2月14日公開の 「伝承の地・月下に舞う『羽衣』-新『能』PROJECT-」 ドキュメンタリー動画出演した、 能楽師 佐野氏、ビジュアルアーティスト 坂本氏がコメントを提供
ソニーマーケティングは、WEBサイト「α Universe」にて、ミラーレス一眼カメラ「α」 で撮影したドキュメンタリー動画「伝承の地・月下に舞う『羽衣』-新『能』PROJECT-」の公開を2月14日(木)に開始いたしました。プロジェクトに出演した能楽師 佐野氏、ビジュアルアーティスト 坂本氏、両者のプロジェクトに掛ける思いをご自身の言葉で語っていただきました。
■2人が挑んだ挑戦
「伝統を継承する為にこそ、革新が重要である」をコンセプトに、新しい表現・新しい取り組みに挑戦してきた能楽師 佐野 登氏、伝統芸能を革新的でアーティスティックに表現してきたビジュアル アーティスト 坂本 光則氏、両者が演目『羽衣』が生まれた三保松原に集い、新たな「能」の表現に挑みました。「型」を重視する伝統芸能「能」の演目の中でも人気の演目「羽衣」は、日本新三景「三保松原」を舞台とした話。そのクライマックスは、主役の天女が月に帰るシーン。現代の能は室内にての演技が主流の中、「羽衣」の舞台となった三保松原にて、月明かりの下で初めて舞うことに挑戦しました。天女の気持ちと同化することで見えてくる「羽衣」の新たな本質や気付き、それらを理解した上でしかできない「舞い」という表現へ、佐野氏が挑みます。
また、その本質を発信するため、佐野氏は坂本氏へ撮影を依頼。佐野氏がプロジェクトに掛ける“想い”に共感した坂本氏もまた、新しい表現として肉眼ではなく「カメラの眼を通した表現」で、より多くの人に古典の魅力を伝えることに取り組みました。
■佐野氏 コメント
・撮影当日の能装束
能装束は、技術を伝承する方々がいくつもの工程を分業制で作り上げる総合芸術品です。装束の制作には、非常に手間暇がかかりますし、金糸金箔などを使うこともあり、非常に高価なものとなります。需要が少なくなると、技術の継承が難しくなる局面に立たされることもあり得るため、そのような技術の継承に少しでも寄与するべく、できる限り装束を注文し少しでも需要を増やすことを考えています。このプロジェクトでもそのような思いを込めて集めてきた装束の中から、羽衣を舞うための一枚を選びました。
・撮影当日の三保松原の環境
能は、近年では屋内の舞台で演じられる事が多いですが、元々は野外で演じられたものです。しかし今回の様に波打ち際で深夜に演じた事は、これまでなかったのではないでしょうか。それも三保松原で満月の下で能「羽衣」を舞うということでしたので、寒い中での撮影でしたが貴重な経験となりました。
・羽衣の舞台である三保松原で演じてみて
能「羽衣」の詞章に、「月には、白い衣の天女と黒い衣の天女が15人ずついて、その中の15人の天女が毎晩舞い、1日ごとに白い衣の天女と黒い衣の天女が入れ替わる、それが月の満ち欠けとなる。私もその天女のひとりなのです。」と天女が伝える部分があります。
私は、これまで、羽衣の主人公である天女は、白い衣の天女なのでは?と思いながら演じてきましたが、今回のプロジェクトでその思いがなお一層強くなりました。
・世界からも高い関心をあつめる「能」や日本の伝統芸能 インバウンドとの関わり
海外の方々を対象にしたワークショップはよく開催しますが、日本文化に興味を持っている海外の方は多いと感じます。海外の方にとって、能は、動きも少なく、言葉を理解することも難しい芸能であると思いますが、国籍を問わず、それぞれの方が想像したり感じとる事ができる日本独自の伝統芸能です。その少ない所作の中に“日本らしさを感じる”と言われます。海外からの観光客が、今後さらに増えていく中で、日本の伝統芸能「能」が伝えられる可能性、伝えることの重要性を感じています。
・伝統と革新、伝承していくことの大切さについて
伝統と革新は対になっています。やってきたのは先人達。感謝をしていかなければいけない。自分は長い年表の中でほんの一部。しかし、一番先端でもあります。次に繋げていく責任がある。伝統あってこその革新だし、改革や革新あってこその伝統だと考えています。
■坂本氏 コメント
・撮影当日の三保松原の環境
想像以上の暗さでした。月夜、非常に暗く足下もまともに見えない環境での撮影でした。そのような暗さの中、カメラのピントを合わせることでさえ苦労しました。そもそも、撮影することを想像すらしなかった環境。想像する必要もなかった。「ほとんど暗闇」という過酷な環境でしたが、これまで能の舞台上では(肉眼で)確認できなかった、装束の煌びやかさ、艶やかさが、あの暗がりの撮影で、写真に現れていたのに驚きました。αは装束の色味、色調、詳細な質感にいたるまで表現出来る、写真の表現力を広げるカメラだと感じています。この一台(α7R III)が無ければ、撮ることは出来ませんでした。
・一眼レフカメラとの違いや驚き
わたしはアナログ時代のカメラマンで、ミラーレスカメラを使ったことはありませんでしたが、デジタルカメラの先進性、技術の発展、ここまで出来るのかという凄さを改めて感じました。周囲でもミラーレスカメラを使っているという話を聞くことが増え、その中で、サイレント機能やブレ補正、解像感、撮影感度の話を聞いてはいたが想像以上でした。今回の挑戦で、写真の概念が変わりました。これはソニーのセンサー性能の発展によるものだと思います。αを使ってみて、これまで一眼レフの重量感に慣れており、それが良いというのが思い込みだと感じました。αはコンデジ並みに軽く、ここまで繊細な色調表現、質感を出すことが出来る表現力がある。複数台のαを肩掛けし、撮影に挑みましたが、首が疲れることもなく、疲労感が全体的に少なかったです。この小型軽量ボディは、撮影に役に立つと素直に感じました。
・αと取り組みたい次の挑戦
薪能など、やはり光源が限られた中での撮影に挑戦したい。αだと被写体の幅が広がるので、被写体自体を探すような撮影旅行も良いと思います。
・撮影で使ったレンズの種類
ボディはα7R IIIを使用しました。レンズは、GMレンズの85mm F1.4をメインに撮影しました。
・設定で気をつけたところ
ISOは極力抑える(6400あたり)ように心がけました。暗所でしたが、フリーハンド撮影時でもシャッタースピード1/20 - 1/18で撮ることが出来る、手ブレ補正はすばらしいと感じました。光量の少ない撮影全行程においてαへの安心感がありました。
■ドキュメンタリー動画に関して
本作品は、2月14日(木)からWEBサイト「α Universe」にて公開いたしました。
限られた光と時間、潮風が吹く過酷な環境下の写真撮影機材に選択されたのは、「解像感、感度、階調表現」の3つを高いレベルで搭載しているソニー ミラーレス一眼カメラα7R III。また動画は高感度・動画性能の高いα7S IIが採用され、挑戦の様子を描いたドキュメンタリー映像はすべてαで撮影されています。
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