NYの劇団ウースターグループがKAAT神奈川芸術劇場に登場!...

NYの劇団ウースターグループがKAAT神奈川芸術劇場に登場! 女性解放運動に関する伝説の討論会を映画に基づき上演

『タウンホール事件』として2018年9月29日(土)~10月1日(月)の3日間開催

KAAT神奈川芸術劇場は、NYのダウンタウンを拠点に活動する劇団、ウースターグループによる『タウンホール事件』を2018年9月29日(土)~10月1日(月)に上演します。

http://www.kaat.jp/d/TWG_TTHA


THE TOWN HALL AFFAIR 1 Photo by Steve Gunther


■NYを拠点に活動し1970年代から現代演劇シーンの第一線を走り続けたウースターグループが、KAATに初登場!

1975年結成以来、常に演劇と社会の関係を問い続け、その実験的な手法により現代演劇シーンを牽引してきたアメリカが誇る伝説の前衛劇団が、KAAT神奈川芸術劇場に初登場します。初来日を果たした2015年サウンド・ライブ・トーキョー『初期シェーカー聖歌』(ケイト・ヴァルク演出)で、圧倒的な存在感と衝撃を日本のアートシーンに与えたウースターグループが、今回は劇団の殆どの作品の演出を手がけるエリザベス・ルコンプト演出作品での再来日です。



■洗練されたテクノロジーとあらゆるメディアを駆使した実験的手法

創設以来、40年以上にわたり、常にその実験的な手法が注目され続けてきたウースターグループ。映像やレコード、他者のパフォーマンスなど、彼らは演劇に他ジャンルのメディアを取り入れた先駆者でもあります。彼らは基となる作品を様々な手法で「模倣」し舞台上に再現することで、題材とする事象の再解釈を行い、演劇と社会の関係性を問い続けてきました。2015年来日の『初期シェーカー聖歌』では同名のレコードを完璧にトレースして「上演」し、今回来日上演する『タウンホール事件』では背景にドキュメンタリー映画を上映しながら、画面の中で行われることと同じ内容を舞台上で繰り広げます。

戯曲や素材の確かな読みに基づき、洗練されたテクノロジーとあらゆるメディアを駆使した実験的手法は、演劇のみならず異ジャンルのクリエイターにとっても必見の作品です。



■映像の再現を通じて再創造される、女性解放運動にまつわる伝説の討論会

『タウンホール事件』は、米国における女性解放運動の方向性を決定付けたとも言われる1971年NYのタウンホールで行われた伝説の討論会を記録したドキュメンタリー映画『タウン・ブラッディ・ホール』に基づいた作品です。ベストセラー作家ノーマン・メイラーの著書『性の囚人』をめぐり開催された討論会「女性解放のための対話」では、全米女性機構代表、女性解放運動家、同性愛者である作家、人権運動家、左翼文芸批評家など様々な立場・主義主張を持つ人物たちが熱い議論を戦わせます。本作では、舞台中央のモニターで流れる映画で行われる議論そのままを役者たちが舞台上で再現していきます。

この数十年、社会における女性の役割・立場は激しく変動をし続けてきました。2018年の今、ウースターグループの画期的な技法により47年前の伝説の一夜が舞台上で再創造されます。ぜひその目でお確かめください。


THE TOWN HALL AFFAIR Photo by Steve Gunther



■ウースターグループ The Wooster Group

エリザベス・ルコンプトとスポルディング・グレイによって1975年に創設されて以来、ロウアー・マンハッタンのウースター・ストリート33番地にあるThe Performing Garage(1960年代にフルクサス芸術運動の一環として設立されたGrand Street Artists Co-opの一部を買い取り)を拠点とし、ルコンプトの演出で30作を超える演劇、ダンス、映画、ビデオ作品を発表。演劇に映像や他ジャンルの要素を取り入れた先駆であり、戯曲や素材の確かな読みに基づいた、重層的でスピード感のある演出と洗練されたテクノロジーの導入は、現在も他の追随を許さない。「ジャンルを超越したこのグループは、充実した40年の活動を通して常に、現実とその表象の両方がテクノロジーとアイロニーによって粉砕されるような、迷宮のような作品世界に演劇ファンを巻き込み続けてきた」(ニューヨーク・タイムズ)。合衆国内外を活発にツアーし、2015年にはフェスティバル「サウンド・ライブ・トーキョー」にて初来日し『初期シェーカー聖歌』を上演。



■劇評抜粋

何せこれは、ダウンタウンを拠点とする脱構築と破壊の達人であり、パースペクティブを混乱させ、私たちが何者でどこにいるのかという観念を拡張する作風で知られる、あのウースターグループの作品である。『タウンホール事件』は――1971年の爆発的な公開討論の一夜を再現する作品だが――演劇的・映画的手法を通して登場人物たちのアイデンティティを分裂させており、その意味では、登場する何人もの実在する文筆家たちが文字通り「我を忘れた=自分から切り離された」状態にいるのだ。[中略] もしかすると、これは少々アカデミックに聞こえるかもしれない。[中略] しかしウースターグループのほとんどの作品と同様に、これは味わい深い、根っからの演劇であり、難解なコンセプトを鍛え抜かれたテクニックで分かりやすく伝える作品である。彼らが演じる人物が映像の中で言っていることと彼ら自身の言語パフォーマンスがシンクロする様は、呆気にとられるほど見事と言う他はない。信じがたい複雑さで声が重ねられてゆき、音がどこから聞こえているのかもはや分からなくなるほどである。

(ベン・ブラントリー、ニューヨーク・タイムズ、2017年2月10日)


このディベートはうきうきした、しばしば興奮した観客の前で展開した。観客の中には当時のニューヨーク最高の文学者や批評家たちがいた。質疑応答が始まると、スーザン・ソンタグが立ち上がり、理性的で友好的でさえある声で、メイラーに対し「とても控えめな質問がある」と言った。「なぜあなたはトリリングさんを『最も重要な婦人(レディ)批評家』と紹介したのですか?」ソンタグは続ける。「私は『婦人作家』とは呼ばれたくありません、ノーマン。あなたはエレガントな言い方のつもりかもしれませんが、私たちには適切な言葉に聞こえません。『女性(ウーマン)作家』のほうがいくらかマシです。なぜかは分かりませんが、でも、言葉は大事ですよ」。この場面は、このディベートをドラマ化/再解釈したウースターグループの作品『タウンホール事件』では再現されていない。しかしこの作品は、この会話の根底にある何か重要なものをとらえている。それは参加者の間の会話というだけでなく、1970年代前半と2010年代後半の対話でもあるのだ。

(レベッカ・ミード、ニューヨーカー、2017年2月23日)



■公演概要

<公演名>

ウースターグループ『タウンホール事件』

クリス・ヘジダスとD・A・ペネベイカーによる映画『タウン・ブラッディ・ホール』に基づく


<演出>

エリザベス・ルコンプト


<出演>

エンヴァー・チャカルタシュ、アリ・フリアコス、ギャレス・ホプス、グレッグ・マーテン、エリン・マリン、スコット・シェパード、モーラ・ティアニー、ケイト・ヴァルク


<KAAT公演>

9月29日(土) 19:00

9月30日(日) 14:00◎/18:00

10月1日(月) 19:30

◎印の回は託児サービスあり。

 公演1週間前までに要予約・有料。

(マザーズ・TEL:0120-788-222)



■日本語字幕上演

<会場>

KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ


<入場料金>

入場整理番号付自由席

一般          :前売 4,500円/当日 5,000円

U24チケット(24歳以下)  :2,250円

高校生以下チケット   :1,000円

シルバー割引(満65歳以上):4,000円

※割引チケットは7月7日よりチケットかながわの電話・窓口のみ取扱い。(前売りのみ・枚数限定)

※車イスでご来場の方は事前にチケットかながわにお問合せください。

※未就学のお子様のご入場はお断りしております。


<前売開始>

2018年7月7日(土)

KAme(かながわメンバーズ)先行 7月6日(金)


<チケット取り扱い>

チケットかながわ: http://www.kaat.jp/

          0570-015-415(10:00~18:00)

チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット など


<お問合せ>

チケットかながわ

0570-015-415(10:00~18:00)


<主催>

KAAT神奈川芸術劇場


<企画協力>

国際舞台芸術交流センター(PARC)


※本公演は10月KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2018でも上演されます。

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