~室町時代から続く万能調味料を知っていますか?~ 話題の伝統調味料「煎り酒(いりざけ)」とは
『2018オレンジページCooking 秋』最新号より
2018.08.31 11:00
テレビやインターネットなど各メディアで注目され、じわじわと脚光を浴びている、伝統調味料「煎り酒」。塩分は控えめで、素材の味が引き立つと、改めて価値が見直されています。料理専門誌『オレンジページCooking』(発行/株式会社オレンジページ:東京都港区)の最新号では、食のトレンドを予感させる「煎り酒」を取り上げ、その魅力に迫っています。
「うまみ×酸味」で素材の持ち味をおどろくほど引き出す、食のプロ注目の調味料!
室町時代に考案されたといわれる煎り酒は、江戸時代にしょうゆが庶民に普及するまで、調味のかなめとして親しまれていました。香り豊かな日本酒に、削り節&昆布のうまみが溶け込み、さらに梅干しのさわやかな酸味と塩味がプラスされた風味。煮詰めるうちに、うまみと酸味が合わさった複雑で深い味わいにまとまります。身近な材料で手軽に作れる煎り酒は、減塩効果も期待大。まろやかでやさしい万能調味料に、とりこになる人が増えています。
~主な材料は酒、梅干し、昆布、削り節。「煎り酒」の作り方~
(1)鍋に酒、昆布、削り節、塩を入れ、梅干しを大まかにちぎって種ごと加え、昆布が少し柔らかくなるまで15分おく
(2)中火にかけ、煮立ったら弱火~弱めの中火にし、ふつふつと沸く状態で15分。火をとめ、完全にさます
(3)万能こし器に厚手のペーパータオルを敷き、ボールにこしたあと、だし殻を包んで菜箸でおさえてしっかり絞る
※冷蔵で2週間ほど保存可能
~まずはシンプルな使い方で~
・刺し身につけて……鯛やひらめなど、淡白な白身魚の味わいを引き立ててくれます。帆立て貝柱、つぶ貝など貝の刺し身との相性も抜群
・冷ややっこにかけて……しょうゆよりも、煎り酒なら減塩効果があってヘルシー。うまみがしっかりあり、薬味だけで充分満足感が出ます
和のおかずはもちろん、洋風メニューでもその万能さを発揮
和のおかずには、塩を少量加える以外は他の調味料を使わなくても味が完成。煮汁に使うとしょうゆが入らないぶん、色もきれいに。また、洋風メニューとも好相性で、サラダのドレッシングやソテーのソースに加えると、おなじみの料理が新鮮な風味に変わります。オリーブオイルやバターを味のつなぎ役にするのがポイント。
<レシピの一例>
・「鮭と野菜の煎り酒焼き」:生臭さは一切なし。煎り酒を煮つめながら、しっかり味をからめていきます。
・「チキンソテー 煎り酒バターソース」:鶏肉の肉汁、濃厚なバターと合わせても、煎り酒のうまみが感じられます
・「たっぷり野菜と生ハムのサラダ」:梅の酸味とだしのうまみ+オリーブオイルで本格ドレッシングが完成
※『2018オレンジページCooking秋』では、「話題の伝統調味料 煎り酒とは?」のほかにも、秋を感じるサラダ、「ごはん同盟」しらいのりこさんの昭和レトロな洋食、いがらしろみさんの季節の味わいを閉じ込めた焼き菓子&スプレッドなど、秋の食卓を華やかにするレシピを多数掲載しています。
『2018オレンジページCooking 秋』9月1日(土)発売 本体800円(税別)
http://www.orangepage.net/books/1255
A4変型判、中綴じ、総ページ104ページ
~2大特別付録~
(1)素材別レシピブック/総ページ52ページ
(2)ワタナベマキさんの私のとっておきレシピブック/総ページ12ページ
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