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BBT 佐賀県の地方創生の担い手となる公務員研修実施

地域を活性化する仕掛け人育成に向けた研修実施レポート

 あらゆる年齢層に対し生涯に渡るリカレント教育を提供する株式会社ビジネス・ブレークスルー(所在地:東京都千代田区、代表取締役:柴田巌、以下BBT)は、佐賀県のまちづくりを担う人材の育成に向け、「地方創生イノベーター育成講座(公務員編)」を実施いたしました。今回で2回目となる佐賀県の研修は、「地域を巻き込み、主体的にプロジェクトを推進する公務員」の育成を目指し、地方創生イノベータープラットフォーム INSPIRE[1](所在地:東京都渋谷区、代表理事:谷中修吾)の協力を得て、リアルとオンラインの融合により行われました。研修に参加した佐賀市・唐津市・嬉野市・伊万里市・有田町・吉野ヶ里町の地方創生の担い手となる公務員の方は、研修最終日に集大成として地方創生に向けた各市町の特性や魅力を生かしたプランを設計しました。


 平成29年版情報通信白書[2]の参考データを見ると、近年地方圏から都市圏への人口流出が目立ちます。この傾向は各地域の活力低下をもたらすだけでなく、地方の若者が出生率の低い都市圏に移動することで日本全体としての人口減少に拍車をかけることになります。

 日本が抱える人口減少・少子高齢化という大きな課題に対し、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的・持続的な社会を創生することを目指す「地方創生」は、政府が一体となって取り組む政策の一つとしても重要な位置づけがされています。[3]



【三大都市圏と地方圏の人口移動推移


 しかしながら、地方創生をリードできる人材の確保や育成方法について人手不足の課題を抱えている自治体も存在します。そこで昨年よりBBTは、「地方創生に向けた顧客(県民)の課題をまず明確にし、その課題を解決するビジネスモデルを創りあげる」トレーニング等の研修を、佐賀県の地方創生の担い手である公務員向けに実施しています。具体的には(1)マーケティング(2)ビジネスモデル立案(3)実践力の3つを柱とした研修内容を、今年は19名の公務員の方に受講していただき、最終成果物として地方創生に向けた各地域のプランを設計していただきました。


 

【「平成30年度佐賀県地方創生イノベーター養成研修(公務員編)」実施概要】

◆目的

 「地域を巻き込み、主体的にプロジェクトを推進していく公務員」を育成する。

◆対象

 佐賀県内市町職員

◆研修期間 

 2018年7月11日~8月8日

◆場所

佐賀県庁

◆アプローチ

集合研修およびオンライントレーニングを組み合わせたプログラムを提供。

◆目標とする研修成果

・受講者自身が動機付けされる(解くべき・解きたいと思える)課題を発見すること。

・発見した課題を解決するための具体的なプロジェクトを設計する技術・考え方を学ぶこと。

・プロジェクトが適切な規模で設計されており、アクションプランが具体化されていること。



【研修レポート】        

(1)第一回研修(3日間) マーケティング

講師:玉樹 真一郎[たまき しんいちろう]氏(八戸学院大学 特任教授)

全世界で9500万台を売り上げた任天堂「Wii」の企画担当。青森県八戸市にUターンして独立・起業。人材育成・地域活性化にも尽力。

 【期間】2018年7月11日(水) ~13日(金) 10:00~17:00 現地参加


 [講義レポート]

 1日目:

-各市町の課題への施策提案を考えるにあたり、その核となるコンセプトの作り方についての講義を実施。第三者が「わかる」企画にする重要性、企画を考える際のコンセプトの役割等について講師から解説。(-図1) 

-市町ごとの班に分かれて自分たちのまちの課題を解決する施策立案に向け、グループワークを実施。未知の良さに対してのアプローチを行うため、班員それぞれの私的な体験や不満を付箋紙に書き出す作業を行った。(-図2) 

 

2日目:

-「コンセプト」について理解する講義の後に、1日目のグループワークをさらに深掘りするため、社会・家族・友人からどのように評価されたいかについて付箋紙に書き出す作業を行った。

-1日目に作成した付箋紙と合わせてグループ化する作業を繰り返しながら、グループ間でも意味合いが似ているものは近くへ、似ていないものは遠くへと話し合いを重ねて位置関係を調整し、グループの構造化を行った。(-図3)   

 

3日目:

-聞き手が「わかる」ことを重視したプレゼン方法について、講師から指導を行った。

-2日目までに行った付箋紙グループの構造化を、1つの物語としてどう読むことが出来たか、グループ内で話し合い試行錯誤を行った。

-3日間でまとめた物語とコンセプトを班ごとに発表し、参加者全員で意見交換を実施した。(-図4)  

                            

(2)オンラインワーク(約3週間) ビジネスモデル

  BBT地方創生スタートアップトレーニング講義の視聴とレポート提出

【期間】平成30年7月17日(火)~平成30年8月5日(日) オンライン

 -必須講義の視聴

-選択講義7つのうち1つを選択し、その中で語られる地方創生に関するビジネスモデルについての課題や事業の収益源の仕組みについて、自分なりに分析したレポートを提出。

 

【必須講義】

・オリエンテーション

・松村豪太「世界で一番面白いまちをつくろう」

・藤井靖史「シビックテックで地域の課題を解決する」

・若新 雄純「まちづくりは、あやしい。」


【選択講義】

・米田 真介「チャンバラで地方創生!」

・武田 昌大「日本全国に100万人の「村」をつくる」

・新田 理恵「薬草が引き出す、食とローカルの潜在価値」

・高橋 理志「訪日外国人が求める"まちの現地体験"」

・田中 美咲「防災をもっとオシャレでわかりやすく」

・加藤 政徳「心(ココ)と体(カラ)の居場所づくり」

・平野 彰秀「小水力発電で過疎集落を再生する」 

 


(3)第二回研修(3日間) マーケティング ビジネスモデル 実践力

講師:谷中 修吾[やなか しゅうご]氏(BBT大学教授)

国内最大級の地方創生イノベータープラットフォーム INSPIRE 創設者。内閣府「地方創生カレッジ」地域マーケティング戦略の講師として、受講満足度No.1を獲得。

 

【期間】2018年8月6日(水) ~ 8日(金) 10:00~17:00  現地参加

[講義レポート]

1日目:

【まちづくりケーススタディ】 

-講師の手がける地方創生まちづくりプロジェクトの実践事例を紹介するとともに、オンラインワーク動画講義に登場したイノベーターたちのビジネスデザイン技法を解説。イノベーターの思考回路として、「やりたいことをやる」という大方針のもと、社会的課題の解決に紐づけてテーマを設定する

方法論についても説明した。【-図5】 

 

[地方創生イノベーター講演]

ソーシャルビジネスの実践事例を理解し、地方創生イノベーターの考えを聞く機会として講演を実施。


ゲスト1:山名 清隆[やまな きよたか]氏(株式会社スコップ代表取締役社長)

 キャベツ畑で愛を叫ぶ「日本愛妻家協会」、  ほめるパトカーの「東京スマートドライバー」、水辺の創造力を高める「ミズベリングプロジェクト」などを手掛ける。

 -山名氏が手がけたプロジェクトが生まれた背景や、共感を生む企画を作り出すコツ等について解説し、受講者との質疑応答を行った。

 

ゲスト2:橋村 和徳[はしむら かずのり]氏(株式会社VILLAGE INC代表取締役社長)

地域の自然資産を生かした『空間』と『非日常体験』によって、感動の時を提供する

「Villaging ヴィレッジング」(村づくり)を全国で手掛ける。

-当初、ビジネスとして取り組む気がなかったプロジェクトが、ビジネスとなった経緯や気づきを踏まえ、ソーシャルビジネスで自分がワクワクすることの大切さについて説明した。【-図6】  

                        

2日目: 

 -実際にイノベーター目線でまちづくり事業を組み立てる実践的ワークショップについて講師から説明。

-突き抜けたアイデアを生み出すグループワークを行い、第1回研修で検討した地域課題を振り返りつつ、当該アイデアによって解決され得る地域課題を特定。

-ニーズに基づいてプロダクトを設計する「マーケティング」を解説し、アイデアを具現化する企画の骨子を検討した。【-図7】

 

3日目

-事業を継続させる上でのカギとなる「ビジネスモデリング」について講師から解説。代表的なビジネスモデルについて学んだ。

-2日目のワークで検討した企画内容に対して、どのようなビジネスモデルを組み込むことができるのか、また、その仕組みをどうやって作るのか、講師のアドバイスを受けながら事業案をブラッシュアップした。

-最終成果発表に向けて、事業案のロジックに関する整理・磨き上げや、イラストや図を取り入れたビジュアルなプレゼンテーションを実施する準備を行った。

-3日間でまとめた企画を班ごとに発表し、参加者全員で意見交換を実施した。【-図8】

 

【講師紹介】

玉樹 真一郎 氏[Shinichiro Tamaki]

わかる事務所 代表        

1977年生まれ。東京工業大学・北陸先端科学技術大学院大学卒。プログラマーとして任天堂に就職後、プランナーに転身。全世界で9500万台を売り上げた「Wii」の企画担当として、最も初期のコンセプトワークから、ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークサービスの企画・開発すべてに横断的に関わり「Wiiのエバンジェリスト(伝道師)」「Wiiのプレゼンを最も数多くした男」と呼ばれる。2010年任天堂を退社。青森県八戸市にUターンして独立・起業。「わかる事務所」を設立。コンサルティング、ホームページやアプリケーションの開発、講演やセミナー等を行いながら、人材育成・地域活性化にも取り組んでいる。著書に  「コンセプトのつくりかた」(ダイヤモンド社)がある。


 

谷中 修吾[やなか しゅうご] 氏  

地方創生イノベータープラットフォーム INSPIRE 代表理事/BBT大学 経営学部 グローバル経営学科 学科長 専任教授 /BBT大学大学院MBA 教授


静岡県出身。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻卒。外資・戦略コンサルティングファームを経て現職。国内最大級の地方創生イノベータープラットフォーム  INSPIRE(インスパイア)を立ち上げ、イノベーターの集合知を広く社会に発信する。オープンイノベーションによる地方創生まちづくりの事業開発を得意とし、スターバックス、キヤノン、松下政経塾の連携による復興支援プロジェクト「道のカフェ」、環境省「グッドライフアワード」  、地方創生まちづくりEXPO「まちてん」など多数の総合プロデューサー実績を持つ。平素はビジネスプロデューサー/クリエイティブディレクターとして新規事業開発を手がけ、BBT大学・BBT大学大学院MBA 准教授として教鞭を執る。


 

【ゲスト紹介】

山名 清隆[やまな きよたか]氏

株式会社スコップ 代表取締役 ソーシャルコンテンツプロデューサー

1960年生まれ。社会的動機を高め主体的な連携を創出するソシモ マネジメントの実践者。  キャベツ畑で愛を叫ぶ「日本愛妻家協会」、 ほめるパトカーの「東京スマートドライバー」、水辺の創造力を高める「ミズベリングプロジェクト」などを手掛ける。大型公共事業の広報業務を数多くプロデュース。グッドデザイン賞ベスト100、地域づくり総務大臣表彰。東京大学、神戸大学、国土交通大学で講師など。

  

橋村  和徳[はしむら かずのり]氏

株式会社VILLAGE INC 代表

1973年生まれ、佐賀県唐津市出身。東京の大学を卒業後、テレビ局3年、上海勤務を含むITベンチャー8年の会社勤務を経て、2009年に帰国し伊豆下田へ移住。アウトドアベンチャーとしての活動を開始し、2011年に「VILLAGE INC. 」(ヴィレッジインク)を設立。船でしか行けない1日1組のキャンプフィールドを皮切りに、地域の自然資産を生かした『空間』と『非日常体験』でもって感動の時を提供できる事「Villaging ヴィレッジング」(村づくり)を全国で手掛けている。

 

【BBT地方創生スタートアップトレーニング「BBT-R」について】

地域でスタートアップを目指すビジネスパーソンのためのオンラインプログラム。地域での起業に必須なビジネスフレームワークの理解に加え、日本全国の地方創生まちづくりで活躍するイノベーターたちの実践事例を学びながら、地域スタートアップのプランをつくる技術を習得することが可能。受講期間は3か月。http://www.lt-empower.com/bbtr/

 

【BBTについて】

グローバル環境で活躍できる人材の育成を目的として1998年に世界的経営コンサルタント大前研一により設立された教育会社。設立当初から革新的な遠隔教育システムによる双方向性を確保した質の高い教育の提供を目指し、多様な配信メディアを通じてマネジメント教育プログラムを提供。大学、大学院、起業家養成プログラム、ビジネス英語や経営者のための勉強会等多用な教育プログラムを運営するほか、法人研修の提供やTV番組の制作など様々な顔を持つ。2013年10月のアオバジャパン・インターナショナルスクールへの経営参加を契機に、生涯の学習をサポートするプラットフォーム構築をグループ戦略の柱の1つとして明確に位置づけている。東証マザーズ上場10周年、BBT大学大学院開学10周年、経営学部設置5周年にあたる2015年は、設立当初より全く新しい教育の形を提案し続けてきた姿勢をさらに発展させ、独自のIT技術を駆使した最先端の教育の提供を目指す。在籍会員数約1万人、輩出人数はのべ約5万人以上。http://www.bbt757.com/

   

[1] 日本の地方創生まちづくりを代表するイノベーターを束ね、登壇の場をキュレーションすることで、イノベーターの集合知を広く社会に発信する非営利団体。http://www.inspire-jpn.com/

[2] 参照URL:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/na000000.html

[3] 参照URL:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/chihou_sousei/

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