秋季特別展2「百の手すさび 近代の茶杓と数寄者往来」 10月20日(土)より開催
数寄者達の交流を、茶杓を通して紐解きます
2018.10.04 19:00
MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 館長:熊倉功夫)は、2018年(平成30年)10月20日(土)~12月2日(日)までの期間、秋季特別展2「百(もも)の手すさび 近代の茶杓と数寄者往来」を開催いたします。
明治維新後、新生日本の経済、文化を牽引した益田鈍翁(孝)などの数寄者たちの交流を、自作の茶杓を通して紐解いていきます。
■開催趣旨
茶杓とは、茶器に入った抹茶を掬い、茶碗に入れるための茶道具の一種です。一見とてもシンプルな一片の匙にも関わらず、「茶杓は人なり」と称せられ、古くから大切に扱われてきました。そのシンプルな形ゆえに、作る人の美意識や人柄が映し出されているからでしょう。
明治維新以後、近代日本の政財界を牽引した名だたる実業家たちは、その美意識と財力によって美術品を蒐集し、茶の湯の場において数寄者として親交を深めました。その交流の証の一つに自ら作った茶杓を贈りました。
本展は、池田瓢阿氏(竹芸家)の監修のもと、千利休や小堀遠州など近代茶杓の礎となった近世(安土桃山時代~江戸時代)の茶杓を通した交友も回顧しつつ、三井財閥を支えた益田鈍翁を中心に、高橋箒庵、小林逸翁など東西の近代数寄者約30名が作った茶杓を展覧します。また、近代に活躍した上村松園などの女性のほか、谷崎潤一郎や川喜田半泥子など文化人・芸術家らによる茶杓もあわせて合計120余点を展示し、なぜ茶杓を作るのか、その魅力とは何かを探ります。あわせて、茶杓以外の自作道具やゆかりの蒐集品約80点も展観し、当時の数寄者の茶の湯の一端をご覧いただきます。
明治以降、新生日本の経済だけでなく、文化面においても新たな風を巻き起こした偉人たちの存在を、茶杓を通じてたどります。
※ 会期中一部展示替えあり
■展覧会名:秋季特別展2「百の手すさび 近代の茶杓と数寄者往来」
■英語タイトル:Autumn session2:
“100 Modern Tea Scoops: Connoisseurship and Society”
■開催期間:2018年(平成30年)10月20日(土)~ 12月2日(日)
■会 場:MIHO MUSEUM
〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 TEL.0748-82-3411
■主 催:MIHO MUSEUM、京都新聞
■後 援:滋賀県、滋賀県教育委員会、NHK大津放送局、BBCびわ湖放送、
エフエム京都
■監 修: 池田 瓢阿(いけだ・ひょうあ 竹芸家)
■担当学芸員:小山 由貴子(MIHO MUSEUM学芸員)
■展示構成:
第1章 近世の茶杓 贈り筒を中心に
第2章 益田鈍翁 近代数寄者の大立者
第3章 益田鈍翁を取り巻く関東・中京における数寄者の茶杓
第4章 女性による茶杓
第5章 関西における数寄者の茶杓
第6章 文化人の茶杓
■展示総数:約200点(予定・一部展示替えあり)
■入館料:一般1100円、高・大生800円、小・中生300円
【20名以上の団体は各200円割引】
■開館時間:午前10時~午後5時 【入館は午後4時まで】
■休館日:毎月曜日
【イベント&プログラム】
■講演会(1)「茶杓について」(仮称)
講師:池田 瓢阿(いけだ・ひょうあ 竹芸家 本展覧会監修者)
11月10日(土)14:00~15:30
■講演会(2)「近代数寄者とは」(予定)
講師:熊倉 功夫(くまくら・いさお MIHO MUSEUM館長)
11月17日(土)14:00~15:30
※(1)(2)とも●会場:南レクチャーホール●定員:100名
●予約不要:当日美術館棟受付にて整理券配布●参加無料(入館料要)
■ワークショップ 展覧会中、毎週「茶杓削り体験」を予定。
※詳細は決定次第HPにて発表。
(1)気軽に体験!
●開催日:10/25、11/1、8、15、17、29 ※11/29は午後のみ開催
●時間:10:30~12:30 14:00~16:00 ●場所:MIHO MUSEUM北館(回廊)
●対象:中学生以上 ●定員:各回10名 ●参加費:1000円(入館料別途要)
(2)本格的に体験!
●講師:池田泰輔氏(竹芸家) ●開催日:11/24(土)
●時間:10:30~12:30 14:00~16:00 ●場所:北館回廊 ●対象:18歳以上
●定員:各回20名 ●参加費:8000円(入館料別途)
●筒は別料金(希望者のみ)
●持ち物:エプロン、手の保護のための手袋 ●定員になり次第締め切り
(1)(2)とも●事前予約要:お申し込みはメール・お電話・ファクシミリにて
●お問い合わせ:教育普及 TEL.0748-82-8036/FAX.0748-82-2834
■展示される茶杓の作者一覧
千利休 古田織部 千宗旦 小堀遠州 片桐石州 松浦鎮信
松平不昧 益田鈍翁 愈好斎聴松 安田松翁 平瀬露香 石黒况翁
益田非黙 益田紅艶 江月宗玩 三井高福 三井華精 三井高棟
三井泰山 三井小柴庵 三井高昶 馬越化生 野崎幻庵 高橋箒庵
藤原暁雲 松永耳庵 畠山即翁 横井夜雨 富田宗慶 高橋蓬庵
森川如春庵 大田垣蓮月 新島八重 上村松園 柳原白蓮
堀越宗圓 村山玄庵 嘉納鶴翁 住友春翠 小林逸翁 野村得庵
大谷心斎 杉木普斎 近衛文麿 水谷川紫山 北村謹次郎
正木直彦 谷崎潤一郎 吉川英治 高原杓庵 堀口捨己 田山方南
小森松菴 板谷波山 川喜田半泥子 橋本関雪 朝倉文夫 堂本印象
中川一政 荒川豊蔵 加藤唐九朗 岡橋三山 河瀬無窮亭 金重陶陽
■作品画像
1.益田鈍翁作 茶杓 歌銘「年暮」 昭和13年(1938) 展示:全期間
2.沙門地獄草紙 解身地獄 鎌倉時代(益田鈍翁旧蔵) MIHO MUSEUM蔵
展示:11/13~12/2
3.上村松園作 茶杓 銘「蜻蛉」 展示:全期間
■MIHO MUSEUMについて
MIHO MUSEUMは1997年11月に、琵琶湖の南、自然豊かで風光明媚な湖南アルプスの山中に誕生しました。建築設計は、フランス・ルーヴル美術館のガラスのピラミッド、ワシントンのナショナルギャラリー東館、北京、香港の中国銀行ビル等で世界的に知られるI.M.Pei氏によるものです。設計のテーマは「桃源郷」。東晋の詩人、陶 淵明の「桃花源記」にある仙境の楽園ー桃源郷の物語を、構想・設計・建設に6年の歳月をかけて、信楽の地に実現したのです。
所蔵品は、エジプト、ギリシア・ローマ、西アジア、中央アジア、南アジア、中国、朝鮮、古代アメリカなどの古代美術と、仏教美術や、茶道美術をはじめ、絵画、漆工、陶磁器などの日本古美術をあわせて、約3,000件からなり、季節により国内外からの出陳を加えて、常時250~500点を展示しています。
その質の高いコレクションは、ニューヨーク・メトロポリタン美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、オーストリア・ウィーン美術史美術館、オランダ・ライデン国立古代博物館などで公開され、海外からも高く評価されています。
美術館棟は「自然と建物と美術品」「伝統と現代」「東洋と西洋」の融合をテーマに、建築容積の80%以上を地中に埋設し、建物の上にも自然を復元しています。幾何学模様が織りなすガラス屋根からは、明るい太陽の光が降り注ぎ、訪れる人をやさしく包み込んでくれます。
施設としては、2つのホール、オリジナルグッズをそろえた3つのショップ、無肥料・無農薬の厳選食材を使用したレストラン、喫茶各1店舗があります。レストラン別室では、団体様用の昼食も提供しています。
MIHO MUSEUMは30万坪の敷地に、信楽の大自然、建築、美術品、すべてが融合した感動の空間です。
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