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シャイアー・ジャパン「知っていれば悲しみを防げる病」 指定難病 遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さんによる啓発動画を公開 ~未診断患者さんが抱える危険を取り除きたい “未診断患者ゼロ”への取り組み強化~

東京、2018年12月7日-希少疾患や特殊疾患のリーディング・カンパニーである、シャイアー・ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:グレン・スノハラ、以下「シャイアー」)は、国が定める指定難病のひとつ(※1)である「遺伝性血管性浮腫(HAE)」の患者さんによる啓発動画シリーズ第1作の「診断は希望」を12月7日よりYouTubeのシャイアーチャンネルおよび、HAE疾患啓発サイト「腫れ・腹痛ナビ」にて公開いたします。


「診断は希望」タイトル画面

HAE患者 山本ベバリー・アンさん

HAE患者 阿部 栞奈(かんな)さん


YouTube シャイアーチャンネル: https://youtu.be/jx4ZGLcFEFE

腫れ・腹痛ナビ: https://www.harefukutsuu-hae.jp/interview/



HAEは、突然顔や唇、手足、消化器などさまざまな部位に腫れやむくみ、激しい痛みが起きる遺伝性の疾患です(※2・3)。浮腫の症状は2~5日間程度で収まることが多い(※4)ものの慢性的に繰り返します。罹患率は5万人に1人の割合で、国内の患者数は推定2,500人(※5)ですが、実際に治療されている患者さんは約450人にとどまるといわれています。

HAEは血液検査ですぐに診断がつきますが、病気の認知度が低く、症状が多様で他の疾患と似通っているため、確定診断に至るのが難しい病気です。そのため、発症からHAEと診断されるまで平均13.8年かかるとされており(※6)、その十数年間、患者さんは原因のわからない症状による苦しみや不安に耐えている現状があります。また、発症部位によっては命にかかわる危険性を有しており、HAEの認知を高め、未診断患者を少しでも減らす取り組みが必要です。


シャイアーでは、日本国内でのHAEの認知を高めるため、“未診断患者ゼロ”をテーマに、今後啓発動画の公開やSNSキャンペーンの取り組み強化を進めます。


今回公開する啓発動画シリーズ1作目の「診断は希望」では、2名のHAE患者さんの体験談として、確定診断へ至るまでの苦悩や診断されてからの生活の変化についてお話いただいています。そこでは、患者さんご本人がHAEであることを知っていれば、HAEは適切な治療を受けながら付き合っていくことができる病気であること、そして診断されることによって患者さんの人生が良い方向に変わっていったことが語られています。難病と診断されることは患者さんにとってつらい経験となりますが、HAE患者さんの場合は必ずしもそうではないようです。長年、病名もつかず予測不能の発作によって不安な日々を過ごしてきたため、「HAE」と診断がつき、その病気との付き合い方があることを知ったとき、安堵のあまり泣いてしまう患者さんもいます。


シャイアーは、“未診断患者ゼロ”への取り組みを通じて、HAEの社会的認知を向上し、原因不明の繰り返す腫れや腹痛に長年苦しみ続け、今この瞬間にも未診断によるリスクを抱えながら生活している潜在患者さんの危険を取り除くことを目指しています。


またシャイアーは、2019年2月頃にも“未診断患者ゼロ”をテーマとした患者さんによる啓発動画シリーズ第2作の公開を予定しています。



■動画出演者からのコメント

●山本ベバリー・アンさん

当時、HAEという病気の認知度が大変低かったために、発症から診断まで40年という長い年月苦しい思いをしてきました。診断されるまでは発作はコントロールできず、大学のシンポジウムや家族で過ごすクリスマスなど、自分が一番元気でいたいときに発作が起きてしまって、旅行などに行くにも不安でいっぱいでした。HAEと診断され治療を始めてからは、精神的にも肉体的にも不安は減りました。治療を始めて、主治医とともに徐々にコントロールできるようになりました。HAEの認知度が上がり、診断がつけば、患者さんの人生は必ず変わります。この動画を見て、少しでも似ている症状があれば、すぐに相談できる病院に行ってみてほしいと思います。


[プロフィール]

HAE患者会 HAEジャパン理事長。英国在住時代から原因不明の体の痛みや吐き気、皮膚の浮腫に悩まされるが、胃腸の発作や産婦人科の病気として扱われる。40代で入院が増え、あらゆる検査を受けたが最終的には子宮内膜症と診断され、ホルモン治療を受けると結果的に症状がひどく悪化しICUへ。その当時、HAEを知る医師に診察してもらえたことで発症して40年目にしてやっとHAEの検査を受ける。2013年に患者会HAEジャパンを設立し、治療環境の改善を目指して精力的に活動する。


●阿部 栞奈(かんな)さん

私は、HAE患者のなかでもとりわけ患者数の少ないIII型の患者です。最初は動画への出演に迷いがありましたが、HAEの認知が医師も含めて社会全体で進めば、私のように診断されないまま原因不明の病気と闘う人が減るかもしれない。それならば…という気持ちで出演を決めました。私も中学生のころは登校してもお腹が痛くなり保健室へ、の繰り返し。まともに学校生活を送れず、周りとも理解し合えず、とにかく孤独でした。HAE患者さんの診断が増え、遺伝子解析が進めば原因が解明され有効な治療法開発の可能性も高まります。HAEは若年で発症しやすいと言われているので、同年代の私が呼びかけることで、原因不明の腫れや腹痛に苦しんでいる若い人に関心を持ってもらいやすくなればいいなと思います。もしそういう症状で苦しんでいる人が周りにいたらHAEかもしれないよということを伝えてもらえたらと思います。


[プロフィール]

HAE患者会 くみーむ Type3代表。初めて症状が出たのは13歳ごろ。皮膚に症状が出たので皮膚科にかかるが慢性蕁麻疹と診断される。しかし、やがて人前に出られないほど顔、手の甲、足の甲が腫れ、さらに陰部が腫れて膀胱炎になり、腎盂腎炎を発症してしまう。その後も薬剤によるアレルギー、食物アレルギー、かくれ喘息などいろいろな疾患を疑われるが、16歳のときICU入りした当時の小児科の担当医が、たまたまHAEの知識を持っており、全ての症状からHAEを疑ったことで、ようやくHAEの診断がおりる。2018年からは所属する患者会においてHAEIII型患者代表として活動する。



(注記)HAEには3つの型があります。

I型 :遺伝子の異常によって、C1インヒビターの作られる量が少ないタイプ

II型 :遺伝子の異常によって、C1インヒビターの働きが弱いタイプ(作られる量は正常)

III型:原因がくわしくはわかっていない、珍しいタイプ。C1インヒビターは量、働きともに正常



■HAEに関する詳しい情報

HAEの症状に関する詳しい情報や、相談できる病院の検索、医療費助成制度、緊急時の対策などをお知りになりたい場合は、下記ウェブサイトからご確認いただけます。

腫れ・腹痛ナビ: https://www.harefukutsuu-hae.jp/



■シャイアーについて

シャイアーは希少疾患や特殊疾患を持つ患者さんのために尽力する、バイオテクノロジーのグローバルリーダーです。私たちは、ともに立ち向かう人が少ない患者さんたちに向けて、新しい可能性を発見し実現することにより、限界を広げようとしています。絶えず開発の最先端に立ち、多様なパイプラインを保有するシャイアーは新しい思考や新たな希望を次々と提供するイノベーターです。世界100カ国以上の患者さんに製品を提供し、医療機関・関係者と連携しながら、私たちは早期診断を可能にし、治療水準を高め、医薬品へのアクセスを加速させ、患者さんを支え、一緒に道のりを歩んでいくことを目指しています。シャイアーの希少疾患と神経領域疾患(ニューロサイエンス)部門は、免疫性疾患、血液疾患、遺伝性疾患、内科領域疾患、眼科疾患、神経内科領域疾患などの治療領域の幅広いポートフォリオを支えています。

患者さんとともに立ち向かうことが私たちのモチベーションです。これにより、人々の生活を変える機会と責任がもたらされます。

www.shire.com



■シャイアー・ジャパン株式会社について

シャイアー・ジャパン株式会社は希少疾患および特殊疾患の治療薬の開発・販売のほか、それら疾患の認知向上に力を入れています。40年以上の実績をもつ血友病治療分野では、血友病A治療薬「アディノベイト(R)静注用」「アディノベイト(R)静注用キット」「アドベイト(R)静注用」、血友病インヒビター治療薬「ファイバ(R)静注用」、血友病B治療薬「リクスビス(R)静注用」と、幅広いラインアップをもち、患者さんに貢献しています。さらに、本態性血小板血症治療薬「アグリリン(R)カプセル」、ゴーシェ病治療薬「ビプリブ(R)点滴静注用」、低並びに無ガンマグロブリン血症治療薬「ガンマガード(R)静注用」、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「インチュニブ(R)錠」を販売しており、2018年11月には、遺伝性血管性浮腫治療薬「フィラジル(R)皮下注30mgシリンジ」を発売しました。なお、「インチュニブ(R)錠」においては、塩野義製薬株式会社が承認を取得しており、プロモーション提携をしています。

www.shire.co.jp



■参考文献

1. 厚生労働省 平成27年1月1日施行の指定難病(告示番号65)

(1) 原発性免疫不全症候群に含まれる疾患 (7)-II.遺伝性血管性浮腫(C1インヒビター欠損症)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html

2. Bork, K., et al.:Am. J. Med., 2006, 119 (3), 267

3. Bowen, T., et al.:Allergy. Asthma. Clin. Immunol., 2010, 6 (1), 24

4. Agostoni A, Cicardi M. Hereditary and acquired C1-inhibitor deficiency: biological and clinical characteristics in 235 patients. Med 1992;71:206-15

5. 「遺伝性血管性浮腫(HAE)ガイドライン改定2014年版」(一般社団法人日本補体学会HAEガイドライン作成委員会)

6. Ohsawa I et al: Ann Allergy Asthma Immunol 2015; 114: 492-498

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