自主調査「年齢を重ねるにしたがって、どうなる?」結果発表 「1年の経つのが早く感じるようになった」は肯定が75%
「角が取れてくる?」「怒りっぽくなる?」なども判明
2019.10.08 10:00
マーケティングリサーチ会社である株式会社 日本リサーチセンター(本社:東京都墨田区/代表取締役社長:鈴木 稲博)は、自主調査「今を読む ~“時代感覚”アップデート」における第2回「年齢を重ねるにしたがって、どうなる?」の結果を公開いたします。
「時間」は、万人において常に等しい速さで流れていきますが、その感じ方や変化の捉え方に関しては、人によって違いがありそうです。特に、自身が生きてきた「時間」=「年齢」による意識の差や変化の実態に迫ります。
■自主調査「今を読む ~“時代感覚”アップデート」について
「効率性」というキーワードが、すっかりスタンダードな価値基準として定着し、デジタルテクノロジーの目覚ましい進化・発展が生活サイクルからライフスタイルまでを大きく変革しつつあります。では、人々の生活意識にはどのような動きがみられるのでしょうか。
当調査では「時間軸」に視点を置き、最新の「時代感覚」について、全4回シリーズで順次ご報告させていただきます。第1回「時代のスピード感」についてはこちら( https://www.atpress.ne.jp/news/193640 )。
*なお、各年代のスコアは、「年齢を重ねるにしたがって、…になってきた」に対する自身の当てはまり度合いを聞いたもので、その年代に至るまでの全人生を線として振り返ったスコアです。例えば70代でのスコアは、「70代時点」ではなく、それ以前から今までの連続的経年・加齢に沿った変化全体を70代として振り返ったときの「総括的スコア」です。スコアの合計値は四捨五入の関係で100%にならない場合があります。
■「1年の経つのが早く感じるようになった」は、肯定派が75%
- 男性に比べて女性の方が高く、年代別では40代で加速感にアクセル
- 60代以降では、“トップギアでの安定走行”に?
図1 1年の経つのが早く感じるようになった
図1 1年の経つのが早く感じる
https://www.atpress.ne.jp/releases/194915/img_194915_1.png
全体では「当てはまる」が47.7%、これに「やや当てはまる」27%を加えた約75%が「肯定派」となっています。逆に否定派(「当てはまらない」+「あまり当てはまらない」)はわずか約5%。この加速感覚は、ほぼ全体的総意といえそうです。
性別×年代別で見ていくと、男性に比べて、女性の方が肯定感が高い傾向が見て取れます。この傾向は、「当てはまる」+「やや当てはまる」でも、「当てはまる」のみでも、全年代で女性が男性を大きく上回っており、明白な差として確認することができます。
年代別では、男女ともに、若い年代に比べて中高年代の方が肯定感が強く、特に30代を境にして、その下(18~29歳)と、上(40代以上)の世代間に大きなギャップが見られます。
特に女性40代以上では、いずれも肯定派が85%前後を示した一方で、否定派は僅少にとどまっており、圧倒的な傾向となっています。この「加速に向けたアクセル」は、特に40代あたりで強く踏み込まれる傾向が見て取れます。
これらの結果から、「年齢を重ねるほど、1年の経つのは早く感じられるようになる」ようです。ただし、60代から70代にかけては、高率は維持しつつも、さらなる大きな伸びは見られず、加速感覚の“上げ止まり”も見られます。いわば「トップギアでの安定走行期」といったところかもしれません。
■「角が取れてきた」は、確かにだんだんそうなるらしい
- 男性60代以上、女性50代以上では「肯定派」が圧倒的多数
図2 角が取れてきた
図2 角が取れる
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全体では「当てはまる」が9.2%、これに「やや当てはまる」27.9%を加えた約37%が肯定派だったのに対して、否定派は20%。
性別では、男性と女性に差は見られませんでしたが、年代別を掛け合わせると、男性では60代から、女性では50代から、「角が取れてきた」と思う肯定派が、否定派を大きく上回ります。特に男女とも70代では、肯定派が過半数を占めています。この年代は、ビジネスから退く男性とその配偶者である女性といったライフステージや、子供が自立して自分自身の時間シェアが高まるタイミングなどとの関連性も想像されるところです。
■「頑固になってきた」は、肯定派26%、否定派32%で一概に言い切れない
- 男性では70代で最も高くなる一方、女性では50代以上で漸減の傾向
- 全般的には肯定派と否定派の二分傾向
図3 頑固になってきた
図3 頑固になってきた
https://www.atpress.ne.jp/releases/194915/img_194915_3.png
全体では「当てはまる」7.4%に「やや当てはまる」19%を加えた約26%が「肯定派」だったのに対して、「否定派」は約32%で、肯定派をやや上回っています。
性別では、男女間で大きな差は見られませんでしたが、年代別を掛け合わせると、「肯定派」は男性では70代が37%と最も高くなっているのに対して、女性では40代が最も高い32%となり、それより上の年代では徐々に低下している点が対照的です。
ただし、いずれの年代においても「肯定派」と「否定派」はかなり拮抗して二分の様相を示しており、どちらか一方に圧倒的にシフトする傾向は見られません。このことから、一概には「年齢を重ねるにつれ頑固になってくる」とは言い切れず、個人差がありそうです。
■「怒りっぽくなってきた」は、肯定派26%、否定派38%で結論付けられず
- 男性では、各年代で肯定派・否定派二分での平準化傾向
- 女性では、50代以降で否定派が圧倒的主流に
図4 怒りっぽくなってきた
図4 怒りっぽくなってきた
https://www.atpress.ne.jp/releases/194915/img_194915_4.png
全体では「当てはまる」が8.1%、「やや当てはまる」17.5%を加えた約26%が肯定派だったのに対して、否定派は「当てはまらない」14.8%、「あまり当てはまらない」22.7%の合計約38%と、肯定派を上回っています。
性別では女性の方が「否定派」が多い傾向。年代別を掛け合わせて見ていくと、男性では肯定派、否定派ともに、全年代を通じて平準的で、それほど大きな変動傾向は見られません。一方、女性では40代では相対的に肯定派が高くなっているものの、それより高い年代では肯定派が急減、否定派が急増し、特に60代~70代では否定派が過半数を占め、完全に主流となっています。したがって、ここでも「年齢を重ねるにしたがって怒りっぽくなる」とは言い切れず、むしろ女性では否定方向へのシフトが見られます。
なお、女性における肯定派が30代、40代で相対的に高くなった後、50代以上で減少を示した傾向は、前記「頑固になってきた」とも共通で、50代~70代での「温厚・協調」方向へのシフト傾向も垣間見られます。
■以上を要約すると
年齢を重ねるにしたがって……
ほぼ総意として「1年の経つのが早く感じる」ようになる中で、だんだんと「角は取れてくるが、「頑固になってくる」「怒りっぽくなる」かは、一概には言い切れない。ただし50代以上の女性では、否定される方向が明らか。
ただし、今回の結果は、前述の通り、全て「本人による振り返り式回答」ですので、「他者からの見え方」とは必ずしも一致しない可能性もありそうです。そうした視点からの追加検証は、今後検討していきたいと思います。
【調査実施概要】
*対象者/サンプルサイズ(有効回収ベース):
全国に現居住する、18~79歳の一般男女個人
-性別(2区分)×年代区分(6区分:18~29歳/30代/40代/50代/60代/70代)
各セル100名、合計1,200名
*調査方法:WEBリサーチ(自社登録パネル「サイバーパネル」活用による)
*調査期間:2019年8月7日(水)~12日(月)
*設問内容:「年齢を重ねるにしたがって、どうなる?」関連での特設4項目
1)年齢を重ねるにしたがって「1年の経つのが早く感じるようになった」
2)年齢を重ねるにしたがって「角が取れてきた」と思う
3)年齢を重ねるにしたがって「頑固になってきた」と思う
4)年齢を重ねるにしたがって「怒りっぽくなってきた」と思う
-いずれも共通質問文で、「あなたご自身はどの程度当てはまりますか?
次の中から最も近いもの1つをお答えください」とした上で
【1.当てはまる/2.やや当てはまる/3.どちらとも言えない/
4.あまり当てはまらない/5.当てはまらない】の5つの選択肢から
1つを回答<SA>
*企画設計&分析 協力:マーケ戦略 発想所
【日本リサーチセンター】
1960年の設立から業界をリードしてきた、伝統ある総合調査会社です。また、マーケティング調査から世論調査、学術調査まで幅広く、国内外で調査を実施し、多岐にわたる調査手法を駆使して最適なソリューションを提供する、独立系の調査専門家集団でもあります。また、オンライン調査については、1997年にパネル運営を開始して以来、20年以上にわたり高品質な「サイバーパネル」を自社で保有しています。