繊細にして不思議なエレガンス! 約4万本の葦と無数の鈴が鑑賞者の五感を刺激する、 圧倒的インスタレーション作品が2月に京都で実現へ!
~京都の景観や文化を活かした現代美術作品プラン公募の大賞が決定!~
京都文化力プロジェクト2016-2020では、国内外のアーティスト、クリエイター、建築家等から、2018年6月から9月まで都市における空間を大胆かつ想像力豊かに活用し自由な発想で体験できるインスタレーションを国内外から募集。その結果、日本を含め14カ国から111件の応募があり、安藤忠雄氏や森美術館副館長の片岡真実氏らによる審査員により、ロンドンや奈良など日本国内外で活躍するフィリピン出身の建築家ユージン・ソレール氏の「Kyoto Urban Wind Installation」を大賞に選出しました。大賞に輝いたユージン氏にはプラン実現のための制作補助費500万円が授与され、本プランは京都市内で2019年2月16日から一般公開(無料)します。また大賞のほか、入選に選ばれた3点のプランをシンポジウム会場にてご紹介します。
■大賞受賞者
ユージン・ソレール Eugene Soler
建築家。1977年、フィリピン、マニラに生まれる、オーストラリア、パプアニューギニア、スウェーデンで教育を受ける。2003年、ニューキャッスル大学(オーストラリア)建築学部を首席で卒業。2005年、隈研吾建築都市設計事務所、坂茂建築設計にてインターンシップを経験。2010年、ロンドンで建築家として働く傍ら、AAスクール(ロンドン)空間パフォーマンス・デザインコースを卒業。その後、オーストラリア、ロンドン、日本に拠点をおきながら、世界各地で活動を続ける。主な受賞歴として、第44回セントラル硝子国際建築設計競技最優秀賞(審査員:隈研吾、伊東豊雄 他)。2018年には、奈良で開催された「ならまち遊歩」にて、インスタレーション作品「ならまちプロジェクション」を発表。現在は奈良市在住。
□入選プラン
・ブノワ・モーブリー(Benoit Maubrey)/Audio Gruppe『Speaker Sculpture』
・大松俊紀/大松俊紀アトリエ『永遠~はるのよの ゆめのうきはし とだえして みねに わかるる よこぐものそら~』
・井口雄介『E-SCAPE』
会期:2019年2月16日(土)~3月17日(日)10時~17時
会場:旧京都府立総合資料館 前庭
(〒606-0823 京都市左京区下鴨半木町1−4)
※入場無料・会期中無休
※会期中に、マルシェやトーク等、さまざまなイベントを実施します。詳細はWEBサイトにて。
■審査員コメント
・安藤忠雄(建築家)
全体的に、意欲的で挑戦的な作品が数多く見られた。なかでも、わずかな風の動きで繊細な動きを見せ、音を聞かせるユージン・ソレール氏によるインスタレーションのアイデアが目を引いた。風で動く彫刻は他の案にも見られたが、嵐山の竹林にインスピレーションを得たというこの案は、鑑賞者の五感全てに訴えようとする意欲が随所に感じられた。京都の都市環境の中に、その地に相応しい自然の素材で、動きや音に抽象化された自然環境(提案者は「自然の声」と称している)を再現しようという試みは、京都文化力プロジェクトの主旨にも相応しいものと考えた。
・片岡真実(森美術館副館長兼チーフ・キュレーター、京都造形芸術大学教授)
京都の文化力を象徴するものとして、日本の伝統文化や京都の自然観を特定の屋外空間でどのように表象するかという課題に挑戦した提案が多く見られた。大賞に選ばれたユージン・ソレール氏の提案はコンセプトとその具体的な視覚化、想定される観客の体験が美しく均衡したもので、嵐山の自然環境が凝縮された風や音など、五感に訴える要素も評価した。その他、都市生活と祝祭性を融合したブノワ・モーブリー氏のスピーカーによる彫刻、諸行無常と永遠性を表現した大松俊紀氏の天に昇る階段、既存の建物とダイナミックに関わる井口雄介氏の幾何形体の連続による円環も、コンセプトの本質が巧みに形体化・視覚化され、作品そのものに強度と存在感のある優れた提案だった。
・建畠晢(京都芸術センター館長、多摩美術大学学長)
京都文化力プロジェクトの今回の野外インスタレーションのコンペは、この古都ならではの環境が現代アーティストの挑戦意欲を掻き立てたのであろう、他府県のみならず海外からの応募も多かった。大賞に選ばれたユージン・ソレール氏のプランは、上に小さな鈴をつけた細い葦を密集させた大規模なインスタレーションで、無数の鈴が微風に揺れながら“ホワイト・ノイズ”を奏でるという、繊細にして不思議なエレガンスを醸し出す体験空間が出現するはずである。オーストラリアから移住し奈良に身を置くアーティストならではの発想というべきか。他にも祝祭性やモニュメントとしての造形性、建築的なユニークな構造など、注目される提案が幾つも見られた収穫の多いコンペであった。
また、これにあわせて、下記のイベントも開催します。
▼1. 同時開催:「ヨタの鬼セレブレーション展」
見慣れたものを巨大化し空間の中に突如出現させるほか、焼き芋やポン菓子などを作り振る舞う装置や行為をユニークな視点でプロディースすることで、空間そのものを作品に昇華させるアートユニット・ヨタ(Yotta)が大胆に作品を展示します!日常の中に驚きと楽しさをもたらし、セカイの形を捉え直すきっかけを与えてくれるヨタ(Yotta)の作品は、見慣れた風景を新しいものに変えてくれるでしょう。
会期:2019年2月16日(土)~3月17日(日)10時~17時
会場:ロームシアター京都 ローム・スクエア、岡崎公園
(〒606-8342 京都府京都市左京区岡崎最勝寺町13)
※入場無料・会期中無休
※会期中のイベント情報はWEBサイトにて告知します。
※会期中2月25日(月)から27日(水)は、展示替えのため「花子」はご覧いただけません。ご了承ください。
<アーティスト:ヨタ(Yotta)>
木崎公隆・山脇弘道からなる現代アートのユニット。ジャンルや枠組み、ルールや不文律など、あらゆる価値観の境界線上を発表の場としており、それらを融解させるような作品制作を行っている。2015年に「金時」で第18回岡本太郎現代芸術賞 岡本太郎賞受賞ほか、六本木アートナイト2010、2012、おおさかカンヴァス2011、2012、2016、Reborn-Art Festival 2017など参加多数。
▼2. 関連シンポジウム「都市空間における祝祭と文化」
悠久の歴史を持ち、観光都市および学生のまち、国際都市として生きたポテンシャルを持つまち京都。文化庁の京都移転をはじめ、京都各地で立ち上がる大小様々な動きを踏まえ、第一線で活躍する京都にゆかりのある美術関係者やアーティストが、彼ら独自の視点から見た京都の可能性について語ります。また、冒頭には、野外インスタレーション公募展の授賞式も開催します。
日時 :2019年2月16日(土)14時~16時
会場 :京都府立京都学・歴彩館
(〒606-0823 京都市左京区下鴨半木町1−29)
登壇者 :青木淳(建築家)
片岡真実(森美術館副館長兼チーフ・キュレーター、
京都造形芸術大学教授)
名和晃平(彫刻家、SANDWICH Inc.主宰、
京都造形芸術大学教授)
モデレーター:建畠晢(京都芸術センター館長、多摩美術大学学長)
定員 :400名
料金 :無料・事前申込制(応募多数の場合は抽選)
参加申込 :お問い合わせ:京都いつでもコール
電話 075-661-3755/FAX 075-661-5855
年中無休 午前8時~午後9時
申込期間 2018年12月5日~2019年1月20日
▼3. プレ・イベント「おも茶会」
地域に根ざしたものづくりに強い関心を持ち、主に伝統工芸の分野で作り手に寄り添った企画を行う山崎伸吾氏を席主に迎え、京都を拠点に国内外で活躍する金氏徹平ほか若手アーティストたちが茶会の概念を軽やかに解体します。
日時 :2019年2月7日(木)11:00/17:00
会場 :京都芸術センター 大広間
(〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2)
席主 :山崎伸吾(ディレクター、音楽家)
定員 :35名
内容 :抹茶
参加費 :1,000円 ※事前申込制(申込受付12月20日~)・先着順
参加申込:問い合わせ:京都芸術センター
連携 :レザルティスミーティング2019京都
【京都文化力プロジェクトとは】
オリンピックは、世界最大の平和の祭典であり、スポーツの祭典であるとともに、文化の祭典でもあります。「京都文化力プロジェクト」は、東京 2020オリンピック・パラリンピック競技大会等を契機として、日本の文化首都・京都を舞台に行われる文化と芸術の祭典です。2020年に向けて、「創造する文化 京都から世界へ」をテーマに、京都から多彩な文化・芸術を世界に発信するとともに、国内外の人々と交流・協働し、新たな創造の潮流を起こしていきたいと考えています。
詳細は公式ウェブサイトにて https://culture-project.kyoto/feature01/
■クレジット
主催 :京都文化力プロジェクト実行委員会
(構成:京都府、京都市、京都商工会議所等)
協力 :関西大学環境都市工学部建築学科大影佳史研究室、
京都造形芸術大学ULTRA FACTORY
企画・制作:京都芸術センター
プレスリリース添付資料
- カテゴリ:
- イベント
- ジャンル:
- アート・デザイン その他ライフスタイル 社会(国内)
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