罹患者の多くが中高年女性のシェーグレン症候群 患者の95%が「口の乾き」を自覚 「会話障害」「摂食・嚥下障害」 「口臭」「虫歯の増加」などにつらさを感じている
シェーグレン症候群による「口の乾き」に関する患者実態調査
月600万人が利用する日本最大級の病院検索・医薬品検索・医療情報サイト群ならびに医療者向けサービスを運営する株式会社 QLife(キューライフ/本社:東京都港区、代表取締役:有瀬和徳)は、キッセイ薬品工業株式会社のスポンサードのもと、シェーグレン症候群の患者100名を対象に、口の乾き(口腔乾燥)やそれに伴う症状によるつらさやその治療、医師に望むことについての実態調査を実施した。
シェーグレン症候群は、罹患者の多くが中高年女性の自己免疫疾患で、代表的な症状に口腔乾燥や眼乾燥がある。ドライマウスになると、「口がネバネバする」「水分をとらないと、長い時間しゃべり続けられない」「食べ物が飲み込みにくい」「口が乾いて眠れない、起きてしまう」といった症状が現れ、生活の質に大きな影響を及ぼすだけでなく、虫歯の増加や口臭、口内炎、口腔カンジタ症なども起こすこともある。ドライマウスの治療には、唾液の分泌を促す薬をはじめ、人工唾液スプレー、ジェル、軟膏などが使われる。
今回の調査結果から、以下のことが分かった。
・シェーグレン症候群患者の95%は「口の乾き」を自覚。そのうち、61%が「とてもつらい」「ややつらい」とつらさを感じている。
・口の乾きのあるシェーグレン症候群患者の約4人に3人が口の乾きが原因で「口臭が気になる」「虫歯が増える」ことを自覚。また、症状を自覚している患者の半数以上が「話しにくい(会話障害)」「食べにくい(摂食・嚥下障害)」「虫歯が増える」ことに「つらさを感じている」。
・現在の口の乾きのための治療について、患者の19%が「とても満足」「やや満足」と感じている。一方、41%が「あまり満足していない」「まったく満足していない」状況であった。
・現在、口の乾きによるつらさを感じている患者のうち38%の患者は、過去から一度も唾液分泌促進薬の処方を受けたことはない。
・口の乾きによるつらさを感じている患者が医師に望んでいることは、「口の乾きを治して欲しい」が最も多く60%であった。また、様々な情報や病態について教えて欲しいと思っている。
今回の調査結果について、筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)教授の住田孝之先生は
「口腔乾燥とそれに伴う症状は、シェーグレン症候群の患者さんにつらさを与えていることが明らかになりました。患者さんのQOLに大きな影響を与える口腔乾燥を改善するには、様々な方法を組み合わせて継続した唾液分泌を促していくことが重要です。」と、医師に対して口腔乾燥に対する早期かつ継続的な治療の重要性を訴えた。また、患者さんに対しては「唾液の分泌を促す薬剤をはじめ、さまざまな治療選択肢がありますので、口腔乾燥によりつらさを感じているかどうかによらず、口腔乾燥の症状があれば、まずは医師にご相談ください。」
とし、患者さん側から医師への相談を促した。
なお、調査結果はhttp://www.qlife.co.jp/news/180928qlife_research.pdfからダウンロードできる。
【調査結果一例】
◆口の乾きの自覚
95%の患者が口の乾きの症状を自覚していた。
◆口の乾きのつらさ
口の乾きを自覚する患者の61%が「とてもつらい」「ややつらい」とつらさを感じている。
◆口の乾きによって起こる症状とそのつらさ
「とてもつらい」「ややつらい」と回答した患者の割合が最も多かったのは「虫歯が増える」で39%であった。次いで「食べにくい(摂食・嚥下障害)」が38%、「口臭が気になる」が34%、「話しにくい(会話障害)」が33%の順であった。
◆口腔乾燥に伴う症状によるつらさの具体的なエピソード(一例)
話しにくい(会話障害)
・仕事柄、話すことが多いが、5分程度話すと口が乾き、咳き込みそうになる。口が回りにくいので語尾があいまいになったり、正確な言葉で話せなくなる。常にのど飴や飲み物を用意してマスクをして、乾きを防ぎながら仕事をしている。
・娘と話している途中、「水飲んだら」と良く言われる。友人などには、シェーグレン症候群のことは伝えていないので会話に入っていけない場合が多い。おしゃべりが好きだったが、最近は聞く側ばかりで話すのが億劫になる。電話の時は、傍に水を置いておくが、滑舌が悪いので何度も聞きかえされる。
食べにくい(摂食・嚥下障害)
・唾液が多いほうで飴などを舐めると一番先になくなっていたのだが、シェーグレン症候群になってからは、唾液がほとんど出ないので食べにくく水など飲み物がないと飲み込むことが出来ない。自分の歯が少なくなってしまったので、良くかんだり出来ないので、味わうこと、おいしいと感じることが少なく飲み物と一緒に丸呑みすることが多い。食べることが好きな私にとって、辛いし食べる速度も遅いので恥ずかしい思いをしている。
・咀嚼後の飲み込み時に、咽し返してしまうことが頻繁にある。
よく眠れない(睡眠障害)
・口腔と喉の乾燥感で、夜中に何度か目が覚めるので、熟睡できない。
・口やのどが乾くので、水を飲んでからでないと寝られないが、2~3時間でトイレに行きたくなり起きてしまう。トイレに行くと、今度はのどが渇いて眠れない。水を飲むとすっかり目が覚めてしまい、寝付くまでにまた1時間以上かかる時がありなかなかまとめて眠れない。
味が分かりにくい(味覚障害)
・調理時の味バランスが取りにくい。家族の好みや好物を作るのが難しい。極端な濃さや薄さになりがち。このきっかけで抑鬱傾向になる。
・好きな物を食べても、味が分からないので、食べた気持ちにはならない。
口臭が気になる
・口の乾きで、朝は必ず臭う。対人会話に抵抗を感じる。日中はマスク常備で口の乾燥予防に努めるが、相手に小声で伝わるため、伝わりにくい時はマスクを外すが、不快感を表す相手も多く、自分より相手の反応が辛い。食事の都度歯を磨いても気になってしまい、匂いが強いものを食べるのを控えるようになった。
・口の中がネバネバして自分でも匂いを感じることがあり、人と会う時は歯磨きやミント系のタブレット、グミなどが手放せない。
口内炎ができやすい
・口内の乾きで頬を噛むことが多くなり口内炎ができやすくなる。痛みがあるが薬を塗ってごまかしている。トマトなどはしみるので食べられない。
・歯磨き時の歯ブラシが少しでも劣化すると当たった場所から口内炎が多発し、大きさも2cm超えとなり、一度に5~6箇所発生する。
虫歯が増える
・食べ物カスが残ってはいけないと思い、歯磨きは人一倍時間をかけるようにはしているのですが、3か月くらいで歯科検診に行くと必ず虫歯が出来ていて唾液のありがたさを知らされます。
・歯科医から自分の歯が全部なくなるのを覚悟してくださいと言われていて、部分入れ歯、ブリッジなどで対処していますが、歯がなくなるのはかなり辛いです。
風邪、口腔カンジダ症など感染症にかかりやすい
・外出時や就寝時にはマスクをして寝るようにしているが、すぐに風邪にかかる。
・感染症にかかりやすく口腔カンジダは何度も罹ったことがあり食べることが出来ず、辛い。カンジダは舌に出来るので、味覚がわからなくなるので辛い。
◆口の乾きによるつらさを感じている患者が医師に望むこと
「口の乾きを治して欲しい」が最も多く60%。
次いで、「他の患者さんがどの様に対処しているか、詳しく教えて欲しい」が35%、「口の乾きに対する治療について、詳しく教えて欲しい」が33%の順であった。
シェーグレン症候群患者の口の乾きに関する調査
調査主体 株式会社QLife(キューライフ)
実施概要
調査対象:過去6か月以内に医療機関を1回以上受診した、シェーグレン症候群の患者
有効回収数:100人
調査方法:インターネット調査
調査時期 2018年8月10日~ 8月13日
▼株式会社QLifeの会社概要
会社名:株式会社QLife(キューライフ)
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-9 住友新虎ノ門ビル7階
代表者:代表取締役 有瀬和徳 設立日: 2006年(平成18年)11月17日
事業内容:健康・医療分野の広告メディア事業ならびにマーケティング事業
企業理念:医療と生活者の距離を縮める
- カテゴリ:
- 調査・報告
- タグ:
- 医療 健康・ヘルスケア その他IT・インターネット
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