光る瓦屋根を考案し、8月8日(屋根の日)に公開 日本瓦の構造を活かした新たな屋根装飾
2019.08.07 15:15
有限会社山三瓦工業(三重県四日市市、代表取締役:服部 竜大)は、このたび「光る瓦屋根」を考案し、8月8日(屋根の日)に当社の倉庫にて実演公開いたします。またその様子はFacebookページ上にも掲載いたします。雨や雪などの降水から家屋を守るのが瓦屋根の役目ですが、日本の瓦屋根の場合、実は「すき間」だらけなのです。この空間を利用し、瓦職人ならではの技術でLED点滅照明を設置しました。瓦の波間からほんのり漏れる光は、まるでホタルのような輝きです。日本人が失ってはいけないもの。後世に伝えなければならないもの。屋根という家屋の根本から、考えていただくキッカケになれば幸いです。
Facebook: https://www.facebook.com/kawarayamasan/
■1674年、近江の瓦工:西村半兵衛氏によって発明された「桟瓦」、は現在のJIS規格J型であり通称「和型」と呼ばれています。飛鳥時代588年に百済から日本に伝わった、近世で言う「本葺き瓦」と比べ、桟瓦工法は飛躍的に安価であり、江戸での大火をきっかけに日本各地へ広がりました。以来約350年、和瓦は日本人の生活を守ってきました。
■多雨多湿の日本で、瓦が使われてきたのには訳があるのです。日本の気候の場合、水は空からだけではありません。結露という現象があります。家を傷める水分は、家の中にもあるのです。それを屋外に排出する機能が瓦にはあります。瓦屋根にすき間があるのはそのためです。水という物質はその形態を変えてどこからでも侵入します。ならば、少々入っても出るようにすれば良いのです。
■瓦の通気性。一般の方々はまず知りません。そして説明してもなかなか理解してもらえません。二言目には重い、値段が高いという感じです。どうにかして瓦の良さを、350年使われ続けてきた実績を認めてもらいたい。そこで思いついたのが、瓦のすき間を利用した「光る瓦屋根」です。瓦屋根の外観を損なうことなく、夜には装飾として存在感を出せます。
●瓦の原料は「土」という天然素材。「人は土から離れては生きられない」と思っています。家屋の根本たる屋根に、土を纏うことは人を幸せにすると信じています。
【会社概要】
有限会社山三瓦工業
三重県四日市市山之一色町233-1
代表取締役: 服部 竜大
URL : http://www.kawarayamasan.com/
創業江戸期天保年間。現代表は8代目(諸説あり)。幼いころから瓦に親しむが、スペースシャトルに憧れ工科系の大学に進学。流体力学を学び、卒論は「ソーラーボートの試作研究」。最初の就職試験に失敗。慌てて次に、友人の紹介で受けた会社が、瓦製造機械プラントメーカーであることを面接時に知る。3年半ほど「瓦を作る機械」の設計・メンテナンスに携わる。その後は父、祖父とともに晴れた日は「瓦の施工」。雨の日は「瓦の製造」という日々を過ごす。自称「瓦博士」だが、雨漏りの原因を見つけるのが得意であり、「雨漏り捜査官」の方が気に入っている。現在47歳。一般社団法人全日本瓦工事業連盟青年部の副部長を務める。