【雪印メグミルク】 Lactobacillus helveticus SBT2171(乳酸菌ヘルベ)の アレルギー反応抑制作用を確認 《日本食品免疫学会設立15周年記念学術大会》で発表しました
2019.12.03 11:30
雪印メグミルク株式会社 (本社:東京都新宿区 代表取締役社長:西尾 啓治) は、この度、当社保有の新規機能性乳酸菌「Lactobacillus helveticus SBT2171株(乳酸菌ヘルベ)」の健康機能に関する新たな知見について、2019年11月19日に開催された日本食品免疫学会において発表いたしました。
【発表のサマリー】
これまでの研究により、過剰な免疫応答を制御することが確認されていたLactobacillus helveticus SBT2171(乳酸菌ヘルベ)について、アレルギー反応に対する効果をヒト臨床試験で評価しました。日ごろから目や鼻の不快感があり、ハウスダストまたはダニに対する抗原特異的抗体※1)が陽性な健康 成人男女100名(平均年齢39.6歳)を2群に分け、乳酸菌ヘルベを含有する発酵乳または乳酸菌ヘルベを含有しない発酵乳(プラセボ)を1日1本(100 ml)、12週間摂取していただきました。その結果、 乳酸菌ヘルベを含む発酵乳の摂取により、プラセボ群と比較して、目や鼻の不快感症状スコアが有意に改善し、くしゃみの回数も同様に有意に低下しました。
また、作用機序を明らかにするために、花粉アレルギーのモデルマウスを用いて、乳酸菌ヘルベ菌体を投与した時の免疫応答を調べました。その結果、乳酸菌ヘルベは腸管免疫系を介して、アレルギー反応を引き起こす抗原特異的抗体の産生とTh2サイトカイン※2)の産生を抑制することで、アレルギー緩和作用を発揮する可能性が示されました。
※1 抗原特異的抗体:ハウスダスト、花粉などのアレルゲン(抗原)を認識したB細胞より特異的に産生される。体内に侵入したアレルゲンと特異的に反応し、アレルギー反応を引き起こす。
※2 サイトカイン:細胞が分泌する液性因子であり、細胞間の情報伝達を仲介する。中でもインターロイキン(IL)と呼ばれる一連のグループは主に免疫系の細胞から分泌され、免疫細胞の増殖や抑制などに働き免疫系が正常に働くために重要である。
※3 制御性T細胞:免疫細胞の一種で、過剰な免疫応答を抑制したり、免疫の恒常性維持を担う。
※4 B細胞:免疫細胞の一種で、抗体を産生することで生体防御に寄与する。
※5 マスト細胞:細胞質に多数の顆粒を持つ免疫細胞の一種で、抗原特異的抗体と抗原の複合体に反応し、顆粒からヒスタミン等を放出することで様々なアレルギー症状を引き起こす。
◆研究発表概要
演題名:Lactobacillus helveticus SBT2171のアレルギー反応抑制作用とその作用機序
発表者:○山下舞亜1、松本来海1、松本菜々恵1、小畠英史1、大淵俊1、岩井正幸1、市川一幸1、冠木敏秀1、榎本雅夫2
(1.雪印メグミルク株式会社、2.NPO日本健康増進支援機構)
発表日:2019年11月19日(火)
◆学会開催概要
日本食品免疫学会設立15周年記念学術大会
会期:2019年11月19日(火)~20日(水)
会場:タワーホール船堀 (東京都江戸川区船堀)
◆研究発表の内容
これまでに我々は、Lactobacillus helveticus SBT2171(LH2171)が過剰な免疫応答を制御すること、すなわち、in vitroにおいて免疫細胞の増殖や炎症性サイトカイン産生を抑制する作用や、関節リウマチのモデルマウスの症状を緩和する作用を明らかにしてきた。そこで本研究では、LH2171を含有する発酵乳を健常成人が摂取した時のアレルギー反応に与える作用をプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間試験で評価するとともにモデルマウスを用いてその作用機序を推定した。
【方法】
日ごろから目や鼻の不快感(目のかゆみや鼻水、鼻づまりなど)があり、抗原特異的IgE(ハウスダスト、ダニ)のいずれかが陽性な健康成人男女100名(20-64歳;平均年齢39.6歳;男性45人、女性55人)を2群に分け、LH2171群にはLH2171を含有する発酵乳、プラセボ群にはLH2171を含有しない発酵乳を1日1本(100 ml)、12週間摂取させた。摂取開始から4週間ごとに目や鼻の不快感をQOL調査票により評価するとともに採血を行い、抗原特異的抗体価を測定した。
また、マウスにLH2171菌体を乾燥重量で1%含む飼料を摂取させ、花粉タンパク質とアジュバントの腹腔内投与による免疫処理、および花粉タンパク質の点鼻投与によって花粉アレルギーを誘導し、血液および各種免疫組織を解析した。
【結果・考察】
ヒト試験では、LH2171を含む発酵乳の摂取で、プラセボ群と比較して、有意に目や鼻の不快感症状を改善し、くしゃみの回数も有意に低下させた。また、動物試験では、LH2171を摂取した群において、摂取していない群に比べて、アレルギーの増悪因子である血液中の花粉抗原特異的抗体価とリンパ球からのTh2サイトカインの産生が有意に低下した。また、腸管免疫組織であるパイエル板において、抗炎症性サイトカインであるIL-10と制御性T細胞のマーカーであるFoxp3の遺伝子発現量が有意に増加した。
以上のことから、LH2171は腸管免疫系を介して、抗体やTh2サイトカインの産生を抑制し、アレルギー緩和作用を発揮する可能性が示された。
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