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「心の病」多い世代 20代が初めて3割を超える 第9回「メンタルヘルスの取り組み」に関する 企業アンケート調査結果

公益財団法人 日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所は11月22日、「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果を取りまとめました。本調査は、2002年から概ね隔年で実施しており、今回は2017年に続き9回目となります。労働安全衛生法の改正により、2015年度からストレスチェックが義務化され、産業界のメンタルヘルスへの取り組みは大きな変化を見せています。当本部では、メンタルヘルスは働く基盤であり、この実態を調査し結果を周知することで、各事業者がさらなる積極的な取り組みを進める一助としたいと考えています。


アンケート結果のポイントは以下の通りです。詳細は別添資料をご参照ください。



●「心の病」の年代別割合:前回に続き、10-20代が増加。初めて3割を超え、わずかに40代を上回る。50代除き各世代の比率が横一線となり共通課題に。

前回調査(2017年)では10-20代(27.9%)の増加が大きく、50代を除き各世代が平準化してきていたが、今回も10-20代が増加(30.6%)、40代(29.6%)をわずかながら上回り、最も多い30代(33.3%)にも肉薄し、ほぼ世代間の差が見られない状況となっている。



●最近3年間の「心の病」の増減傾向は「増加傾向」32.0%、「横ばい」54.7%、「減少傾向」10.2%。漸減傾向にあった「増加傾向」の回答が一転して増加。

上場企業で「最近3年間における『心の病』」が「増加傾向」と回答した企業は32.0%と、過去最低となった前回調査(2017年)の24.4%から一転して増加した。「横ばい」と回答した企業は54.7%と、前回調査の59.7%がピークで減少している。

「増加傾向」は、2006年に最高の61.5%となって以降、一貫して減少傾向が続いていたが、今回調査では「増加傾向」の割合が前回より7.6%ポイント増加した。今回の結果のみで増加傾向に転じたとまでは言えないが、今後の動向を注視していく必要がある。



●「心の病」の増減傾向と組織風土・取り組み:「心の病」が減少傾向の企業では「生産性が向上している」の回答割合高い。また「健康経営」「長時間労働」「場所に縛られない働き方改革」の取り組みで効果があがっている割合も高い。

心の病が「減少傾向」と回答した企業では、「生産性が向上している」に肯定的な回答が60.9%と、「横ばい」(50.0%)「増加傾向」(49.2%)より割合が高い。同様に「健康経営に効果」(減少52.2←横ばい40.6←増加38.6)「長時間労働に効果」(減少82.6←横ばい66.7←増加60.0)、「場所に縛られない働き方改革に効果」(減少43.4←横ばい27.6←増加25.1)と「減少傾向」とした企業では、働き方改革の取り組みで効果があがっているとの回答割合が高い。



●ストレスチェックの課題:「集団分析結果の活かし方」を課題として挙げた企業が2/3と最多。続いて「医師面接対象者が希望しないこと」が4割。組織対応と個人対応のストレスチェック制度活用の両輪が課題。

ストレスチェック制度の課題として、最も回答が多かったのは、前回2017年と同様に「集団分析結果の活かし方」(64.6%)で、概ね2/3の企業で課題として認識されている。「医師面接勧奨者が面接を希望しないこと」(39.8%)が約4割で続いており、組織対応と個人対応のストレスチェック実施後のフォローが課題として認識されている。

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