ジェルコ リフォームコンテスト2019 ビジネスモデル部門 経済産業省製造産業局長賞を受賞
2019.12.02 17:30
一般社団法人住宅産業先端技術革新協議会(代表:大堀 正幸、以下 Hi-Tech)は、一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会(以下 ジェルコ)が主催するジェルコリフォームコンテスト2019のビジネスモデル部門において、経済産業省製造産業局長賞を受賞しました。
http://www.jerco.or.jp/contest/detail/post_666.php
Hi-Techでは、大和ハウス工業株式会社が提供する狭小空間点検ロボットmoogleをはじめとした先端技術を、住宅点検・診断をリフォーム事業に活用するため、技術者の育成及び認定資格「床下点検技術者」の運営を行っています。この度の受賞は、このビジネスモデルが評価されました。
■ジェルコリフォームコンテストとは
国内最大のリフォーム関連企業の全国組織であるジェルコが年1回開催するリフォーム事例作品のコンテストです。ビジネス部門は、リフォームのデザインの評価とは別に、「新規性・独自性分野」「将来性・波及性分野」「将来的課題解決分野」の3分野からリフォーム産業におけるビジネスモデルが審査されるものです。
■Hi-Techの紹介
Hi-Techは、住宅産業に関わる施工や点検、業務等をより安全により効率的に実施することを目的として2018年に設立されました。
最新のIT技術等の活用研究と、先端技術を活用できる人材育成スキーム構築に取り組み、住宅産業を発展させ、消費者へ長期優良住宅を提供し、ロボットメーカー、各種団体、流通企業単独ではできなかった人材教育システム構築をBtoBの中間支援組織として、住宅産業の発展に寄与することを目的としています。
■Hi-Techの取り組みと受賞内容
Hi-Techでは、床下点検時にmoogleを用いた床下点検を適切に行うことのできる「床下点検技術者」の育成に取り組んでいます。専用機材の適正な利用方法、moogleから送信されるカメラ映像の解析、そして床下点検に関する専門的知見を習得し、「床下点検技術者」として活躍できるようになるための床下点検技術講習会を開催しています。
moogleを用いた床下点検は、点検員が床下に潜って点検する従来のスタイルとは異なり、機体に搭載されたカメラから送られてくる映像を専用パソコンの画面で見ながら機体の操作を行い、同時に床下点検を行います。これまで空間的な制限により点検員が入り込めなかった箇所の点検もできるようになるため、より精度の高いインスペクションが可能となっています。
また、消費者は床下点検の状況をリアルタイムに見ながら、同時に技術者から説明を受けることができるため、床下点検に対する信頼と安心をもたらしています。
その結果、床下点検の効率化により、点検時の時間を大幅に短縮することができ人手不足解消に貢献しています。また、「床下点検技術者」によるmoogleでの床下点検を実施した後のリフォーム成約率が従来より20%程度高まっていることが報告されています。
一方で、リフォーム事業者1社が単独でmoogleを所有することは、購入費用が大きな負担となるという課題が残っていました。この問題を解決するために、Hi-Techでは同一地域に営業所を構えるリフォーム事業者や流通店がmoogleを共同利用することのできる体制を構築しました。この取り組みにより、1社あたりの負担が抑えられ、moogleを用いての床下点検の実施数が大幅に向上しています。
moogleの共同利用体制は、住宅リフォームのコストを低下させることにつながっているため、リフォーム事業者や流通店に競合との価格優位性をもたらしています。また、このような一連の取り組みによる床下点検率が高まることは、住宅性能の維持・向上と密接に関わるため、消費者への快適な住環境の提供モデルとなっています。
以上の点が評価され、この度の受賞となりました。
今後はmoogleの他、ドローンや感度センサー等の最新技術の活用と、それらを適切に活用できる技術者の育成を通して、リフォームを中心とした住宅産業の発展に貢献してまいります。
■協会概要
名称 : 一般社団法人住宅産業先端技術革新協議会
代表者 : 大堀 正幸
設立年月: 2018年11月
事業概要: 1. 住宅産業における先端技術(ロボット、ドローン、AI等)
応用のための研究事業
2. 先端技術を活用できる人材の育成及び
企業活性化のための教育事業の企画・立案
3. 先端技術活用のための教育研修、企業活性化、
人材育成に関する相談
4. 先端技術に関するセミナー、研修及び
検定試験の実施・開催