徳島大学 安部先生が挑む、8億5,000万人の腎臓病患者への治療薬開発 大学クラウドファンディングサイトOtsucle(おつくる)が協力
万能細胞を使わずにすでに腎臓の一部となった細胞を用いる 逆転の発想で「ミニ腎臓」を発見
2019.01.15 09:00
一般社団法人大学支援機構の運営する大学クラウドファンディングサイト「Otsucle(おつくる)」は、徳島大学大学院医歯薬学研究部 腎臓内科学分野の安部 秀斉准教授が取り組む、腎臓病の治療薬を開発する研究費を集める為のサポートを開始しました。
プロジェクトページ: https://otsucle.jp/cf/project/1817.html
徳島大学 安部 秀斉先生
これまで腎臓病の治療薬はありませんでした。その原因は、なぜ腎機能が徐々に低下して回復することがないのか、その理由がわからなかったからです。しかし安部先生らは、長年の研究でその原因を突き止めました。そして現在、独自に作成に成功した世界初のミニ腎臓を用いて、腎機能低下の根本原因を直接解決する治療薬の開発を目指しています。
2018年7月、国際腎臓学会(ISN)は、世界の腎臓病の患者数は8億5,000万人に上るという推計値を発表しています。日本における患者数は1,330万人であり、それに伴い慢性維持透析患者数も年々増加しています。日本でも2016年には約33万人に達し、毎年約4万人が新たに透析が必要になっています。
大学支援機構では、この多くの患者さん達に役立つ治療薬を開発するために、Otsucleのクラウドファンディングを利用し安部先生の研究への寄付を募集します。
【研究概要】
腎臓の本来の働きである「血液のろ過」は握りこぶし大の左右2つの腎臓の中の、わずか1mmの5分の1の大きさの装置で、常に休みなく行なわれています。(図1)
図1:腎臓の中の血液ろ過装置
このミクロのサイズの血液ろ過装置が、腎臓の働きの中心です。この血液ろ過装置を、体の外で作ることができるようになりました。これを私たちは「ミニ腎臓」と呼び、体の中で働いている血液ろ過装置を体の外で研究できるようにしました。(図2)
図2:試験管の底にあるミニ腎臓
腎臓模型
この「ミニ腎臓」に対して、「腎臓を守る」働きのある薬をみつけることができれば、実際の腎臓病に対しても有効ということになります。早期の診断法にも用いることができますから、腎臓が壊れていかないように、透析にならないように、治療が行なえるようになります。そのために、すでにある他の疾患の治療薬やまだ何に有効であるかわかっていない小分子のライブラリーを網羅的に解析し、有効な薬剤を見つけ出す研究を行なっています。
【クラウドファンディング概要】
プロジェクト名:
「世界で唯一のミニ腎臓で8億5000万人の腎臓病患者のための治療薬開発に挑む!」
挑戦者 : 徳島大学 安部 秀斉准教授
目標金額 : 500万円
募集期間 : 1月15日~4月15日
プロジェクトページ: https://otsucle.jp/cf/project/1817.html
【安部 秀斉(あべ ひではる)先生 プロフィール】
所属 :徳島大学大学院医歯薬学研究部 腎臓内科学分野
役職 :准教授、副科長、外来医長
経歴 :平成5年 京都大学医学部卒
資格 :日本内科学会認定内科専門医、
日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医
所属学会:日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、
日本糖尿病学会、国際腎臓学会、日本分子生物学会、
日本生化学会
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