日本電業工作、5G・LTE等の携帯電話や Wi-Fi等マルチに使える透明な基地局アンテナを開発
日本電業工作株式会社(本社:東京都千代田区神田神保町1-14-1、代表取締役社長:瀬川純)は、携帯電話基地局の屋内用アンテナとして、LTE・5G(sub-6)の周波数(698~5850MHz)に対応した「可視光透過(透明)アンテナ(以下、本アンテナ)」を開発しました。
【概要】
本アンテナは、露出したアンテナ部分が透明である為、美観や景観を損なうことなく目立たない設置ができ、LTEに加え5G(sub-6)、Wi-Fi、Bluetooth、GPSの周波数帯域に使用できる広帯域な屋内用基地局アンテナです。従来は、携帯電話基地局用、Wi-Fiアクセスポイント用など用途別に仕様や大きさ、デザインが異なる専用のアンテナを用いることが一般的でしたが、本アンテナによれば、異なる通信システムであってもアンテナをシェア(一本化)したり、フロア内やビル内におけるアンテナデザインの統一により美観向上を期待できます。
また、透明であることから、例えば、LED照明、イルミネーション、サイン照明(看板)を基地局アンテナ化するなど、設備とアンテナとの融合も考えられます。
図1 可視光透過アンテナ使用例
図2 可視光透過(透明)アンテナ設置例
※ 本アンテナは、2017年2月にKDDI株式会と共同開発した可視光透過アンテナの技術に日本電業工作株式会社独自の広帯域化技術を応用し開発した製品です。また、アンテナ部には『透明導電性フィルム/Ag-Stacked Film(TDK株式会社製)』を使用しています。詳細はTDK株式会社のホームページをご確認ください。( https://product.tdk.com/info/ja/techlibrary/developing/agstack/index.html )
【特長】
1.広帯域性
5G(sub-6)、LTE、Wi-Fi、Bluetooth、GPSの周波数帯に広く対応し、1つのアンテナで様々な通信システムに適応できます。
2.デザイン性
透明性を活かし、LED照明や光るサイン看板のような基地局アンテナを実現できます。
図3 光るサイン看板のような基地局アンテナ 試作品
【ユーザーメリット】
異なる周波数帯別に複数設置していたアンテナを集約できます。
これにより、アンテナ数やアンテナ設置面積を削減し、トータルコストの低減も期待できます。
図4 天井に設置された携帯電話用屋内基地局アンテナ群
【アンテナ特性】
項目 仕様 備考
使用周波数(MHz) :698-960 / 1427-5850
偏波面 :垂直偏波
入力インピーダンス:公称 50Ω
VSWR :2.0以下
利得 :698-960 MHz 約0dBi
1427-2170 MHz 約1dBi
2400-5850 MHz 約2dBi
耐電力 :2.5W
PIM(dBc) :-150以下 :2×1W,3rd order
入出力端子 :N-J :相当品
質量 :約140g
図5 可視光透過アンテナ特性
図6 VSWR特性 (500MHz to 6500MHz)
【今後の予定】
使用用途に応じて屋外対応・設置方法・指向性の変更が出来るよう、応用製品の開発を行います。また、本アンテナは、2019年5月29日(水)~31日(金)の会期で東京ビッグサイトにて開催されるワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2019のKDDI株式会社ブース内に展示いたします。
<日本電業工作(DENGYO)について>
1947年の創立以来、日本の通信事業発展に貢献し、通信インフラの実現を支える技術・製品を数多く創出してきました。
アンテナ・フィルタといったコアビジネスの研究開発はもとより、革新技術の創出にも積極的に取り組んでいます。
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