伊能忠敬の測量方法で地図を自製した 大阪府の中学校1年生が日本数学検定協会賞を受賞 ~算数・数学の自由研究作品コンクール「MATHコン」~
公益財団法人日本数学検定協会(所在地:東京都台東区、理事長:清水静海)は、一般財団法人理数教育研究所が主催している「塩野直道記念 第6回『算数・数学の自由研究』作品コンクール」(通称「MATH(マス)コン」)の優秀賞の1つである日本数学検定協会賞の受賞作品を決定し、2018年12月16日(日)に東京都内で行われた表彰式典で受賞者を表彰いたしました。
塩野直道記念「算数・数学の自由研究」作品コンクール公式サイト
http://www.rimse.or.jp/research/
■塩野直道記念「算数・数学の自由研究」作品コンクールとは
全国の小学生・中学生・高校生が、日常生活や社会で感じた疑問を算数・数学の力を活用して解決する、あるいは、算数・数学の学びを発展させて新たな数理的課題を探究するなかで、気づいたことやわかったこと、自らの解決の方法などをレポートにまとめた作品を応募するコンクールです。テーマは自由で、毎年さまざまなテーマの自由研究レポートが作品として集まります。
■大阪府の中学校1年生が「日本数学検定協会賞」を受賞
本コンクールに協賛している当協会は、応募したすべての作品のなかから、とくに算数・数学の研究として優れたレポート1作品に優秀賞として「日本数学検定協会賞」を授与します。今回は、「伊能忠敬の測量方法をもとに自分で地図を作る」という作品を応募した大阪府在住の田中莉穂さん(中学校1年)に授与いたしました。
受賞した田中さんは、授賞式で「今までのなかでもっとも時間をかけ、たいへん思い入れの深い作品でしたので、喜びもひとしおです。今後も楽しみながら数学と向き合っていけたらと思っています。」と受賞の喜びを語りました。
■伊能忠敬の器具を現代の材料で代用して実際に測量し、測量の精度(誤差)も考察したレポート
田中さんは、江戸時代に日本全国を測量して「大日本沿海輿地全図」を完成させた伊能忠敬の測量方法を調査。曲線のあるような土地を、準備した測量器具を用いて伊能忠敬の「導線法」「交会法」「横切り法」で実際に測量しました。今回の測量のために、伊能忠敬が使った測量器具「半円方位盤」を方位磁石と分度器などで再現するなど、現代の器具で代用して伊能忠敬の測量方法を限りなく再現しています。現場で測量した数値をもとに、地図を自ら作成したうえで「導線法だけの測量でもおおまかな地図ができることはわかりましたが、交会法・横切り法を使うことによって、より正確な地図に近づいていくことがわかりました」とそれぞれの測量方法の誤差についても考察しています。
当協会は、伊能忠敬が没後200年となる節目の本年(2018年)に、彼の功績に関心を寄せた若者が江戸時代の測量を体験することで伊能忠敬にあらためて敬意を表したすばらしい作品であると考え、今回の受賞が決定いたしました。
当協会は、主たる公益事業である「実用数学技能検定(数学検定・算数検定)」の実施のほかに、今後も広く国民のみなさまに算数・数学を学習する大切さや、楽しさを伝える普及啓発事業を充実させていく所存です。
「日本数学検定協会賞」受賞者の田中莉穂さんの発表の様子
「日本数学検定協会賞」受賞者の田中莉穂さん
「MATHコン2018」ロゴ
【塩野直道記念「算数・数学の自由研究」作品コンクール概要】
名称 :塩野直道記念 第6回「算数・数学の自由研究」作品コンクール(2018年度)
主催 :一般財団法人 理数教育研究所
協賛 :株式会社 内田洋行
株式会社 学研ホールディングス
公益財団法人 日本数学検定協会
カシオ計算機株式会社
後援 :文部科学省/国立教育政策研究所/読売新聞社/
公益財団法人 文字・活字文化推進機構/公益社団法人 全国珠算教育連盟 ほか
応募資格:小学生、中学生、高校生
※海外の日本人学校も含む。
※グループで応募する場合は、同学年の応募に限る。
審査 :1.小学校の部…低学年の部(1~3年)、高学年の部(4~6年)に分けて審査。
2.中学校の部
3.高等学校の部(高等専門学校3年次までを含む)
公式ホームページ: http://www.rimse.or.jp/research/
※くわしくは、公式ホームページをご覧ください。
【本コンクールに関するお問い合わせ先】
一般財団法人 理数教育研究所「算数・数学の自由研究」係
<大阪オフィス>
〒543-0052 大阪市天王寺区大道4丁目3番23号
TEL:06-6775-6538
FAX:06-6775-6515
<東京オフィス>
〒113-0023 東京都文京区向丘2丁目3番10号
TEL : 03-3814-5204
FAX : 03-3814-2156
E-mail: mathcon@rimse.or.jp
【実用数学技能検定について】
「実用数学技能検定」(後援=文部科学省)は、数学・算数の実用的な技能(計算・作図・表現・測定・整理・統計・証明)を測る記述式の検定で、公益財団法人日本数学検定協会が実施している全国レベルの実力・絶対評価システムです。おもに、数学領域である1級から5級までを「数学検定」と呼び、算数領域である6級から11級、かず・かたち検定までを「算数検定」と呼びます。第1回を実施した1992年には5,500人だった年間志願者数は、2015年以降は35万人を超え、また、2016年以降は実用数学技能検定を実施する学校や教育機関も17,000団体を超えました。以来、累計志願者数は560万人を突破しており、いまや数学・算数に関する検定のスタンダードとして進学・就職に必須の検定となっています。日本国内はもちろん、フィリピンやカンボジア、インドネシア、タイなどでも実施され(累計志願者数は30,000人以上)、海外でも高い評価を得ています。
※志願者数・実施校数はのべ数です。
【ビジネス数学検定について】(当協会の行うその他のおもな公益事業)
「ビジネス数学検定」は、ビジネスの現場で必要となる実用的な数学力・数学技能を測定する検定です。実務に即した数学力を5つの力(把握力・分析力・選択力・予測力・表現力)に分類し、ビジネスのシチュエーションを想定した問題で、これらの力の習熟度を測定します。インターネット上で受検できるWBT(Web Based Testing)方式を採用。2006年に第1回を実施し、現在では企業の採用試験や新人研修、管理職登用試験などに活用する事例も増加しています。
【法人概要】
法人名 : 公益財団法人 日本数学検定協会
所在地 : 〒110-0005 東京都台東区上野5-1-1 文昌堂ビル6階
理事長 : 清水静海(帝京大学教育学部教授、
公益社団法人日本数学教育学会名誉会長)
会長 : 甘利俊一(理化学研究所 栄誉研究員、東京大学名誉教授)
設立 : 1999年7月15日
事業内容: (1)数学に関する技能検定の実施、技能度の顕彰及びその証明書の発行
(2)ビジネスにおける数学の検定及び研修等の実施
(3)数学に関する出版物の刊行及び情報の提供
(4)数学の普及啓発に関する事業
(5)その他この法人の目的を達成するために必要な事業
URL : https://www.su-gaku.net/
※「数検」「数検/数学検定」「数検/Suken」は当協会に専用使用権が認められています。
※「ビジネス数学検定」は当協会の登録商標です。
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