合掌土偶 国宝指定10周年! 平成21年7月10日に国宝となった「合掌土偶」が 指定10周年を迎えます。
八戸市内にある縄文遺跡は当時の食生活、環境、文化を知るうえで貴重な遺跡となっています。「是川石器時代遺跡」は中居・一王寺・堀田の3遺跡の総称で、出土品の963点が国重要文化財の指定を受けています。
平成元年に風張1遺跡での発掘調査で竪穴建物跡から1体の土偶が発見されました。その土偶は、てのひらを合わせた姿から「合掌土偶」と名づけられ、平成21年7月10日付で縄文土偶として3例目の国宝に指定されました。
現在、国宝に指定されている土偶は5体ありますが、合掌形として唯一の完形品で、発掘調査で発見されたという学術的な情報があり、また、当時の風俗を考える上で極めて高い価値を有しています。合掌土偶は、顔や体の部分には赤色の顔料が残っており、当時は全身が赤く塗られていたと考えられています。また、合掌土偶の両足の付け根や腕の部分の割れ目にはアスファルトが付着しており、当時の縄文人がこの土偶を修復して大事に使っていた様子がうかがえます。
これらの是川石器時代遺跡、風張1遺跡からの出土品や合掌土偶は、八戸市是川縄文館で展示されており、直感的に縄文人の芸術性に触れることができます。
また、合掌土偶は、国内の展覧会での展示のみならず、アメリカの美術館、フランスの日本文化会館、イギリスの大英博物館でも展示され、海外からも高い評価を得ております。
縄文文化は、人が自然に関わりながら、気候変動や自然環境の変化にも巧みに適応し、1万年以上もの長期にわたり持続可能な社会を築いた世界史上稀な先史文化です。
今も豊かな自然が残る北海道・北東北には、日本列島の中でも縄文遺跡がたくさん分布し、価値の高い遺跡が数多く残されており、八戸市では「是川石器時代遺跡」が北海道・北東北の縄文遺跡群の構成資産となっています。縄文文化や縄文遺跡の価値を伝える講演会や展覧会の開催、情報発信などを行い、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録を目指しています。
■是川縄文館
○国宝指定10周年記念講演会「縄文土偶の魅力」
現在、日本に5体しかない国宝土偶のうち、八戸市の「合掌土偶」は、てのひらを合わせた完全な姿の坐像として、唯一無二のものです。合掌土偶の国宝指定10周年を記念して、有職者から郷土の歴史・魅力を代表する国宝土偶の素晴らしさや重要性について講演していただきます。
・日時:7月15日(月・祝)海の日 14時00分~16時00分
・会場:是川縄文館1階 体験交流室
・講師:原田 昌幸氏(文化庁 文化財第一課 主任文化財調査官)
※聴講無料、要申込(定員に達し次第、受付を終了します。)
○施設概要
常設展示室、企画展示室で構成されています。常設展示室は是川遺跡・風張1遺跡の国重要文化財となっている出土品を中心に発掘成果を展示し、企画展示室は、是川遺跡や縄文に関わる多様なテーマ、埋蔵文化財に関わるテーマの特別展や企画展を実施します。
是川縄文館では、是川遺跡や風張1遺跡などを通して東北地方の優れた縄文文化を発信し、市民や来館者が八戸の魅力を再発見し、誇りや愛着が感じられるように努め、埋蔵文化財の重要性を伝えています。
・開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
・休館日
月曜日(第一月曜日、祝日・振替休日の場合は開館)
祝日・振替休日の翌日(土・日曜日、祝日の場合は開館)
年末年始(12/27~1/4)
・利用料金
個人:一般250円 高校・大学生150円 小・中学生50円
団体:一般130円 高校・大学生 80円 小・中学生30円
※特別展期間中は特別展料金となります。
※20人以上の場合、団体料金となります。
※市内の小・中学生は無料となります。
・ガイド
ボランティアによる展示解説(日本語・英語)を無料で行っています。
早め(1週間前)の予約をお願いします。
八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館
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