実際の介護殺人をもとにした社会派絵本『さいごの散歩道』発売 社会が抱える介護問題について各専門家の解説付き この手で母を介護し、この手で母を殺めた─――
雷鳥社(所在地:東京都杉並区)は、2006年に京都市伏見区で発生した介護殺人をもとに、約1年を費やして制作した社会派絵本『さいごの散歩道』(著者:長嶺 超輝)を2019年3月25日にリリースいたしました。
この事件は、被告人である息子の行動に裁判官が涙し、「地裁が泣いた」と各メディアで大きく取り上げられました。
さいごの散歩道: http://www.raichosha.co.jp/saigonosanpo/index.html
(書籍の前半43ページ分をWeb公開しています)
■介護の悩みは、どの家庭でも起こりうる
現在、日本国内の要介護(要支援)認定者数は649.3万人(2018年9月 厚生労働省)で、増加の一途を辿っており、介護は、ほとんどの家庭で身近な問題となっています。
その上、約60万人といわれている、ひきこもりの中高年と後期高齢者の親が抱える「8050問題」。今後、親が介護状態になった時に、孤立や困窮に苦しむ家庭が急増することが予想されます。
人とコミュニケーションが取れない状態で、親の介護を背負い、金銭的余裕もなく、誰にも相談ができない─。介護殺人の7割が息子による犯行という調査もあります(日本福祉大 湯原 悦子 准教授 1998年~2015年)。
■介護はもはや個人的問題ではなく、社会問題
事件が起こるまでに一体何が起きていたのか、なぜ誰にも相談ができなかったのか? 問題に対してすこしでも理解があると、この先何か解決の糸口が見つかるかもしれません。いま社会全体が抱える問題を、本書をきっかけに多くの人々に知ってほしいと心から願っています。
親はいつか老いる、そして自分の人生は続く。
この本は、親子で読んでいただきたい。そして、親の人生と子の人生のあり方について少しずつ考えてもらいたいのです。
≪本書のポイント≫
巻末に、【弁護士】【臨床心理士】【介護離職防止アドバイザー】による解説付き。それぞれの立場から事件を立証し、「どうすれば防げたのか?」と根本的な原因を追及します。
≪本書による問題提起≫
・「他人に迷惑をかけたくない」と誰にも相談できずに孤立する人に対し、話を聞ける環境をどのように設けるのか?
・介護殺人の加害者はほとんど男性であるという事実。女性と比べて心理的にSOSを出しづらいと予想される。
・介護保険を使えたとしても、仕事を失った場合自己負担すら支払えなくなる恐れがある。
・介護離職の状態で生活保護を申請しても、就労可能なことを理由に認められない場合がありうる。
■書籍概要
書籍名 :さいごの散歩道
著 :長嶺 超輝
イラスト:夜久かおり
価格 :1,500円+税
仕様 :A5版/ハードカバー/80ページ/カラー
ISBN :978-4-8441-3753-5
本書は、クラウドファンディングでも多くの方からのご支援をいただきました。また、東京・二子玉川「蔦屋家電」さまなどで、書店員の推薦により大きく展開されているほか、早くも介護業界で注目され、口コミの広がりを見せています。
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