『全国のドライバー2,230人に「あおり運転」実態調査』を実施 ドライバーの約70%があおられた経験あり 警察庁が厳罰化を通達するも、 実際に「通報した人」はわずか2%未満
2018.09.07 11:00
チューリッヒ保険会社(東京都中野区、日本における代表者および最高経営責任者:西浦 正親)は、全国のドライバー2,230人を対象に、昨今、社会問題となり厳罰化が通達された「あおり運転」の実態調査を行いました。「あおり運転に対する厳正な対処」の認知については、実際に知っていると回答したドライバーの割合は51.2%にとどまり、周知が進んでいない現状がうかがえます。さらに、あおり運転をされたことがある400人に実態を聞いたところ、警察に通報した人はわずか2%未満でした。また、安全運転を心がけていたとしても、被害にあう可能性があることも明らかになりました。調査結果を受け、トラブル時の回避策について、専門家のコメントもご紹介します。当社は今後も、ドライバーの皆様が安全にカーライフを楽しんでいただけるよう、情報発信を続けてまいります。
あおり運転イメージ
【調査結果要約】
1. 「あおり運転」の厳罰化、知っているドライバーは約半数
2. ドライバーの70.4%が「あおり運転」された経験あり
3. 「軽自動車」「コンパクトカー」などサイズの小さい車が、あおり運転を受けやすい傾向
4. 普段から安全運転を心がけている人でも、あおられる可能性は大
5. あおられた原因ってもしかして……思い当たるきっかけTOP5
6. 「あおり運転」をされた時、57.0%が道を譲って対処、警察に通報した人はわずか2%未満
7. 「あおり運転」された経験から、74.7%が「あおり運転」をされない工夫をしている
8. あなたも予備軍!?運転中にカッとなりやすい人は「あおり運転」に要注意
【調査結果ウェブサイト】
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/research-road-rage/
【調査概要】
調査タイトル:あおり運転についてのアンケート
調査方法 :インターネットリサーチ
調査期間 :2018年5月22日~5月23日
調査対象 :1週間に1回以上運転している全国のドライバー2,230人
【記事引用について】
本調査内容を転載される場合は、出典がチューリッヒ保険会社であることを明記くださいますよう、お願いいたします。
1. 「あおり運転」の厳罰化、知っているドライバーは約半数
あおり運転に対する厳正な対処について知っていますか?
2017年6月に東名高速道路で発生したあおり運転による死亡事故をきっかけに、2018年1月、警察庁は全国の警察にあおり運転などの悪質・危険な運転に対して、危険運転致死傷罪・暴行罪などを適用し、厳正に捜査するよう通達しました。これにより、事故に至っていない場合でも、あおり運転による暴行や脅迫などの事実が認められると、免許停止などの行政処分を行えることになりました。この「あおり運転に対する厳正な対処」の認知については、実際に知っているドライバーの割合は51.2%にとどまり、周知が進んでいない現状がうかがえます。
2. ドライバーの70.4%が「あおり運転」された経験あり
あおり運転された経験はありますか?
あおり運転をされた経験が「ある」と答えたドライバーが、約7割を占めました。なかでも、「車体を接近させて、もっと速く走るように挑発された」、「車体を接近させて、幅寄せされた」といった、「車体を接近」させる行為が多いことがわかりました。身近に横行している危険なあおり運転に対しては、警察の取り締まり強化に頼るだけではなく、あおられない運転を心がけるとともに、あおられた際の正しい対処法を知っておくことも不可欠です。
■あおり運転に巻き込まれた時の状況
「信号で停車したら、そのあとずっと左右にあおられた」(女性/46歳)
「目の前に急停車して降りてきた」(男性/54歳)
「パッシングしながら追跡してきた」(男性/53歳)
「追い越して前方停止で進路をふさがれた。千円を搾取された」(男性/56歳)
「オープンルーフから物を投げつけられた。最後は空ビンでフロントガラスにひびが入った」(女性/62歳)
3. 「軽自動車」「コンパクトカー」などサイズの小さい車が、あおり運転を受けやすい傾向
あおられた車、あおってきた車、その特徴とは?
あおり運転された時に運転していた車は、「軽自動車」(28.8%)、「コンパクトカー/ハッチバック」(22.8%)が上位を占め、サイズの小さい車があおり運転を受けやすい傾向にありました。車体の色は、「ホワイト」(26.3%)、「シルバー」(25.8%)といった白系の車が半数以上を占めました。一方で、あおった側の車は、「セダン」(33.5%)、「バン/トラック」(18.3%)などの大きめの車で、色は「ブラック」(27.8%)、ホワイト(23.8%)が多い結果となりました。
4. 普段から安全運転を心がけている人でも、あおられる可能性は大
普段の運転について、当てはまるものをお選びください。
あおり運転をされた経験のあるドライバーに、普段の運転について聞くと、「十分な車間距離を保つ」、「ウィンカーは早めに出す」はともに92.8%、「進路を譲る」は90.8%と割合が高く、マナーを守って安全運転を心がけている様子がわかります。また約7割が運転に自信が「ある」(17.0%)、「どちらかといえばある」(53.8%)と回答していることから、運転に不慣れな初心者だけでなく、普段から安全運転を心がけていて運転に自信のあるドライバーでも、あおり運転の被害に遭う可能性があるということを意識しておく必要があります。
5. あおられた原因ってもしかして……思い当たるきっかけTOP5
あおり運転されたきっかけTOP5
最も多かったのは、「車線変更をした」(17.7%)でした。次いで「追い越し車線を走り続けた」(15.3%)、「法定速度を守って走っていた」(14.5%)が上位を占めています。走行速度が遅い、割り込みや無理な追い越しをされたなどと相手のドライバーに感じ取られてしまうことが、あおり運転に巻き込まれる要因になっているようです。
6. 「あおり運転」をされた時、57.0%が道を譲って対処、警察に通報した人はわずか2%未満
あおり運転されたときにとった対象方を全てお答えください。
実際にあおり運転に巻き込まれてしまった場合の対処として、「道を譲った」(57.0%)が最も多く、次いで「何もしなかった」(16.6%)、「路肩に停車した」(10.0%)が続きます。実際に「警察に通報した」人は、2%未満という結果に。現状、あおり運転に巻き込まれた場合、道を譲るなどの対処はするものの、警察に通報する人はごく僅かだということがわかりました。
7. 「あおり運転」された経験から、74.7%が「あおり運転」をされない工夫をしている
あおり運転されないように、工夫していますか?
実際にあおり運転を受けたドライバーの74.7%は、今後あおり運転をされないように、何らかの工夫をしています。工夫していることの上位は「車間距離をしっかりとる」(56.8%)、「ウィンカーは早めに出すようにしている」(43.8%)、「急な割込みをしない」(36.0%)など、周りのドライバーを刺激しないことです。あおり運転に巻き込まれないためには、まずは、周囲の車にあおり運転をさせる理由を与えないことが大切です。
8. あなたも予備軍!?運転中にカッとなりやすい人は「あおり運転」に要注意
カッとなって挑発的な運転をしそうになることがありますか?
運転中に、他のドライバーに対してカッとなり挑発的な運転をしそうになることがある人の割合は37.0%と約4割を占めました。2017年の1年間で、急接近や急ブレーキ、急な割り込みなどの事故を誘発するようなあおり運転は7,000件以上摘発されています。普段、安全運転を心がけていて、自分はあおり運転など絶対にしないと思っている人でも、運転中に思わずカッとなったり、イラッとしたりする瞬間はあります。あおり運転をしない、あおり運転に巻き込まれないためにも、どんな時も平常心を保ち、相手を思いやる運転を心がけることが大切です。
9. あおり運転にあわないためには?またトラブル時の正しい対処法とは?
(九州大学大学院システム情報科学研究院 志堂寺 和則教授)
今回の調査で、あおられた経験がある人が約7割を占めていることからもわかるように、運転時には感情的になってしまうドライバーもいるため、誰しもあおり運転の被害者になってしまう可能性があります。また、あおられやすい車の多くは、軽自動車やコンパクトカーなどの小さな車です。それらの車には、大人しい人が乗っていて、あおり運転をしても反撃しないだろうという、弱い者いじめをする時と同じような読みがあるのだと思います。特にあおり運転の標的になりやすい車に乗っている人は、車線変更や追い越し車線を走る時には十分な注意が必要です。
あおり運転によるトラブルに巻き込まれそうになったら、挑発にのらず、交通法規を遵守して冷静に対処することが重要です。同乗者がいる場合は、110番通報、ナンバーなどの記録、動画撮影をしてもらうとよいでしょう。いち早くその状況から抜け出すためにも、後続車があおってきたらすぐに道を譲りましょう。また、追い抜かれたら、あおってきた車と車間距離を十分に取って急停止などの危険行為に備えることが大切です。車を停車させる際は、コンビニやサービスエリアなど、なるべく人目のある安全な場所を選びましょう。停車したら、窓を閉めドアをロックして警察に通報を。警察の指示に従って行動しましょう。