美大生30名×表具師が織りなす“掛軸文化”の作品展 東京・八重洲にて『掛軸と絵画のミライ展』6/19~24開催
江戸表具研究会「表粋会」(代表・稲崎昌仁)は、東京周辺の6つの美術系大学の学生ら30名と協働し、掛軸文化の未来を切り拓くための作品展『掛軸と絵画のミライ展』を2018年6月19日(火)~6月24日(日)の期間、田中八重洲画廊(東京都中央区八重洲)にて開催いたします。
本作品展において、学生らは「掛軸にするための絵」というテーマで新作を制作し、それを伝統技法の継承を志す当会所属の表具師が掛軸に仕立て、展示・販売をいたします。
■本展のみどころ
<6つの美術系大学の意欲的な学生たちによる〈掛軸のための新作絵画〉が揃う、これまでにない企画>
基本的には自由参加の企画に応募した学生たち。大半は自作品を掛軸に仕立てた経験がなく、新たな可能性を感じて集まりました。普段制作している額絵とは違い、掛軸として巻くために必要な、薄く柔軟かつ強い絵具層という条件のもとで、「表装を施される」ことを意識しての表現に挑戦した作品です。
日本画専攻の学部生に加え、院生・助手・教授も参加。また、日本画専攻のない大学からは現代美術も出品され、多種多様かつ意欲的な新作が揃います。
<伝統技術を受け継ぐ表具師・経師が掛軸のミライのために>
「手漉き和紙」「正麩糊」を使った伝統の表装技術を研鑽する「表粋会」。会員は30~50歳代が中心で、これからの業界を担う熱意あるメンバー。現在・未来のために何をするべきか、真剣に考えての企画です。
いま最も新しい絵画を現代の感性をもって表装するため、作家との打ち合わせの場を設け、作品への理解を深めて意匠を決定。床の間を離れ、現代の空間に展示することを意識した掛軸に仕上げます。
■企画趣旨
掛軸とそれを仕立てる表具師・経師は、日本の絵画・書の制作と鑑賞を支えながら、ともに長い歴史を歩んでまいりました。しかし現在、和室や床の間は減少し、一般市民が掛軸をかけることも、ひいては日常生活のなかで書画をたのしむ文化も衰退しつつあるように感じられます。
一方で日本画界においても、近現代はより自由な描法や大きな画面を求めて、掛軸から額・パネルへと表現の場が移りました。掛軸を選択肢とすることさえほとんどなくなっていると聞きます。
これらの時代の変化は表具師・経師にとって、多様な技術や知識の継承を困難なものとし、同時代の美術への関心を希薄にしてしまっているのも実情です。また、日本の絵画において数百年のあいだ培われた、掛軸という形ならではの技法・表現も過去のものになってしまうとしたら、残念なことに思えます。
このような現状のなかで今回の作品展を企画いたしました。
学生の皆様には、上記のような状況を理解してもらいつつ、現代の感性をもって現代の掛軸画に取り組んでいただきました。表具師においても感覚を磨き、床の間の伝統に縛られない、時代に適合した掛軸を仕立てるよう心を砕きました。
これからの数百年につなげられるような掛軸の在り方を提示することにより、美術界・表装業界はもとより、広く一般市民の皆様に、掛軸という存在・可能性を考えていただく契機となることを願っています。
■概要
展覧会名 :江戸表具研究会「表粋会」二十周年特別企画
『掛軸と絵画のミライ展』
~美大生・表具師による軸装の可能性~
会期 :2018年6月19日(火)~6月24日(日)
開場時間 :10:30~19:00、最終日は18:30まで
会場 :田中八重洲画廊(東京都中央区八重洲1-5-15)
出品点数 :30点
主催・掛軸製作:江戸表具研究会「表粋会」
後援 :一般社団法人東京表具経師内装文化協会
協賛 :一般財団法人 世界紙文化遺産支援財団 紙守
協力 :株式会社マスミ東京
問合せ先 :表粋会幹事長・石塚利郎
Email: toshibun@tc4.so-net.ne.jp
電話 : 090-7170-7135
<絵画出品者の所属大学>
女子美術大学 3名、多摩美術大学 7名、東京藝術大学 6名、東京造形大学 11名、武蔵野美術大学 2名、横浜美術大学 1名(50音順、出品者には学部生・院生・卒業生・助手・教授等も含まれます)
■その他
<作品販売>
本展に出品される作品は販売をいたします。価格等詳細については会期中会場においてご提示いたします。
<クラウドファンディング>
クラウドファンディングを利用し、本企画の趣旨にご賛同・ご支援いただけるかたを広く募ります。支援者の皆様には金額に応じて返礼品を用意しております。
【消滅の危機】圧倒的におしゃれでかっこいい掛軸文化を美大生とコラボで復活させたい
https://camp-fire.jp/projects/view/74579
<図録> 掛軸として仕上がった状態の作品を掲載した図録を制作・有償頒布いたします。
■江戸表具研究会「表粋会」紹介
掛軸・屏風・襖などを製作する職人、表具師・経師による江戸表具の研究会です。平成8年に熱意ある若手を中心に発足し、現在34名が所属。表具の発展と継承者育成・技術向上を目指して、従来は師弟の間でのみ受け継がれてきた技法を、互いに教え合い研鑽しています。平成18年からは隔年で作品展を開催し、今回はその第7回にあたります。そのほか業界団体主催の表装展や全国規模の技能士競技会などにおいて受賞・入賞をかさね、実力者を輩出しています。このような活動が認められ、平成28年には人気漫画家・井上雄彦氏(代表作『スラムダンク』『バガボンド』等)により、伊勢神宮へ式年遷宮を機に奉納された墨絵作品『承』の、巻物の仕立て作業を担当させていただきました。
江戸表具研究会「表粋会」ブログ: http://hyosuikai.blog.so-net.ne.jp
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