タニタ調べ 「車を運転してきた上司・先輩がお酒を 飲もうとするのを止められない」 2割
~飲酒運転に関する意識調査2019~
健康総合企業のタニタは、インターネットリサーチで「飲酒運転に関する意識調査」を実施し、その集計結果を公開しました。この調査は2019年11月13日-11月14日の2日間、全国の20歳-69歳の社用車ドライバー(社用車・公用車を運転することがある人)またはマイカー通勤者でそれぞれお酒を飲む習慣がある人(1,000名)を対象に行ったものです。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
[調査結果]
第1章 社用車ドライバー・マイカー通勤者のお酒との付き合い方
■過信は禁物!? 社用車ドライバーの4割強が「自分はお酒に強い」と回答
仕事で社用車・公用車を運転する社用車ドライバーと、マイカーで通勤するマイカー通勤者に、お酒との付き合い方について質問しました。
全国の20歳-69歳のお酒を飲む習慣がある社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、普段、お酒を飲むときに、1回の飲酒でどのくらいの量を飲むことが多いかを清酒に換算して聞いたところ、社用車ドライバーでは「1合未満」は40.3%、「1合~2合未満」は39.0%、マイカー通勤者では「1合未満」は47.7%、「1合~2合未満」は33.0%となりました。どちらも1合未満が最も高くなっており、缶ビール(350ml)であれば1本前後にあたる量のお酒を1回で飲んでいる人が多い結果となりました。
次に、自分はお酒に強いほうだと思うか聞いたところ、社用車ドライバーでは、「非常にそう思う」は8.3%、「ややそう思う」は35.1%で、合計した『そう思う(計)』は43.4%となりました。お酒に強いと自負している社用車ドライバーは少なくないようです。マイカー通勤者では、『そう思う(計)』は38.3%でした。
■社用車ドライバーの2割が「飲み過ぎると一晩寝てもアルコールが抜けきらないことを知らなかった」
■アルコールがからだから抜けるまでにかかる時間を知っている? 社用車ドライバーの半数近くが「知らなかった」
お酒を飲んでからだに入ったアルコールが抜けるまでには時間がかかりますが、特にお酒を飲み過ぎた後などでは一晩寝てもアルコールが抜けきらないことがあります。このことについてはどのくらいの人が知っていたのでしょうか。
社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、お酒を飲み過ぎると一晩寝てもアルコールが抜けきらない場合があることを知っていたか聞いたところ、社用車ドライバーでは「知っていた」は80.6%、「知らなかった」は19.4%、マイカー通勤者では「知っていた」は76.0%、「知らなかった」は24.0%でした。知っていた人が多数派となったものの、知らなかったという人も少なくない実態が明らかとなりました。
また、アルコールがからだから抜けるまでにかかる時間を知っていたか聞いたところ、社用車ドライバーでは「知っていた」は52.6%、「知らなかった」は47.4%、マイカー通勤者では「知っていた」と「知らなかった」がどちらも50.0%でした。アルコールがからだから抜けるまでにどのくらいの時間がかかるかということについては、知っていた人と知らなかった人が拮抗する結果となりました。
■翌日に運転を控えていても・・・「お酒を飲み終える時間を意識していない」 社用車ドライバーの約1割
続いて、社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、車を運転する何時間前にお酒を飲み終えることが多いか聞いたところ、最も高くなったのはどちらも「12時間以上前」(社用車ドライバー26.3%、マイカー通勤者30.7%)でした。運転までの時間をなるべく長く空けるように意識している人は多いようです。
他方、「意識していない」と回答した人の割合をみると、社用車ドライバーでは7.9%、マイカー通勤者では19.3%となりました。お酒を飲んでからだに入ったアルコールが完全に分解されるまでには時間がかかるため、運転までの時間を意識しない飲酒は危険です。翌日に運転をすることがわかっている場合には、普段お酒を飲むとき以上に、お酒を飲み終える時間を意識することが大切なのではないでしょうか。
アルコールがからだから抜けるまでには、体重が65kgの人の場合、2合の飲酒で6~7時間程度、3合の飲酒で9~10時間程度必要だといわれています。
日頃の飲酒量別にみると、飲酒量が3合以上の人では、「6時間未満」が1.3%、「6時間くらい前」が7.9%、「7時間くらい前」が5.3%、「8時間くらい前」が31.6%となっており、合計した『8時間くらい前までにお酒を飲み終える』人の割合は46.1%でした。アルコールがからだから完全に抜けないうちに運転することは非常に危険なため、翌日に車の運転が控えているような場合には特に、飲酒と運転との間隔を意識することが大切です。
■「翌日に車を運転するのに、ついつい飲み過ぎてしまうことがある」 社用車ドライバーの4割
では、翌日に車の運転が控えているにもかかわらず、前日にお酒を飲み過ぎてしまったという人はどのくらいいるのでしょうか。
社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、翌日に車を運転するのに、ついついお酒を飲み過ぎてしまうことはあるか聞いたところ、社用車ドライバーでは、「よくある」は3.7%、「ときどきある」は16.0%、「1~2回ある」は21.0%で、合計した『ある(計)』は40.7%となりました。また、マイカー通勤者では、『ある(計)』は34.3%でした。
また、『ある(計)』と回答した人の割合をお酒の強さの自己認識別にみると、お酒に強いと感じている人では51.1%と、半数以上になりました。お酒に強いという自負がある人ほど、“つい飲み過ぎてしまった”という経験をしがちなようです。
■翌日に車を運転するのに、ついつい飲み過ぎてしまったシーン 1位「会社の忘年会・新年会」
次に、翌日に車を運転するのに、ついついお酒を飲み過ぎてしまうことがある人(社用車ドライバー285名、マイカー通勤者103名)に、お酒を飲み過ぎてしまったのはどのようなときか聞いたところ、「会社の忘年会・新年会」(社用車ドライバー55.1%、マイカー通勤者49.5%)が最も高く、「友人・知人との飲み会」(社用車ドライバー44.2%、マイカー通勤者43.7%)が続きました。年末年始の節目の飲み会で飲み過ぎてしまったという人が多いようです。
■会社の飲み会で飲み過ぎた理由 1位は「飲み会が二次会・三次会と続いた」、「アルハラ」が理由のケースも
では、どのような理由で飲み過ぎてしまったのでしょうか。
翌日に車を運転するのに、会社の飲み会でお酒を飲み過ぎてしまったことがある人(社用車ドライバー195名、マイカー通勤者58名)に、お酒を飲み過ぎてしまった理由を聞いたところ、社用車ドライバーでは、「飲み会が二次会・三次会と続いた」(44.6%)が最も高く、次いで、「たくさん飲まないともったいないと思った」(24.6%)、「緊張をほぐすため」(16.9%)、「飲まないと場がシラケると言われた」(14.9%)、「先輩・上司に飲酒を強要された(飲めと言われるなど)」(14.4%)となりました。一次会で終わらず、何軒も巡るうちに飲み過ぎてしまったという人が多いようです。
また、「先輩・上司に飲酒を強要された(飲めと言われるなど)」「一気コールがかかった」「お酒以外の飲み物が用意されていなかった」「飲まないと場がシラケると言われた」はアルコール・ハラスメント(アルハラ)に該当する内容となりますが、これらのいずれかを回答した人の割合をみると、32.3%でした。会社の飲み会でアルコール・ハラスメントを受けるなどした結果飲み過ぎてしまったというケースがあることがわかりました。
他方、マイカー通勤者では、飲み過ぎてしまった理由がアルコール・ハラスメントという人の割合は31.0%でした。
■「上司・先輩からお酒を勧められると断りづらい」 社用車ドライバーの半数以上
アルコール・ハラスメントが原因で飲み過ぎてしまったケースが少なくないことがわかりました。社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、飲み会の雰囲気や、上司・先輩からのお酒の勧めについて質問しました。
まず、飲み会で飲まない人がいると場がシラケてしまうと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は、社用車ドライバーでは23.4%、マイカー通勤者では16.0%となりました。
また、上司・先輩からお酒を勧められると断りづらいと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は、社用車ドライバーでは53.1%、マイカー通勤者では47.7%となりました。先輩や上司から勧められると断りづらいと感じている社用車ドライバーは多いようです。
業種別にみると、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、建設業(57.4%)や製造業(53.9%)、金融業・保険業(52.0%)、不動産業・物品賃貸業(58.3%)、医療・福祉(56.4%)で半数以上となりました。
■お酒を飲まないで飲み会を乗り切った方法 1位「ノンアルドリンクだけ飲む」
普段お酒を飲む人でも、事情や状況によって飲みたくない・飲めないというときがあると思いますが、そのようなときと飲み会が重なってしまった場合、どのようにやり過ごしているのでしょうか。社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、お酒を飲まないで飲み会を乗り切った経験について聞きました。
これまでに、お酒を飲まないで飲み会を乗り切った経験がある人の割合(=「経験がある」)をみると、社用車ドライバーでは31.0%、マイカー通勤者では32.0%でした。
では、どのように乗り切っているのでしょうか。
お酒を飲まないで飲み会を乗り切った経験がある人(社用車ドライバー217名、マイカー通勤者96名)に、その方法を聞いたところ、「ノンアルコールドリンク(ノンアルコールビールやソフトドリンク)だけ飲む」(社用車ドライバー69件、マイカー通勤者31件)が最も多く、次いで、「運転することを伝えておく」(社用車ドライバー58件、マイカー通勤者30件)、「『飲まない』とあらかじめ伝えておく」(社用車ドライバー29件、マイカー通勤者9件)となりました。アルコールの入っていないドリンクに終始して乗り切ったという人が多いようです。
■「お酒を飲み過ぎても一晩寝れば運転しても大丈夫だと思う」 社用車ドライバーの4割
■「アルコールが抜けきっていないと思いながら通勤や仕事で車を運転することがある」 社用車ドライバーの2割半
続いて、アルコールがからだに残った状態での運転に関して質問しました。
社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、お酒を飲み過ぎても一晩寝れば車を運転しても大丈夫だと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは39.7%、マイカー通勤者では33.7%となりました。
『そう思う(計)』と回答した人の割合をお酒の強さの自己認識別にみると、お酒に強いと思っている人では49.2%と、約半数となりました。
続いて、アルコールがからだから抜けきっていないと思いながら通勤や仕事で車を運転することはあるか聞いたところ、『ある(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは24.9%、マイカー通勤者では17.0%となりました。
また、社用車ドライバー(700名)に、お酒臭いのに社用車を運転している人を見たことはあるか聞いたところ、『ある(計)』と回答した人の割合は23.3%となりました。
■「翌日の車の運転を考え、お酒を飲まないようにすること」 社用車ドライバーの6割強が「ある」と回答
翌日に車の運転を控えているとき、アルコールをからだに残さないようにするために、どのような対策をしている人が多いのでしょうか。社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、アルコールをからだに残さないようにするための対策を例示し、それぞれの実践状況を聞きました。
【翌日の車の運転を考え、お酒を飲み終える時間を早めること】では、『ある(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは69.9%、マイカー通勤者では56.3%となりました。また、【翌日の車の運転を考え、飲むお酒の量を控えること】では、『ある(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは72.1%、マイカー通勤者では60.3%、【翌日の車の運転を考え、お酒を飲まないようにすること】では、『ある(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは61.3%、マイカー通勤者では52.0%となりました。
お酒を飲んだとしても、アルコールがからだに残らないように飲むお酒の量を調整することで、翌日の運転に備えている人が多いようです。
■「車を運転してきた上司・先輩がお酒を飲もうとするのを止められない」 2割
■「お酒を飲んだ上司・先輩が車を運転して帰ろうとするのを止められない」 1割強
ここで、周囲の飲酒運転防止に向けたドライバーの意識についても尋ねました。全回答者(1,000名)に、車を運転してきた上司・先輩または同僚がお酒を飲もうとするのを止めることができると思うか聞いたところ、【上司・先輩】に対しては、「絶対にできると思う」が41.8%、「ややできると思う」が37.8%で、合計した『できると思う(計)』は79.6%、「あまりできないと思う」が17.9%、「絶対にできないと思う」が2.5%で、合計した『できないと思う(計)』は20.4%となりました。【同僚】に対しては、『できると思う(計)』は88.2%、『できないと思う(計)』は11.8%となりました。同僚のケースと比べ、上司・先輩のケースのほうが、お酒を飲もうとするのを止められないと感じている人が多いようです。
また、お酒を飲んだ上司・先輩または同僚が車を運転して帰ろうとするのを止めることができると思うか聞いたところ、【上司・先輩】に対しては、『できると思う(計)』は87.1%、『できないと思う(計)』は12.9%となり、【同僚】に対しては『できると思う(計)』は90.6%、『できないと思う(計)』は9.4%でした。
■「お酒臭いのに社用車・公用車を運転しようとする同僚を止められない」 1割強
■「運転すると知りながらお酒を勧めると、罪に問われることがある」 1割半が知らず
全回答者(1,000名)に、お酒臭いのに社用車・公用車を運転しようとする同僚を止めることができると思うか聞いたところ、『できると思う(計)』は88.6%、『できないと思う(計)』は11.4%となりました。
お酒臭い状態で運転することは、酒気帯び運転に該当する可能性が高く、その場合は運転者にはさまざまな罰則が科されます。また、運転者だけでなく、酒気帯び運転になる恐れがあると知りながらお酒を勧めたり運転させたりした人も責任が問われ、処罰の対象となります。
そこで、全回答者(1,000名)に、車を運転すると知りながらお酒を勧めると、勧めた人も罪に問われる可能性があることを知っていたかを聞いたところ、「知っていた」は85.1%、「知らなかった」は14.9%となりました。罪に問われる可能性については知っていたという人が多数派となったものの、知らなかったという人が少なくない実態が明らかとなりました。
■「お酒を飲んだ上司・先輩が運転して帰ろうとするのを止められない」
飲酒運転の教唆がほう助罪に問われることを知らない人では3割半、問われることを知っている人の約4倍
ここで、“運転すると知りながらお酒を勧めると罪に問われることがある(飲酒運転の教唆とほう助罪)こと”についての認知別に、お酒を飲んだ上司・先輩や同僚に対して車を運転して帰るのを止められるかどうかをみてみました。
お酒を飲んだ【上司・先輩】に対して車を運転して帰るのを止められるかどうかについて、『できないと思う(計)』と回答した人の割合をみると、“運転すると知りながらお酒を勧めると罪に問われることがある”と知っている人では9.0%となりました。一方で、“運転すると知りながらお酒を勧めると罪に問われることがある”と知らなかった人では、『できないと思う(計)』と回答した人の割合は34.9%でした。“運転すると知りながらお酒を勧めると罪に問われることがある”ことを知っているか否かで、3.9倍の差が出る結果になりました。
また、【同僚】に対して止めることが『できないと思う(計)』と回答した人の割合をみると、“運転すると知りながらお酒を勧めると罪に問われることがある”と知っている人では6.1%、知らない人では28.2%と、4.6倍の差が出ました。
このことから、飲酒運転に関する法制度への正しい理解が、周囲の飲酒運転を止めるのに効果的であることがわかりました。しかしその一方で、法制度を知っていても、上司・先輩や同僚の飲酒運転を止められないと答えた人(上司・先輩に対しては9.0%、同僚に対しては6.1%)がいるということもわかりました。運転者の意識向上や飲酒運転を防止できる職場環境づくりと並行して、客観的な指標に基づいた飲酒運転の歯止めとなる仕組みづくりが必要だと考えられます。
第2章 飲酒運転に対する意識
■「飲酒運転事故のニュースを見ると飲酒運転の怖さを感じる」 社用車ドライバーの9割半
■「飲酒運転に対する世間の目は厳しくなっていると思う」 社用車ドライバー・マイカー通勤者の9割半が実感
飲酒運転により起こる事故について、ニュースなどで見聞きすることが多いですが、社用車ドライバーやマイカー通勤者は飲酒運転に対してどのように感じているのでしょうか。
社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、飲酒運転事故のニュースを見ると飲酒運転の怖さを感じるかを聞いたところ、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは94.0%、マイカー通勤者では93.3%となりました。
また、飲酒運転に対する世間の目は厳しくなっていると思うかを聞いたところ、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは94.4%、マイカー通勤者では94.7%となりました。
第3章 飲酒運転の防止策
■「飲酒運転に関する社用車・公用車のルール・規則が職場にある」 社用車ドライバーの4割強
■「飲酒運転に関するルール・規則が最近1年間で厳しくなった」 社用車ドライバーの3人に2人が回答
社用車ドライバー(700名)に、自身の職場では飲酒運転に関する社用車・公用車のルール・規則があるか聞いたところ、「ある」は41.7%、「ない」は58.3%となりました。飲酒運転についてのルール・規則があるという職場は少なくないようです。
飲酒運転については、その危険性を考えて厳罰化を望む意見が多く挙がっています。では、飲酒運転に関して、会社・組織が独自に定めるルール・規則についても、厳格化の流れにあるのでしょうか。
自身の職場に飲酒運転に関する社用車・公用車のルール・規則があると回答した人(292名)に、そのルール・規則は最近1年間で厳しくなったかを聞いたところ、「厳しくなった」は65.8%、「厳しくなっていない」は34.2%で、厳格化した職場のほうが多い結果となりました。
■飲酒運転を防ぐには? 職場で行われている防止策 1位「アルコールの基礎知識を学ぶ機会を設ける」
■「自分の職場で飲酒運転の防止策が取られている」 社用車ドライバーの6割強、前回調査から上昇傾向に
続いて、社用車ドライバー(700名)に、職場における飲酒運転の防止策について質問しました。
自身の職場で行われている飲酒運転の防止策を聞いたところ、「特になし」は38.9%で、飲酒運転の防止策が取られている割合は61.1%でした。具体的な対策をみると、1位「アルコールの基礎知識を学ぶ機会を設ける」(25.4%)、2位「飲酒運転防止マニュアルを配布する」(24.1%)、3位「飲酒運転に対する職場の罰則を周知する」(22.7%)となりました。アルコールについて学ぶ機会を設け、しっかりとした知識を身に付けることで飲酒運転を防ごうと考えている職場が多いようです。その他、「社用車・公用車の運転前にアルコール検知器による社内・組織内チェックを実施する」(16.1%)や「通勤前のアルコール検知器による自己チェックを義務付ける」(11.7%)といった、アルコール検知器を用いた事前チェックを取り入れている職場もみられました。
2018年の調査結果と比較すると、『飲酒運転の防止策が取られている』の割合は、2018年59.0%から2019年61.1%へと、上昇傾向がみられました。また、「社用車・公用車の運転前にアルコール検知器による社内・組織内チェックを実施する」は2018年13.8%から2019年16.1%となり、こちらも上昇傾向がみられました。
■職場で実施するべき防止策は? 「社用車・公用車の運転前にアルコール検知器による内部チェックを実施」が3位
社用車ドライバー(700名)に、自身の職場で実施するべきだと思う飲酒運転の防止策を聞いたところ、1位「飲酒運転に対する職場の罰則を周知する」(26.1%)、2位「お酒を多く飲むことや強いることをよしとしない風土作りをする」(25.7%)、3位「社用車・公用車の運転前にアルコール検知器による社内・組織内チェックを実施する」(25.3%)となりました。
また、「特になし」は27.0%で、何らかの飲酒運転の防止策を取る必要性があると感じている人の割合をみると73.0%でした。
■「からだにアルコールが残っていないか簡単に調べられる検知器が市販されていること」
社用車ドライバーの認知率は6割
飲酒運転の防止策として、アルコール検知器を用いた事前チェックを取り入れている職場があるということがわかりましたが、アルコール検知器についてはどのくらいの人が知っているのでしょうか。
社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、からだにアルコールが残っていないか簡単に調べられる検知器が市販されていることを知っていたか聞いたところ、「知っていた」と回答した人の割合(以下、認知率)は、社用車ドライバーでは60.0%、マイカー通勤者では54.3%となりました。
通勤前のアルコール検知器による自己チェックを義務付けている会社があることを知っていたか聞いたところ、認知率は社用車ドライバーでは59.7%、マイカー通勤者では48.3%となりました。
また、社用車・公用車を運転する社員・職員に対し、運転前にアルコールチェックを実施している会社・組織があることを知っていたか聞いたところ、認知率は社用車ドライバーでは72.7%、マイカー通勤者では63.3%となりました。
第4章 従業員・職員による飲酒運転事故
■従業員・職員が飲酒運転事故を起こす会社・組織に対するイメージ
「だらしない従業員・職員が多そう」と感じる社用車ドライバーは8割以上
社用車ドライバー(700名)とマイカー通勤者(300名)に、従業員・職員が飲酒運転事故を起こす会社・組織に対するイメージについて聞きました。
【だらしない従業員・職員が多そうだと思うか】については、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバー82.0%、マイカー通勤者79.7%、【役員・経営者、幹部がしっかりしてなさそうだと思うか】については、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバー80.4%、マイカー通勤者81.0%となりました。
また、【商品・サービスにも問題がありそうだと思うか】については、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバー75.4%、マイカー通勤者72.3%、【複数のコンプライアンス問題を抱えていそうだと思うか】については、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバー83.9%、マイカー通勤者82.3%となりました。
■「従業員・職員が飲酒運転事故を起こす会社・組織とは取引をしたくない」 社用車ドライバーの8割強
【従業員・職員が飲酒運転事故を起こす会社・組織とは、取引をしたくないか】については、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、社用車ドライバー82.1%、マイカー通勤者81.7%となりました。
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