異聞」を読まれた方にはその応用篇として、まだ読んでいない方には入門篇として、ぜひご一読いただきたいと存じます。
今回は短篇集の冒頭の一篇を独立させ、単行本時のタイトルに再変更した電子版オリジナルの『天狗小僧魔境異聞 太祖墓陵』と、文庫化に当たってタイトルを変更した短篇集『貌孕み』を同時に配信いたします。
『【文春e-Books】天狗小僧魔境異聞 太祖墓陵』
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/1692053700000000000X
収録作「太祖墓陵」:師から「魔境を見てこい」と命じられてた嘉津間は、空を飛び遠く唐土(もろこし=今の中国)へ。秦の始皇帝の墓陵の近くで、人語を話す土器のかけらと遭遇する。土器は人型の俑の顔部分で、元は暁民という男だった。暁民は偶然、墓陵の地下にある兵士用を発見し、一躍有名人となり財を成すのだが――。
『【文春文庫】貌孕み』
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/1675840400000000000X
表題作「貌孕み」:妻と娘の3人で暮らすマイホーム。幸せを手にしたかに思えた俊男だが、いつしか希望は失われ……。そんな時、妻の静佳の顔が変わっていることに気づく。整形を繰り返す静佳は、若い頃に捨てた女・あゆみとそっくりに!?
〔収録作〕「太祖墓陵」「猫女」「童翁」「鬼母神」「火札」「貌孕み」「妖魔」
〔著者紹介〕
坂東眞砂子(ばんどう・まさこ)
1958年、高知県生まれ。奈良女子大学住居学科卒業後、イタリアに2年間留学しインテリアデザインを学ぶ。帰国後フリーライターとして働きつつ童話を発表、82年に第7回毎日童話新人賞優秀賞を受賞。96年、『桜雨』で第3回島清恋愛文学賞受賞。97年、『山妣』で第116回直木賞受賞。2002年、『曼荼羅道』で第15回柴田錬三郎賞を受賞。2014年1月逝去。
〔書誌情報〕
書名:『【文春e-Books】天狗小僧魔境異聞 太祖墓陵』
著者:坂東眞砂子
価格:300円(*電子書店によって異なる場合があります)
配信開始日:4月20日(金)
書名:『貌孕み』
著者:坂東眞砂子
価格:700円(*電子書店によって異なる場合があります)
配信開始日:4月20日(金)
*取扱電子書店はAmazon Kindleストア、iBooks、楽天Kobo、Reader Store、紀伊國屋書店Kinoppy、honto、BookLive!、他主要電子書店
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