富田林市民の健康寿命延伸のために! 医師会連携の産官学医包括連携協定「TOMAS」を締結
日本初!富田林発・地域リソースの活用による地域包括ケアの実現へ
2019.11.26 14:00
富田林市(大阪府、市長:吉村 善美)、大阪大谷大学(大阪府富田林市、学長:浅尾 広良)、一般社団法人富田林医師会(大阪府富田林市、会長:宮田 重樹)、医療機器・材料メーカーのアルケア株式会社(東京都墨田区、代表取締役社長:鈴木 輝重)の4者は、この度、地域社会の医療・介護・健康の向上に寄与し地域住民の健康寿命延伸を目的として、富田林市産官学医包括連携(TOMAS※1)協定を締結しました。TOMASは、自治体、大学、産業だけでなく、医師会が組織的に連携し事業を推進するという、全国的にも極めて珍しい先駆的な取り組みとなっています。地域リソースを活用した地域包括ケアシステム構築により、地域課題の解決を目指します。
TOMASは、今後富田林市において、市民の健康寿命延伸のために、様々な活動を開始いたします。
●地域リソースを活かした地域包括ケアシステムの構築で地域課題の解決へ
●国内初!医師会と連携した産官学医連携により正しく安全な予防活動を推進
●SDGs(持続可能な開発目標)の達成と最新のグローバル視点を取り入れた事業モデル
※1 TOMAS:呼称 トーマス。当初発起4団体の英語表記の頭文字を合わせて考案。
産官学医連携ロゴ「TOMAS」
■地域リソースを活かした地域包括ケアシステムの構築で地域課題の解決へ
富田林市は高齢化率が29.8%(2019年9月※2)で、高齢化対策が喫緊の課題であるとともに、2002年のピーク時から2019年までの間に約15,000人の人口減少があり、今後も2040年までに大幅な減少が予測されている自治体でもあります。現在、介護予防施策として、介護予防事業や通いの場の整備、住民ボランティア育成による自助活動などがありますが、持続可能性や展開性に課題がありました。年齢を重ねても健康でいられる方を増やす健康寿命延伸への取り組みを、社会的、経済的に持続させるためには、市内の様々な事業者の参入を促し、健康拠点の量と質の拡大による地域づくりが必要となっています。TOMASではそれぞれが抱える課題の解決に向け、地元事業者や学生などの地域のリソースを活かした“富田林版”地域包括ケアシステムの構築を図っていきます。
※2 高齢化率:人口に65歳以上が占める割合。全国は28.1%、大阪府全体では27.5%。
厚生労働省「高齢者白書 2019年版」より
【連携事項】
(1)介護予防に関する事業開発を推進すること
(2)介護予防の普及啓発を推進すること
(3)介護予防に関する教育および人材育成を推進すること
(4)その他連携に関して当事者が必要と認める事項
【産官学医それぞれが抱える課題と本事業で期待すること】
■富田林市
課題 :・より多くの住民への啓発
・生活との接続と取り組み促進
本事業で期待すること:地域住民の健康寿命延伸を実現する、
持続可能なヘルスケア産業の創出
■富田林医師会
課題 :・医療の適正供給の継続
・地域包括ケアの構築と進化
本事業で期待すること:正しい介護予防の普及と、医療の適正利用促進の仕組み化
■大阪大谷大学
課題 :・地域の教育拠点の進化
・学生の実践的教育の充実
本事業で期待すること:産業界や自治体との連携を通じた、
学生の地域に貢献する力の育成
■アルケア
課題 :・地域リソース連携モデルの構築
本事業で期待すること:持続可能なビジネスモデルの検証と構築
■国内初!医師会と連携した産官学医連携により正しく安全な予防活動を推進
TOMASの特徴は、自治体、大学、産業だけでなく、地元医師会が組織的に連携し事業を推進するという点にあります。国内では例を見ない、この体制により、地域医療と地域予防の連携が可能となります。また、提供プログラムを医師会が監修することにより、安全で適切な予防活動の推進が期待できます。
また、各参加者の役割と期待できる成果として、大阪大谷大学は学生の派遣および実習活動を通じた学生の実学経験の研鑽、アルケアは企画推進やコンテンツ提供などでの実践的なヘルスケアビジネスモデルの実績構築、富田林市は地域の介護予防拠点の拡充と広報活動の拡大によって、予防が必要な住民の掘り起こしや持続的なサービスの提供が可能となります。
さらに、介護保険事業計画の推進および持続可能な地域社会実現に向けて、TOMASで有償事業を実施し「商助」の仕組みを動かすことで、事業者が継続的に運営可能な地域のエコシステム構築を目指します。そして、市内の民間事業者を活用しての事業推進を模索していきます。
4者の体制と役割
【これまでの取り組み】
TOMAS締結前のパイロット事業として2019年6~11月に『あすラクからだ教室@大阪大谷大学』を実施しました。富田林医師会監修のプログラムを大学生が習得し、教室の準備・運営を実施、14名の参加者が正しいロコモ予防を学生と楽しく実践しました。学生の実学経験と世代間交流を生む双方の新たな体験の場としてのこの事業成果を活かし、今後も学生が地域で実習・活躍できる実学機会を創出していきます。
教室を運営する大阪大谷大学の学生たち
【今後の展開】
今後は市内の介護事業者や薬局、サービス業事業者等の“場”を活用した、新たな事業の立ち上げとして市内事業者による『あすラクからだ教室』を展開することで、地域の高齢者へのサービス提供や、顧客の健康管理による健康寿命延伸、ずっと使い続けてもらえる足腰を作る機会を創出していきます。その他、市内での介護予防啓発に向けた、教育、体験型イベントの実施など産官学医連携のイベント等も開催予定です。
■SDGs(持続可能な開発目標)の達成と最新のグローバル視点を取り入れた事業モデル
社会的、経済的に持続可能なエコシステムの構築を目指す上で、TOMASの取り組みは、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)にも関連しています。SDGsは、国連が定めた持続可能な開発のための17のグローバル目標と169のターゲットからなる、国連の開発目標であり、具体的行動指針でもあります。また、WHOもSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成には高齢者の健康・社会的ケアのニーズに対応することが不可欠だとし、高齢化への対策ガイドライン「高齢者のための統合ケア(ICOPE※3)」を発表しました。我々はICOPE視点で運動器にアプローチすることで、高齢者がいつまでも生き生きと生活するためのサポート事業を展開してまいります。
※3 ICOPE:WHOが策定した筋骨格系の機能など、高齢者の内在的能力の低下を管理するための地域レベルでの介入ガイドライン
本事業にて実現を目指す5つの目標
【富田林市産官学医包括連携「TOMAS」参画者概要】
●富田林市
大阪府の東南部に位置する富田林市は、自然と歴史に恵まれたまちです。“富田林版”地域包括ケアシステムの構築に向け、医療と介護の連携強化や、地域における日常生活の支援・支え合いのしくみづくりを進めています。
代表者 : 市長 吉村 善美
人口 : 111,270名(高齢化率 29.8% 2019年9月現在)
所在地 : 大阪府富田林市常盤町1-1(〒584-8511)
HP : https://www.city.tondabayashi.lg.jp/
代表TEL: 0721-25-1000
●一般社団法人富田林医師会
地域包括ケアシステムの重要な柱である介護予防と在宅医療を専門的な知識と経験を基に遂行し、地域住民の方々が健康面で安心して暮らせる地域づくりに貢献してまいります。
代表者 : 会長 宮田 重樹(整形外科医)
会員数 : 計186名
所在地 : 大阪府富田林市向陽台1丁目3番38号(〒584-0082)
HP : http://www.tondabayashiishikai.jp/sp/index.html
代表TEL: 0721-29-1210
●大阪大谷大学
大阪大谷大学は、富田林市に立地し、1966年の創立以来、地域の活性化、文化振興等社会貢献活動にも積極的に取り組んできました。この度は人間社会学部スポーツ健康学科の授業の一環として、地域の大きな課題である市民の方々の健康増進、介護予防活動について、学生・教職員ともに取り組んでまいります。
代表者 : 学長 浅尾 広良
学生数 : 学部生3,106名、大学院生11名
所在地 : 大阪府富田林市錦織北3丁目11番1号(〒584-8540)
HP : https://www.osaka-ohtani.ac.jp/
代表TEL: 0721-24-0381
●アルケア株式会社
超高齢社会におけるエッセンシャルパートナーとなることを目指し、ウンドケア、オストミー&コンチネンスケア、ロコモティブケア、ナーシングケア、ヘルスケアの5つの視点でケア現場に貢献し、医療機器・医療用消耗材料の研究開発、製造、販売業を実施しています。
なお、富田林市産官学医包括連携「TOMAS」は、ロコモ事業部が担当しています。
代表者 : 代表取締役社長 鈴木 輝重
社員数 : 550名(2019年4月1日現在)
売上高 : 148億円(2019年6月末現在)
本社所在地: 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル 19階(〒130-0013)
アルケアHP: http://www.alcare.co.jp