デンマークで130年の刺繍工房 幅1.34mの大作を含む展示 岡田美里プロデュース「オールドエヴァとエヴァ展」開催
精密なクロスステッチ刺繍の古い作品から新しい作品を多数公開
2019.12.03 09:30
株式会社ジャムオブワンダー(本社:東京都渋谷区、代表取締役:岡田美里)は、重要文化財「自由学園明日館」にて、「オールドエヴァとエヴァ展」を、2020年2月26日(水)と2020年2月27日(木)の二日間開催します。
岡田美里
本展は、タレントで手芸家の岡田美里にとっての初プロデュース展覧会となります。
岡田美里(1961-)は、モデルやタレントとして、1990年代に「婦人女性誌の表紙を最も多く飾った女性」に選ばれるなど芸能界での活躍後、花や果物、風景などを刺繍するクロスステッチ刺繍の指導者として一貫して女性の手による手仕事の精密な刺繍作品を追求してきました。個展やグループ展での作品発表のほか、刺繍キットのデザインも手掛けるなど、活躍の場を広げています。
2018年には駐日デンマーク大使による任命で日本・デンマーク親善大使となり、デンマーク製品の日本における普及にも尽力しています。
本展では1890年にデンマーク コペンハーゲンのVesterbrogade 62に店を開いた刺繍家Clara Weaver(クララ・ウェーヴァー)の作品を、今では手に入らなくなった貴重なオールドエヴァと呼ばれる刺繍糸で刺した作品や縦1.34×横0.5mにおよぶ大作、縦0.7m×横0.45mを含むオールドエヴァ作品48点、花や鳥をモティーフとした作品総数80点を、重要文化財 自由学園明日館に展示する展覧会です。
特筆すべきは、このほとんどの大作をたった3名の刺繍家が刺したという事実です。
田中麗子、川原和代、五本上恵の3名が約40年かけてきたクロスステッチの手刺繍に加え、岡田美里本人、岡田美里の指導した刺繍家数名による見ごたえある展覧会となります。デンマークの刺繍の歴史と、時間を紡ぐ美しさを伝えるものになります。
自由学園明日館 岡田美里プロデュース「オールドエヴァとエヴァ展」開催
デンマークの歴史あるEVA ROSENSTANDの刺繍作品を80点公開
【会期】2020年2月26日(水)と2020年2月27日(木)
【会場】自由学園明日館
【作品点数】80点
【主催】株式会社ジャムオブワンダー
【後援】ペルミン社(EVA ROSENSTAND)
ブランドとしてのEVA ROSENSTAND(エヴァ・ローゼンスタンド)
エヴァ・ローゼンスタンドのスタイルは1890年にデンマークのVesterbrogade 62に店を開いた刺繍家Clara Weaver(クララ・ウェーヴァー)によって花開き、PC.Skovgaardto(PC.ショーガード)とその妻Georgia(ジョージア)、のちに自然主義的な作風のFalke-Bang(ファルケ・バン)、Leif Ragn Jensen(レイフ・ラグ・ジェンセン)、Verner Hancke(ヴェルナー・ハンケ)などのアーティストより提供された絵画をクロスステッチの刺繍作品に反映させ、世界で最も早く、最初のいわゆる「刺繍キット」を導入開発。2003年、デンマークのコペンハーゲンで創業150年以上となる老舗ペルミン社がEVA ROSENSTAND/Clara Weaverのデザインを引き継ぎ、この古いデンマークの文化遺産がデンマークの手に残るよう尽力している。
■デンマークの刺繍の歴史について
デンマークの刺繍は1700年初頭、一部の富裕層や上流階級の人だけが触れることのできるものでした。
当初は、バロック様式の城(フレディックボー城)のために大きなタペストリーを製作したり、17世紀のゴブラン織りを再生したりしていましたが、1700年代に入り都市から農村へと徐々に広がっていきます。
農村ではテキスタイルが自分の持ち物である事を記す為のシンボルとしてアルファベット刺繍が刺されていました。
少しずつ、その横に鳥や、花、動物のモチーフ、キリストのシンボルなどを組み合わせて、ひとつの布に刺していきました。
それが誰もが知るサンプラーとして今に広がっていきます。
こうしてスティタスシンボルであったサンプラーが長い年月をかけて歴史的背景をもつ作品へと生まれ変わっていきます。
今も、1803年のサンプラーがフレメからキットとして販売されておりますし、ペルミン社は、刺繍業界の中でもサンプラーにかけては、世界一素晴らしい作品を揃えています。
この頃の作品はデンマーク国立博物館に所蔵されています。
そして私達が愛用している刺繍キットという、図案に生地と刺繍糸、針をセットしたレディメイドキットは1970年代には世界的なトレンドになっていきます。
1800年代に入りアンデルセンが生まれました。
この時代はデンマークの音楽や文化が花開いた黄金時代でした。
人々はその後の混乱の時代に癒しや調和のある美しい世界を強く求め、時代背景に合う濃い茶や緑、ボルドーなどベロアやビロードを施したお部屋の雰囲気に合う作品が好まれていきます。
椅子にデザインした作品を刺していたのもこの時代です。
その後デンマークの芸術家ファミリーの手によって、より上質で繊細なFINE ART(素晴らしい絵)を刺繍すると言うコンセプトのもと美しいデザインをベースにしたモダンな作品に移りかわっていきます。
それがEVA ROSENSTAND社(以下 エヴァ・ローゼンスタンド社)です。
エヴァ・ローゼンスタンド社は1890年、コペンハーゲンにクララ・ウェーヴァーによって設立されました。
ボタニカルな植物をモチーフにしたフレメのゲルダ・ベングトソンと共に、現代でもクララとゲルダを超える作家はいないと称されています。
専属画家としてはPC.Skovgaardto(PC.ショーガード)とその妻Georgia(ジョージア)の作品、Falke-Bang(ファルケ・バン)、Leif Ragn Jensen(レイフ・ラグ・ジェンセン)、Verner Hancke(ヴェルナー・ハンケ)などのアーティストが有名です。
この時代のエヴァキットをファンはオールドエヴァとよび、貴重品となっています。
エヴァオリジナルの刺繍糸は100年経っても色褪せることなく彩ってくれます。
キットの種類は1000点以上あり、壁掛けが主流ですがベルプル、ランナー、カクテルナプキン、クッション、カードなど、また60種類以上あるテーブルクロスのデザインの美しさは類をみません。その他にチェアー、スツール、バッグなどにウールで刺す刺繍もインテリアとして楽しめます。
その頃のオールドエヴァと呼ばれる刺繍糸は、風合いや色が現在のものと全く違っています。ウール地にシルクとメタルの糸で刺していました。刺繍糸もエヴァのオリジナルであり草木染めのとても穏やかな色です。
現在では、DMC社(フランス)にある世界的な繊細メーカーの25番糸が主流となっています。こちらの糸も280年の歴史があり素晴らしい刺繍糸です。
エヴァの作品は多種ありますが、特に花・鳥のモチーフは溜息が出るほどの美しさです。
動物達は、今にも動き出してくるような躍動感があり、小鳥達の囀りもの届いてくるようです。残念ながら、エヴァ社は廃業しペルミン社の配下に入りましたが今もキットとして販売されています。
このようにデンマークの刺繍は、その時代に花開いた芸術や、一針一針を丁寧にさした作品には混乱の時代を生きた人々の、より美しいものへの憧憬であったように思われます。
歴史ある作品は、私達を虜にし時代を経ても、先輩から後輩へ、母から娘へと引き継がれていきます。
至宝の煌やきは今も色褪せることはありません。
岡田美里(おかだ・みり)プロフィール
1961年、東京都生まれ。聖心女子大学文学部卒業(1984年)
モデルとして活躍、大河ドラマ「武田信玄」などに出演、1990年代に「婦人女性誌の表紙を最も多く飾った女性」に3年連続で選出される。ハンドメイド教室「アトリエミリミリ」を主宰して2019年で20年となる。東京在住
■会社概要
商号 : 株式会社ジャムオブワンダー
代表者: 代表取締役 岡田美里
所在地: 東京都渋谷区上原2-30-3-4階
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2018.04.19 16:00