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いじめ加害者を生み出したのはだれか

ー 社会の責任を放棄した傍観者になるな! ー

2019.12.13 18:30

特集記事『いじめ加害者を生み出したのはだれか』
児童虐待、上司からのパワハラ、学校内のいじめ……テレビをつけると苦しくなるニュースが毎日飛び込んでくる。

こうしたニュースを見て、「かわいそうだが、自分には関係ない」と思う人もいるだろう。しかし、暴力被害は他人事ではない。あなたの家族や友人が、だれにも言えずに苦しんでいるかもしれない。

都道府県労働局等に設置した総合労働相談コーナーに寄せられる相談内容のうち、「いじめ・嫌がらせ」に関する内容がトップで、平成30年度には82,797件の相談があった。
<参考:文部科学省 / 平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況>
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000213219_00001.html

相談レベルで8万件を超えている事実から、実際の事件としてニュースになるのはわずか一部であることがわかる。私たちに届いていない、数多くの被害者や加害者がいることを忘れてはならない。

SNSで暴力に関するニュースに対する意見を見ていると、被害者側へ同情する声が多く見られる。「かわいそう」という感想に留めず、加害者側について「なぜ事件が起こってしまうのか」を深堀りして考える必要があるのではないか。

そこで4人のゲストから話を伺い、一緒に考えていきたい。

●公開日時:2019年11月15日(金)17:30 ウェブマガジンSOCIO

▼ 記事概要・作家紹介

1 しらけムードからあきらめムードの格差社会へ

平成30年度、全国の小中高校で認知されたいじめの数は、54万3,933件と過去最多を記録した。
<参考:文部科学省 / 平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果>
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/10/__icsFiles/afieldfile/2019/10/17/1410392.pdf
自身は戦後昭和22年に新制中学校に入学したという、黒長澳さん(元幼稚園園長)。現在の陰湿で継続的ないじめについて、その原因を社会的背景から読み解く。

▽ 黒長澳(くろなが・ふかし)

元幼稚園園長。
『空からお金が降って来る: 黒長澳(くろながふかし)短編集 』の著者。
1934年
  広島県呉市生まれ。本名、黒長澳。玉川大学文学部教育学科卒業。学校法人理事。
1956年
  小学校に赴任。定年退職後、幼稚園勤務6年。
2000年10月
  幼児教育の理論と実践の書「ふだん着の園長」(渓水社)を出版。読者の依頼で、保育園・小学校・青年会議所などで講演。「空からお金が降って来る」は第15回フーコー短編小説コンテスト優秀賞作品。
黒長澳『空からお金が降って来る: 黒長澳(くろながふかし)短編集 』

2 家父長制のなごりは現代のいじめに影響しているのか?

世の中の不合理や権力に抗議する市民運動の先頭に立ってきた桜井善作さん(月間小新聞『野火』代表)は、格差社会について危惧の念を抱いている。

▽ 桜井善作(さくらい・ぜんさく)

月刊小新聞「野火」代表。
『市井人: 権力への反抗とその歩み』の著者。
【略歴】
1934年 新潟県魚沼市生まれ
1953年 新潟県立小千谷高等学校商業科卒
1960年 伸圭印刷開業
1962年 生命保険会社に外務員として勤務
1971年 田中金権政治批判を開始
1980年 月刊小新聞「野火」を創刊
1990年 専門学校派遣講師となる
2000年 落選運動を旗揚げ
2002年 草涛宿を開く
2007年 6月で「野火」が200号に到達
著書:『新潟3区』(1977年、主婦の友社)、『続 新潟3区』(1979年、主婦の友社)、『闇の指揮者がタクトを振るとき』(1984年、日本経済評論社)、『われら主権者』(1993年、社会評論社)、『先生は教祖がお似合い』(1996年、三一書房)
桜井善作『市井人: 権力への反抗とその歩み』

3 主権者が社会をあきらめていないか?

では、主体的な生き方とは一体何だろうか。平和な未来のために「概念分析」を提言している安平哲太郎さん(元通産省職員)は、主権者の意識が大切だという。

▽ 安平哲太郎(やすひら・てつたろう)

元通産省職員。
『概念分析: 未来への提言』の著者。
【略歴】
1946年 
 生まれ
1972年 
 成蹊大学大学院工学研究科修士課程卒
 同年通産省工業技術院電子技術総合研究所入所
2001年 
 独立行政法人 産業技術総合研究所
2007年
 同上 退職
安平哲太郎『概念分析: 未来への提言』

4 すぐにイライラする暴力に頼る人、圧倒的に足りない力とは?

殺伐とした社会で大きな構造改革をするには多大な時間とお金がかかる。そこで、少しでも平穏な日常生活を送るために一人ひとりがどんな意識を持てばよいか考えていく。「刑事裁判のあり方は、社会的な条件などの変化によって大いに変わる」と宮野彬さん(元明治学院大学法学部教授)はいう。

▽ 宮野彬(みやの・あきら)

元明治学院大学法学部教授。
『揺れる絞首刑台: 若者の死刑観と個人的な死刑の代案 』の著者。
1933年
 東京に生まれる
1957年
 中央大学法学部卒業
1963年
 東京大学大学院博士課程修了
鹿児島大学法文学部講師・助教授を経て現在 明治学院大学法学部教授
主著 『安楽死』(日経新書)(日本経済新聞社、1976年)
『刑事訴訟法100問』(共著)(蒼文社。1978年)
『刑法入門』(共著)(有斐閣新書)(有斐閣、1979年、[新版]1989年)
『安楽死から尊厳死へ』(弘文堂、1984年)
『刑法各論』(共著)(青林書院、1984年、[増補版] 1988年)
『犯罪の現代史』(三嶺書房、1986年)
『日本の刑事裁判』(三嶺書房、1987年)
『おもしろ公務員刑法雑学読本』(公人の友社、1988年)
『刑法の社会学』(三嶺書房、1989年)
『刑事和解と刑事仲裁』(信山社、1990年)
『裁判のテレビ中継を』(近代文藝社、1993年)
宮野彬『揺れる絞首刑台: 若者の死刑観と個人的な死刑の代案 』

▼ SOCIOとは

SOCIO(ソシオ)は、「あたらしい自分と社会をつくる」をコンセプトにしたウェブマガジンです。毎記事で1つのテーマを取り上げ、各界で活躍する作家が質問にお答えします。社会問題から人生のお悩みまで、さまざまな気になることを作家とともに考えていきます。SOCIOを通して、みなさまが未来について考える機会をお届けしたい。そんな想いで、発信してまいります。
公式HP: https://www.socio22.com/
Twitter: https://twitter.com/SOCIO_sns

「あたらしい自分と社会をつくる」ための3つのメッセージ
①多様性:多様性が求められる社会で、他人の主張を無視しない。
②気づき:その中にある気づきを育み、自分だけの行動指針を生み出す。
③営む:ひとり一人の決断の連鎖で、社会をアップデートする。

「あたらしい自分と社会をつくる」ための3つのメッセージ
「あたらしい自分と社会をつくる」ための3つのメッセージ

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代表者  : 向田翔一
所在地  : 〒105-0003 東京都港区西新橋1-5-12 佐野ビル6F
設立   : 2014年12月
事業内容 : 書籍・電子書籍制作及び出版
TEL   : 03-5941-9774
FAX   : 03-5941-9773
MAIL  : info@22art.net
公式HP : https://www.22art.net/
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