キノコの女王で里山再生を 放置竹林でキヌガサタケを栽培 キノコメーカーがSDGsビジネス提案 キヌガサタケのタマゴも販売開始
菌床キノコの種苗法品種登録メーカー、株式会社ハルカインターナショナル(岐阜県郡上市和良町横野、井上九州男会長)と、循環型農林業プランナーの合同会社清流日本(東京都中央区)は放置竹林の解消策として、キノコの希少種キヌガサタケを、整備した竹林で栽培する社会問題解決型ビジネスの提案を8月26日から開始しました。
具体的には竹林や里山保全の活動団体、協賛企業、自治体がともに、放置竹林の整備を行い、そこにキヌガサタケ栽培のための培地を投入し、関係団体・企業が栽培管理を行います。発生すれば鑑賞会だけでなく、キノコを高値で販売することも可能です。提案ではまず、モデル事業地1カ所を公募し、パイロット事業を行い、モデル事例をつくり、全国にも広げます。
キヌガサタケは、キノコの希少種です。自然界ではもっぱら、竹林を生息地としていて、複数の県で準絶滅危惧種にも指定されています。キノコの女王とも呼ばれ、短時間に生長し、神秘的なマントを広げる様子は、多くの人を魅了しています。高級中華料理やフランス料理の食材としても知られています。国内に流通しているのは中国産乾燥品ですが、ハルカインターナショナルは昨年の2018年夏季、自社農場ハウスで日本初の商用人工栽培に成功。国内外20を超えるメディアで取り上げられました。人工栽培では、培地の栄養材の一つとして竹チップを利用しており、今後は竹炭も培地材として利用します。
ハルカインターナショナルは今年夏、本格栽培にも成功するとともに、簡易な栽培管理施設でも、キヌガサタケの菌糸が越冬し、キノコを発生させることを確認できました。このため人工培地を竹林に整備すれば、疑似的な自然環境によって、手間を掛けずに越冬、自生できるのはないか、とみています。
今回の提案は、放置竹林を整備する動機として、キヌガサタケの栽培地をつくることを手段としています。放置竹林と、荒れる里山とは密接な関係にあり、里山が保全できないために、周囲の竹林が生息域を広げてしまう関係性も、研究者から指摘されています。また、ごみの不法投棄問題の背景には、荒れ放題の場所だと心理的に投棄しやすい動機をつくっている点も指摘されています。
提案では、竹取物語のかぐや姫伝説と、優美な姿のキヌガサタケをモチーフに「かぐや姫里山プロジェクト」と名付けました。かぐや姫が現れるような里山の景観整備が、周辺住民の心身の健全化にもつながることをアピールしています。
パイロット事業の具体的なスキームは、里山・竹林保全団体と協賛企業が事業主体となり、ハルカインターナショナルが技術支援を行います。放置竹林が整備された場所で、春先から培地を投入し、栽培管理を行い、夏季にはキヌガサタケを発生させます。事業団体には1トン規模の培地(キヌガサタケ約3,000本分)を30万円で販売します。
竹林も利用した簡易栽培施設の整備費などを含め100万円以下で事業が可能です。栽培管理期間は簡易作業のため、作業者は数人で済みますが、発生時は半日で数百個発生するため、鑑賞会と収穫作業を合わせて企画する方法を提案します。地域の自然保全団体は小規模化、高齢化が進んでいるため、企業の主体的な事業参入も受け付けます。パイロット事業の候補地は、流通先の確保や景観保全の優先度などで決めていく予定です。
9月3日から事業提案に対する参入受付と打ち合わせを開始します。申し込みは合同会社清流日本、 https://www.sn-conso.jp/ の問い合わせフォームに入力、送信してください。
また、キヌガサタケのタマゴ(幼菌)の販売も開始しました。タマゴからは高い確率で数日内でキヌガサタケが発生します。優雅な姿を鑑賞した後は、高級食材を手軽な調理で楽しむことができます。説明書付きで1個1,000円。4個入り送料込み5,000円セットを、ネット通販ベイス「有機JASきのこ直売店」で販売しています。販売期間は9月末まで。
プレスリリース動画
記事掲載数No.1!「@Press(アットプレス)」は2001年に開設されたプレスリリース配信サービスです。専任スタッフのサポート&充実したSNS拡散機能により、効果的な情報発信をサポートします。(運営:ソーシャルワイヤー株式会社)